2020年の中央競馬を締めくくる大一番・第65回有馬記念(GⅠ・芝2500m 16頭立て)が27日、中山競馬場で行われました。有馬ファン投票第1位の⑨クロノジェネシス、春天2連覇⑬フィエールマン、今年GⅠ2勝⑦ラッキーライラック、善戦キャラから脱出なるか⑩カレンブーケドール、2年前の覇者②ブラストワンピース、昨年3着⑤ワールドプレミア、3年連続参戦⑥キセキ、他にも④ラヴズオンリーユー、⑧ペルシアンナイトといったGⅠウィナーや、⑫オーソリティと①バビットの3歳世代も参戦しました。
単勝オッズは、1番人気クロノジェネシス(2.5倍)、3番人気フィエールマン(3.5倍)、3番人気がカレンブーケドール(7.9倍)、4番人気のラッキーライラック(8.1倍)まで10倍以下。5番人気以降はワールドプレミア、ラヴズオンリーユー、オーソリティ、キセキ、ブラストワンピースという順番でした。
スタートで⑫モズベッロが出遅れ、キセキと⑯ユーキャンスマイルも後方から。好スタートを決めたバビットが先手を取り、ブラストワンピース・オーソリティ・③クレッシェンドラヴが2番手集団を形成し、ラヴズオンリーユー5番手。ラッキーライラックとカレンブーケドールが6,7番手につけ、中団にはワールドプレミア,ペルシアンナイト,⑮オセアグレイトの3頭が並ぶ。クロノジェネシスは11番手、すぐ後ろの12番手にフィエールマンが追走し、13番手⑬サラキア、14番手キセキ、15番手モズベッロ、最後方にユーキャンスマイル。
4コーナーから1周目の正面スタンド前に差し掛かり、バビットがゆったりと逃げ、オーソリティ2番手、ブラストワンピース3番手。オセアグレイトが4番手に上がると、フィエールマンもポジションを押し上げていく。カレンブーケドールとワールドプレミア、ラッキーライラックは中団キープ。クロノジェネシスは12番手でゴール板を通過した。
1コーナーを回り、先頭のバビットは前半1000mを62秒2で通過。2番手グループには、オーソリティがわずかにリード。ブラワンが内側3番手、フィエール外側4番手。5番手集団にはワープレ・クレッシェンド・ブーケドールの3頭が並び、オセアが8番手。9番手ペルシアン、10番手ライラック、11番手にラヴオン、クロジェネは12番手から。後方勢はキセキが13番手からスパート開始、14番手サラキア、15番手ユーキャン、ベッロが最後方という展開。
3コーナーを通過し、バビットがまだ先頭を守り、フィエールが2番手に浮上。クロジェネ・キセキ・ブーケドールが好位まで浮上し、オーソリティ6番手、ライラックとラヴオンは外に持ち出し、ワープレは後方に一旦下がる。後方ではブラワンがズルズルと下がり、4コーナー手前でレースをやめた。
4コーナーを通過し、直線コースに入ったのと同時にフィエールマンが先頭に躍り出る。外からクロノジェネシスが追い込み、カレンブーケドールも3番手から追撃に入る。後続からはラッキーライラックとワールドプレミアも追い上げ、一番外からサラキアが脚を伸ばす。残り200mでフィエールとクロジェネが並ぶと、ラスト100mでクロジェネが前に出る。サラキアが外から強襲し、ゴール前で差を詰めるが、クロノジェネシスが先頭でゴールイン!ファン投票1位&1番人気に応え、グランプリ春秋連覇達成です。
【有馬記念 全着順】
1着 ⑨クロノジェネシス 2分35秒0
2着 ⑬サラキア クビ差
3着 ⑭フィエールマン クビ差
4着 ⑦ラッキーライラック 2馬身1/2
5着 ⑤ワールドプレミア 1/2馬身
5着 ⑩カレンブーケドール 同着
7着 ⑧ペルシアンナイト
8着 ③クレッシェンドラヴ
9着 ⑮オセアグレイト
10着 ④ラヴズオンリーユー
11着 ⑯ユーキャンスマイル
12着 ⑥キセキ
13着 ①バビット
14着 ⑫オーソリティ
15着 ⑪モズベッロ
中止 ②ブラストワンピース
【払戻金】
単勝 ⑨ 250円
複勝 ⑨ 130円 ⑭ 770円 ⑬ 160円
枠連 5⃣-7⃣ 380円
馬連 ⑨-⑭ 10,330円
馬単 ⑨-⑭ 11,360円
ワイド ⑨-⑭ 2,320円 ⑨-⑬ 270円 ⑬-⑭ 2,550円
3連複 ⑨-⑬-⑭ 7,370円
3連単 ⑨-⑭-⑬ 50,150円
2020年はやっぱり牝馬の年でした!1番人気だったクロノジェネシスが優勝し、グランプリ競走春秋連覇を達成。2着には単勝11番人気のサラキアが入り、有馬記念史上初めての牝馬ワンツーフィニッシュとなりました。サラキアは今回が現役ラストランでしたが、大外からもの凄い末脚を見せ、あわや大金星かという激走。勝ったクロジェネより強烈なインパクトを残しましたね。2番人気のフィエールマンは、直線に入ったところで先頭に立つも、最後は3着でした。
4番人気のラッキーライラックは4着、3番人気のカレンブーケドールとワールドプレミアが5着同着。3歳勢はバビット13着、オーソリティ14着。2頭ともスタートから前の位置につけていたけど、最後はともに失速しました。なお、ブラストワンピースがレース中に心房細動を発症し、4コーナーで競走中止。命には別条なかったことが不幸中の幸いといえるけど、現役を続けられるはもう無理でしょう。
クロノジェネシスは昨年の秋華賞、今年の宝塚記念に次いでGⅠ3勝目。鞍上の北村友一騎手は有馬記念初出場で初制覇。斉藤崇史調教師も同レース初勝利。斉藤厩舎は今年GⅠを3勝、11月にはJRA通算100勝を達成し、まさに躍進の年でした。
クロノジェネシスは今回のファン投票で21万4742票を獲得し、これまでの「史上最多得票数」だった1989年のオグリキャップの19万7682票を大幅に塗り替えました。2500mの距離、中山コース初体験と不安なところもありましたが、残り1000mを切ったところで仕掛けると、4コーナーで先頭争いに加わり、直線でフィエールマンと叩き合い、ゴール前抜け出しました。有馬記念の主役としては最高の結果を残しましたなあ。
GPレースで連勝し、名実ともに現役ナンバーワンになったクロノジェネシス。来年からはコントレイルとデアリングタクトを迎え撃つ立場となりますが、現役トップ&先輩の意地を見せられるか?それにノームコアとの姉妹対決も見たいが実現するだろうか?
というわけで、2020年の中央競馬も全日程が終了。今年は新型コロナの影響で無観客開催が続いたけど、牡牝同時三冠、アーモンドアイの芝GⅠ9勝の新記録、白毛馬のGⅠ制覇と記録ラッシュに沸いた1年でもありました。コロナがいつ収束するかわからないけど、競馬場に早く大歓声が戻ってきてほしい。