5月10日に初日を迎える大相撲春場所を前に、横綱審議委員会主催のけいこ総見が両国国技館で行われ、横綱・朝青龍が作家の内館牧子さんと握手を交わすというサプライズが起こりました。対立関係にあるこの2人に一体何があったのか?
この日の朝青龍は、鶴竜、栃煌山といった若手&中堅力士と取り組んで全勝。まだ右ひじ痛の痛みが残っているのか8番で切り上げましたが、成績からして好調を印象付けられました。その朝青龍は総見終了時に内館さんのところに駆け寄ってがっちりと握手したのです。
なぜ握手したのかという理由には、内館さんが昨年12月に心臓弁膜症の手術を受け、しばらくは治療に専念していました。手術から約4カ月後、この日のけいこ総見で久々に横綱委員の職務に復帰。朝青龍はその復帰を嬉しく思ったのか、握手を交わすと「心配しました。元気になって良かったです」と声をかけていました。因縁関係にある2人ですが、この日は朝青龍のサプライズに内館さんも思わず笑顔。見学に来た5000人の観客も両者の握手に歓声が沸き上がっていました。でも、朝青龍のけいこを見ての感想は「もっと横綱相撲を見せてほしい」といつも通りの辛口コメントでした。
内館さんと朝青龍は過去に幾つかの因縁があり、朝青龍の昇進に唯一反対した、骨折を理由に夏巡業を休んだのにモンゴルで元気にサッカーをやった事で問題になったときは「私の中では引退した人」と切り捨て、「引退声明を出した方がいい」と引退勧告を出すというのもありました。朝青龍も内館さんが入院した事を知ったときは心配されていたとか。この日の握手シーンは、横綱としての品格を見せた形でしょうね。
内館さんが入院している時も相撲を見ており、大関の不甲斐ない戦いぶりに血圧が上がってしまったんだって。夏場所で大関陣が活躍すれば、内館さんの血圧も安定したりして?復帰しても朝青龍には厳しい内館さん、朝青龍が夏場所で優勝したらそろそろ完全な和解をしてもいいんだけど、対立関係が続く2人じゃ無理か。
さて、けいこ総見ですが、春場所を優勝して2場所連続優勝を目指す白鵬は、4人の大関に対して11番対戦して8勝3敗という成績。琴欧洲に対しては寄り切られるというシーンも見られました。武蔵川理事長も「稽古不足じゃないのか」と不安になっておりました。総見で迫力を欠いたということで不安を残す形になりましたが、白鵬は横綱の意地で本番になったら結果を残して優勝争いに加わることでしょう。大関陣では春場所で13敗を喫してカド番となる千代大海が精彩を欠きました。春場所時は肋骨の骨折と糖尿病を患っていたことが影響して大きく負け越し、夏場所は進退をかけるつもりですが、これでは厳しいか…。最近の大関陣は調子が悪いことから奮起が求められているのに、夏場所も苦戦しそうです。