今季からアメリカ・メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍した田中将大投手が、日本時間5日のトロント・ブルージェイズ戦(@ロジャース・センター)で公式戦初登板初先発に臨み、7回3失点でメジャー初勝利を挙げました。
イチロー選手も7番ライトで先発出場したこの試合、ヤンキースは1回に先頭打者・エルズベリーの2塁打、ガードナーのレフト前ヒットで無死1,3塁のチャンスをつくり、3番・ベルトランのセンター前タイムリーヒットで1点を先制。なおも2人の走者を置き、5番・テシェイラのライト前タイムリーヒットで2点目を奪い、田中を援護します。
その裏、田中がメジャーのマウンドに上がる。ブルージェイズ最初の打者・カブレラへの初球は、149キロのストレートでストライク。しかし、カウント1ボール1ストライクからの3球目のスプリットを狙われ、右中間スタンドへの先頭打者本塁打を浴びてしまいます。いきなりメジャーの洗礼を受けた田中ですが、1死後に3番・バティスタを低めのスライダーで見逃し三振を奪うと、4番・エンカーナシオンにはスプリットで空振り三振に仕留めました。
続く2回、1死から6番・ナバロと7番・ローリーに連続ヒットを許すと、さらに味方のエラーで満塁のピンチを招き、9番・ディアスに初球ストレートを弾き返され、三遊間を破るレフト前への2点タイムリーヒットを打たれ、2-3と逆転される。2回までに3失点と苦しいピッチング。
何とか田中を助けたいヤンキース打線は、3回に2死2塁からイチローが微妙な2塁ゴロで3アウトチェンジかと思われましたが、ビデオ判定で内野安打に変更。2死1,3塁で8番・ソラーテが右中間を破るタイムリー2塁打。3塁走者と1塁走者が生還し、ヤンキースが4-3と再びリードを奪います。
味方の援護を貰った田中は、3回に初めて相手打線を0点に抑えると、4回には下位打線を寄せ付けず初めての3者凡退。5回はバティスタからこの日2個目の三振を奪い、再び3者凡退に抑えて勝利投手の権利を獲得。6回、先頭のエンカーナシオンに内野安打を許すも、続く5番・リンドを併殺打に仕留めて、相手の反撃を阻止。7回はローリーをスプリットで空振り、ディアスを直球で見逃し三振に仕留め、下位打線を3者凡退に封じたところでお役ごめん。
試合はヤンキースが4回にマキャンのタイムリーで1点を追加すると、8回と9回にも追加点を挙げ、7-3でブルージェイズに快勝しました。
2014年 ア・リーグ公式戦
ブルージェイズ-ヤンキース(ロジャーズ・センター、08:07、米東部4日19:07)
NYY 202 100 011 7
TOR 120 000 000 3
【投手】
(ヤ)田中将、ソーントン、ベタンセス、ロバートソン-マキャン
(ブ)マゴワン、ループ、レドモンド、セシル、デラバー、ジェフレス-ナバロ
【責任投手】
(勝)田中将1勝
(敗)マゴワン1敗
【本塁打】
カブレラ1号(1)(ブ)
田中将大投手がメジャーデビュー戦で見事勝利投手!しかも、この勝利で日米通算100勝を達成しました。通算176試合目での到達ということで、ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)の177試合、野茂英雄氏(185試合)を抜いて歴代最速記録となります(※ドラフト制度導入以降)。これはダブルでおめでたい事です。
この日は7回まで97球を投げ、被安打6・8奪三振・無四球・3失点(自責点2)という内容。いきなり先頭打者ホームランを浴びたり、2回にも満塁から2点を失い、2回まで3失点と苦しみましたが、3回から徐々に調子を上げ、4回以降はヒット1本に抑えました。低めのスプリットで5個の三振を奪い、ブルージェイズの主砲であるバティスタ選手に対しては無安打&2三振。序盤の失点からよく立ち直ったし、うまく粘りましたね。
チームメイトのイチロー選手は、この試合5打数3安打の猛打賞をマークし、チームの勝利に貢献すると同時に、田中投手の白星をアシスト。2打席目のビデオ判定がそのままアウトだったら、ソラーテの逆転タイムリーは無かったと思うので、とても大きな内野安打だったと思います。田中投手については「7回を100球以内で終わらせるのはやっぱりすごい」と称賛していました。
メジャー初登板で「1億5500万ドルの男」の実力を発揮した田中投手、次戦は中4日で日本時間9日のボルティモア・オリオールズ戦(@ヤンキースタジアム)での登板が濃厚だそうです。本拠地・ニューヨークでの初登板も見逃せません。