ボクシングの「WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦」井上尚弥VSノニト・ドネアが9日、さいたまスーパーアリーナで行われました。2019年11月の「ワールドボクシング・スーパーシリーズ バンタム級トーナメント」決勝戦で激戦を演じた両者が、再び埼玉で激突!前回は井上選手が11ラウンドにダウンを奪い判定勝ち。その後、井上選手は3試合連続でKO勝利、ドネア選手もWBCバンタム級王座を獲得しています。今回の再戦は3本のベルトを懸けた統一戦。井上選手が宿敵・ドネアを倒して日本人初の3団体統一王者となったのか?
第1ラウンド開始直後にドネアが左フックを見せるが、井上の顔面に当たらず。井上も左のジャブとフックで相手を牽制。ドネアがボディで懐に入るところを、井上が左フック。残り1分に井上が右ストレートを放つと、残り40秒で井上の左パンチ→ドネアがカウンターの左フック。ここから両者が打ち合い、第1ラウンド終了間際に井上の右ストレートが炸裂し、ドネアがダウン!ドネアがファイティングポーズを取り、井上も臨戦態勢に入るもゴングが鳴って終了。井上が第1ラウンドからダウンを奪いました!
第2ラウンド、ドネアが先に左フックを放てば、井上も左フックで対抗。30秒経って井上の左フックがドネアの右こめかみに直撃。ドネアがバランスを崩すと、井上が怒涛の連打!コーナーに追い詰めると、右ストレート、左ボディがヒット。1分過ぎてドネアも反撃を試みるが、またも井上の左フックがクリーンヒット。モロに喰らったドネアよろける。井上は一気にラッシュを仕掛け、左ボディ→左右のパンチで畳みかけ、左ジャブからのワンツー、最後は左フックでドネアをキャンバスに沈めたところでレフェリーストップ!2ラウンド1分24秒、井上尚弥がTKO勝ちを果たしました!
「ドラマ・イン・サイタマ」の第2章は、井上選手がドネア選手を圧倒!第1ラウンド終了間際に先制ダウン、2ラウンド目には相手のお株を奪う左フックでダメージを与え、最後も左フックを決まり勝負あり。WBA王座7度目、IBF王座5度目の防衛に成功すると共に、ドネア選手の持っていたWBC王座を奪取し、日本人で初めての3団体統一王者となりました。
前回の対戦の時はドネア選手の左フックをもらって眼窩底を骨折するなど、これまでで一番苦戦を強いられました。しかし、この日は井上選手の本来の力が発揮。スピードもパワーも相手を上回り、ドネア選手から2度のダウンを奪い、早いラウンドで決着をつけました。左フックの他にも、右ストレートやボディ、アッパーも的確に当たってましたね。なんでこんな凄い試合が地上波で見られないんだ!
これで井上選手は2020年のマロニー戦から4試合連続KO勝利。通算でも23戦全勝、世界戦では18連勝で、KO勝ちも16試合。アメリカのスポーツ専門チャンネル・ESPNの「パウンド・フォー・パウンド」最新ランキングで2位に選ばれており、今回の結果と試合内容で日本人で初めての1位になる可能性も出てきました。
バンタム級で3団体統一を果たし、残すはWBO王座のみ。WBO王座といえば、再三にわたり井上選手を挑発し続けていたジョン・リエル・カシメロ選手(フィリピン)が正規王者となっていましたが、度重なるトラブルで王座はく奪。暫定王者だったポール・バトラー選手(英国)が正規王者に昇格。井上選手は年内にWBO王者との統一戦を希望し、その先にはスーパーバンタム級への転向を示唆しているそうです。4団体統一は間違いなく達成できるだろうし、4階級制覇も行けると思います。常に伝説を作り続けている井上選手、次はどんな衝撃KOを見せてくれるのか?