古馬最強ステイヤー決定戦・第139回天皇賞(春)が3日、京都競馬場で行われました。今年は重賞2連勝と絶好調の⑰アサクサキングス、日経賞を制した④アルナスライン、産経大阪杯優勝の⑫ドリームジャーニー、ダイヤモンドステークスをレコード勝ちし、春天男・武豊騎手とのコンビで挑む⑮モンテクリスエス、ジャパンカップ優勝馬の⑯スクリーンヒーロー、阪神大賞典でアサクサを苦しめた⑱ヒカルカザブエ、4世代天皇賞馬を目指す⑨ホクトスルタンなどが出走し、フルゲート18頭が京都3200mを駆け抜けました。
直前の単勝オッズでは、1番人気がアサクサキングス(3.5倍)、2番人気にスクリーンヒーロー(6.3倍)、モンテクリスエスが3番人気(7.4倍)、わずかの差でアルナスラインが4番人気(7.5倍)、5番人気のドリームジャーニーまで10倍以下を切っていました。
スタートで⑧トウカイトリックがやや立ち遅れ、先行争いではやはり⑥テイエムプリキュアが鼻を奪い、ホクトスルタンが2番手に立ち、スクリーンヒーローは4番手、アルナスラインは8番手の位置、アサクサキングスは⑬デルタブルースの外側の10番手、ドリームジャーニーとヒカルカザブエは11~14番手、モンテクリスエスは後方3番手、③ジャガーメイルが最後方集団からの競馬で1周目の正面スタンドへ。直線に入ったところで、10歳馬の⑤シルクフェイマスが先頭に浮上、プリキュアは3番手に下げました。第2集団は⑭コスモバルクが引っ張り、スクリーン5番手、アサクサは馬群の中段の外側の8番手、アルナス9番手でゴール板を通過。前半1000mを60秒台、1200mを1分13秒台で進んで2コーナーへと進んで行きます。
向正面に入り、上位3頭はシルクフェイマス・スルタン・コスモバルクの展開、スクリーンはまだ5番手、そしてアサクサキングスが徐々に進出、アルナスラインは8番手キープ、ドリームジャーニーは⑦ポップロックと並走の11番手、後方にはヒカルカザブエ、モンテクリスエス、ジャガーメイルの3頭がいる。先頭からしんがりの⑩ゼンノグッドウッドまで一団の状態で2度目の坂に入ります。
残り800mで坂の下り坂でホクトスルタンが先頭、フェイマスとプリキュアはずるずると後退。スクリーンが2番手に浮上すれば、アサクサも3番手まで進出。内側の4番手に②マイネルキッツ、⑪ネヴァブションも上位圏内にいる。ドリームジャーニーも徐々に追い上げて、モンテクリスエスとヒカルカザブエが大外に持ち出して最後の直線へ。直線でアサクサキングスが少し抜け出すが、外からアルナスライン、最内からマイネルキッツが捉える!残り200を切って、アサクサが後退、外からドリームジャーニーが突っ込んでくるが届きそうにない。アルナスとマイネルキッツの競り合いから、マイネルキッツが先頭、アルナスラインも差そうとするがキッツが粘って1着ゴール!ゴールの瞬間松岡正海ガッツポーズ!12番人気・マイネルキッツの優勝で波乱の天皇賞となりました。
最終成績&払戻金
1②マイネルキッツ 3:14.4
2④アルナスライン クビ
3⑫ドリームジャーニー 1.3/4
4①サンライズマックス ハナ
5③ジャガーメイル 1/2
6⑧トウカイトリック 1.3/4
7⑱ヒカルカザブエ 1/2
8⑧ポップロック クビ
9⑰アサクサキングス 3/4
10⑬デルタブルース 5
11⑩ゼンノグッドウッド 1.1/4
12⑮モンテクリスエス 1.3/4
13⑪ネヴァブション クビ
14⑯スクリーンヒーロー 2.1/2
15⑨ホクトスルタン 1
16⑭コスモバルク 3.1/2
17⑤シルクフェイマス 5
18⑥テイエムプリキュア 大差
単勝 2 4,650円
複勝 2 870円 4 270円 12 370円
枠連 1-2 3,520円
馬連 2-4 10,200円
馬単 2-4 22,530円
ワイド 2-4 2,690円 2-12 4,370円 4-12 1,360円
3連複 2-4-12 32,390円
3連単 2-4-12 221,080円
今年の春の天皇賞は、12番人気のマイネルキッツが最内から抜け出して優勝。2着にアルナスライン、3着・ドリームジャーニーで3連単が22万馬券という波乱の結果になりました。1番人気・アサクサキングスは終盤失速して9着、2番人気のスクリーンヒーローは馬群に沈んで14着、3番人気・モンテクリスエスは12着と人気上位3頭が総崩れに終わりました。マイネルキッツはGI初挑戦でビッグタイトルを獲得、重賞未勝利の馬が春の天皇賞を制したのは29年ぶりだそうです。鞍上の松岡正海騎手は天皇賞春秋通じて初勝利、2007年のヴィクトリアマイル以来2年ぶり2度目のGI制覇となりました。関東馬の勝利は5年ぶり、アウェーで大仕事をやり遂げたと美浦の関係者は喜んでいるのに対し、栗東陣営は「関東の伏兵に盾を持って行かれた」という気持ち、屈辱を味わったとしか考えられないでしょう。
天皇賞で重賞初勝利となったマイネルキッツは、これまで8度重賞に挑戦し、2着が3度と、重賞制覇まであと一歩のところまで来ていました。それに過去4走は掲示板に載っていたんですね。このレースでは、最初の3コーナーの坂で12番手で進み、正面スタンド~ゴール板までは10番手で通過、向正面に入って10番手からじわりと進出して、2度目の坂では4番手にいました。最後は最内から抜け出して1着フィニッシュ。内枠だった事で、道中は常に最内で進み、経済コースを活かして勝利をもぎ取りました。ちなみに、マイネルキッツ&アルナスラインの1,2着コンビは、日経賞でも同じ1,2着に入り、その時はアルナスが1着でキッツは2着でした。つまり、マイネルキッツは日経賞のリベンジを果たしたのでした。そして松岡騎手はインタビューで「チョリース」と挨拶していました。伝統のレースで勝ったからって調子乗ってんじゃねーよ。
アサクサキングスとスクリーンヒーローは揃って惨敗を喫しました。敗因は共に外枠だったということ、スクリーンヒーローは京都コース初挑戦、アサクサキングスは早い内にスパートをかけた事で、直線で伸びを欠いてしまったのでは。ヒカルカザブエも見せ場が無かったそうで、阪神大賞典組の3頭が掲示板を外すのは異例じゃないかと思います。本来なら阪神大賞典で上位に入った馬は春の天皇賞も期待できるはずなんだけど…。
来週は3歳マイル王決定戦・NHKマイルカップが東京競馬場で行われます。共同通信杯を快勝したブレイクランアウト、毎日杯優勝のアイアンルック、ニュージーランドトロフィーを勝ったサンカルロの他にもフィフスペトル、レッドスパーダ、ワンカラットなどが登録されています。昨年はディープスカイが優勝し、その後ダービーも制して2冠に輝きました。もしかしたら、マイルカップを制してアンライバルドの好敵手に名乗りを挙げる馬が出てくるかもしれません。マイルカップを皮切りに東京競馬場のGIレースが5週連続で開催、5月~6月は府中が熱いぞ!