北京オリンピック13日目、20日はソフトボール日本代表が準決勝でアメリカと対戦、陸上ではジャマイカのウサイン・ボルトがまたもやってくれました!
ソフトボール準決勝・日本VSアメリカは、日本のエース・上野由岐子が先発。上野は1回と2回の2イニング連続で3者凡退に抑える上々の滑り出しを見せます。打線はアメリカ先発・アボットに1回2死から3番・山田恵里がセンター前ヒットを放ちますが、続く4番・馬渕智子が三振に倒れて先制ならず。
上野は3回に初安打を許すも後続を打ち取って3アウト、4回と5回もアメリカ打線を3人に打ち取って得点を許さず。6回には1死1,2塁とピンチを迎えますが、メンドーサを3塁ライナー併殺打に打ち取って無失点。一方打線は、アボットの前に2回から6回まで3者凡退。6回は3者連続三振に倒れました。両チーム0-0で迎えた7回、最終回で上野がアメリカ打線を3者凡退に抑えると、その裏に2死から馬渕が四球、佐藤理恵のセンター前ヒットで1,3塁とサヨナラのチャンスを迎えましたが、広瀬芽が三振に倒れてサヨナラならず。勝負はタイブレーク方式の延長戦に突入。
タイブレークは無死2塁からスタート。8回、アメリカはバーグの内野安打で1,3塁となりますが、上野がユングとフラワーズを連続三振に仕留めて2死、ワトリーを投手ゴロに打ち取って無得点。その裏の日本の攻撃は3者凡退に終わり9回へ。9回、この回先頭のロウがセンター前ヒットを放ちついに均衡を破ると、無死1,2塁の場面でバストスがレフトへの3ラン本塁打で4-0とします。ここまで好投を続けてきた上野、9回の失投に泣きました。日本は9回裏に代打・伊藤幸子のセンター前タイムリーで1点を返しただけで試合終了。4-1でアメリカが決勝進出、敗れた日本は3位決定戦に進むことに。
続いて行われた準決勝のもう1カード・オーストラリアVSカナダの試合でオーストラリアが勝利したため、3位&決勝進出国決定戦は日本VSオーストラリアとの組み合わせに。この試合も上野が先発。アメリカ戦での疲労が出ないか心配された初回、2死1塁から4番・ルイスにライト線を破る3塁打で1点を失います。3回にはヒット、死球、上野のエラーで2死満塁と追加点のピンチを迎えましたが、ティトキュームを三振に仕留めてピンチ脱出。日本打線は3回までオーストラリア先発・スメサルトの前に無得点でしたが、4回に2死1塁の場面で広瀬がライトスタンドへの本塁打で逆転に成功!
上野は6回にヒット、犠打、四球で2死1,3塁と同点のピンチを迎えましたが、スチュワートを遊撃ゴロに打ち取ります。7回、上野が無失点に抑えれば完投勝利&日本の決勝進出が決まります。上野は先頭のライトを3塁ゴロ、モローには遊撃ゴロに打ち取って勝利まであと1死。しかし、続くワイボーンにバックスクリーンへの一発を浴びてまさかの同点に。同点のショックを切り替えたい日本は7回裏、2死1塁から藤本索子が左中間へのヒットを放ち、1塁走者・伊藤が一気に本塁に突入しますが、オーストラリアの中継プレーの前に憤死。勝負はまたもタイブレーク方式の延長戦に。
日本にとっては2試合連続となる延長戦。8回に日本は2死から西山麗、山田の連打で1,2塁の場面で馬渕が登場しましたが、結果は1塁フライに倒れてサヨナラならず。9回、オーストラリアは2死3塁のチャンスもライトが右翼フライに倒れて勝ち越しならず。その裏、日本は1死2,3塁のチャンスでしたが、後続が凡退してまたもチャンスをモノに出来ず。10回には2死から狩野亜由美が3塁打を放ち今度こそサヨナラかと思われましたが、西山がセンターフライに倒れて3アウト。豪州2番手・ハーディングの前にサヨナラ点が取れません。
延長戦でも続投している上野は11回、2死2塁の場面でワードにレフト前タイムリーを浴びて勝ち越し点を許してしまいます。またも上野が延長戦で打たれて敗戦→銅メダルで終わりのはずが、その裏に1死3塁から馬渕が遊撃フライ、これを豪州遊撃手・ワードが弾いてしまい同点に。ラッキーな形で追いつき、勝負はまだ終わりません。12回、上野が1死2,3塁のピンチを凌ぎ切ると、日本は先頭の峰幸代がエラーで出塁、続く藤本が犠打で1死2,3塁のチャンス。狩野が四球で満塁となり、西山がセンター前に弾き返してサヨナラ勝ち!日本が延長12回の死闘を制して決勝進出!サヨナラ負けの豪州は銅メダル確定です。
アメリカに返り討ち、3位決定戦は苦しみながらもサヨナラ勝ちして決勝戦に駒を進めたソフト日本代表。これで銀メダル以上は確定しました。上野投手は2試合とも完投、合計で21イニングを投げ抜きました。豪州戦は勝利まであと1人のところで一発を浴びてしまい延長戦に突入、アメリカ戦の疲労が影響しないか心配されましたが、それを払拭すると12回まで投げていました。先発が違う人だったら中継ぎ陣をどんどん出していたので、よっぽど上野投手を信頼していますね。さあ決勝ではアメリカと3度目の対戦。今度こそアメリカに勝利し、3度目の正直で金メダルを獲得してほしいところです。最後の五輪で金メダルというドラマチックな結果を期待しています。
陸上では男子200mの決勝にウサイン・ボルトが登場。100mでは9秒69の世界新記録を樹立して金メダル、200mでも世界新で2冠に挑戦しました。ボルトは1次予選で20秒64と悠々と流して全体の17位タイで通過、2次予選は20秒29とタイムを上げて全体の5位、準決勝はショーン・クロフォード、ウォーレス・スピアモンのアメリカ勢と同組で激突したボルトは、20秒09と余力を残して1位でゴール。全体でもトップで2冠にリーチをかけました。
そして迎えた決勝。ボルトは5レーン、全体2位のマルティナ(オランダ領アンティル)は7レーン、クロフォードは4レーンに入りました。好スタートを切ったボルトは、3,4コーナーのカーブで先頭に躍り出ると後はもう独走態勢!最後の直線でギアチェンジすると、他を寄せ付けない走りで圧倒!全力疾走で駆け抜けて金メダル獲得、優勝タイムは速報値で19秒31、正式では19秒30の世界新記録!1996年のアトランタ五輪でマイケル・ジョンソンが出した19秒32の世界記録を12年ぶりに更新!ウサイン・ボルトが世界新で2冠を果たしました!
鳥の巣はボルトのためにあるのか!?200mでも世界新を樹立したボルト選手、100&200の2冠達成はカール・ルイス以来20年ぶりだそうです。決勝では強さと速さを見せつけての圧勝劇、またも世界中に衝撃を与えてくれました。なお、2位で入線したマルティナが他のレーンを侵入したため失格。また、3位で入線していた?スピアモンもマルティナ同様レーン侵害で失格処分となりました。この結果、クロフォード、ウォルター・ディックスが銀メダル、銅メダルに繰り上がりました。
陸上競技でこんな感動的な世界新記録誕生を見たのはいままであったでしょうか?水泳で北島康介選手が100m平泳ぎの世界新を出して金メダルを獲ったときも感動したけど、それを超えるような感動でした。80年代はカール・ルイスの時代、90年代はマイケル・ジョンソン、2000年代初頭はモーリス・グリーンから始まってタイソン・ゲイ、そして2008年からはウサイン・ボルトの時代といって良いでしょう。次は400mリレーで3冠に挑戦。アサファ・パウエル、マイケル・フラーターといったジャマイカ最強メンバーで金メダル&世界新となるか?