野球世界一決定戦「2023 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」がついに開幕。3月9日は東京ドームで1次ラウンドの「プールB」の初日が行われました。5大会連続出場で14年ぶりの優勝を目指す日本代表(侍ジャパン)は今大会、エンゼルス所属の大谷翔平選手、日系アメリカ人のラーズ・ヌートバー選手(カージナルス)、吉田正尚選手(レッドソックス)、ダルビッシュ有投手(パドレス)のメジャー4選手が出場。さらには、令和初の3冠王・村上宗隆選手(ヤクルト)、完全試合男・佐々木朗希投手(ロッテ)と日本プロ野球を沸かせている選手も選出されています。
9日のプールBの初戦は、中国代表と対戦。3度目の世界一に向け、好スタートを切りたいところでした。
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【日本】
1(中)ヌートバー(カージナルス)
2(右)近藤健介(ソフトバンク)
3(指)大谷翔平(エンゼルス)
4(三)村上宗隆(ヤクルト)
5(左)吉田正尚(レッドソックス)
6(一)岡本和真(巨人)
7(二)牧秀悟(DeNA)
8(遊)源田壮亮(西武)
9(捕)甲斐拓也(ソフトバンク)
(投)大谷翔平(エンゼルス)
【中国】
1(右)梁培
2(遊)楊晋
3(中)真砂勇介
4(三)陳晨
5(指)R.チャン
6(一)曹傑
7(左)寇永康
8(二)羅綿駿
9(捕)李寧
(投)王翔
日本は開幕投手を務める大谷が3番DH&投手の「二刀流」で出場。ヌートバーが1番に座り、4番には村上を起用しました。対する中国は、昨年まで福岡ソフトバンクホークスに在籍していた真砂が3番に入りました。真砂選手は両親が中国出身だそうです。
1回、日本の先発・大谷がマウンドに上がり、先頭打者をスライダーで空振り三振に仕留めると、2,3番を続けて内野ゴロに打ち取り、3者凡退の好スタート。
その裏の日本の攻撃では、先頭のヌートバーが中国先発・王翔の初球を叩いてセンター前ヒット。続く近藤と大谷が四球を選んで無死満塁のチャンスで、4番・村上が四球。押し出しでヌートバーが生還し、日本が1点を先取。王翔は12球連続でストライクが入らず。なおも満塁のチャンスが続いたが、1死後に岡本ライトフライ→3塁走者・近藤がタッチアップするも本塁憤死。ダブルプレーで1点止まり。
1点の援護をもらった大谷は、2回と3回も中国打線を3者凡退に抑える好投。追加点が欲しい日本打線は、2回も満塁のチャンスを作るも大谷遊撃ゴロ。3回も得点圏に走者を置くも得点を奪えません。
4回、ここまでパーフェクトに抑えていた大谷が、楊晋にストレートを打ち返されて初安打を許しますが、真砂と陳晨を空振り三振に退けて無失点。その裏、1死からヌートバーの内野安打、近藤のライト前ヒットで1,3塁と攻め立てる。追加点が欲しい場面で、大谷が中国2番手・王唯一の3球目を捉え、左中間フェンス直撃のタイムリー2塁打。ヌートバーと近藤が生還し、日本が2点を追加します!
日本は5回から戸郷翔征(巨人)が 2番手で登板し、大谷はDH専念。その戸郷は5回に3者連続三振を奪いますが、6回に2死を取った後に梁培にストレートを狙われ、レフトスタンドへのソロ本塁打を浴びて1点を失います。7回には2塁打と四球で1死1,2塁のピンチを背負いますが、曹傑をフォークで空振り三振、寇永康にもフォークで三振に抑えてピンチを脱します。
7回裏、日本は先頭の牧が中国4番手・蘇長竜の5球目を捉え、ライトへ飛んだ打球はぐんぐん伸びてスタンドイン!牧のソロ本塁打が飛び出し、日本4点目!
日本は8回、先頭の大谷がヒットで出塁すると、連続四球で1死満塁。途中出場・山田哲人(ヤクルト)が、中国5番手・伊建からレフト前タイムリーヒットを放って5点目。さらには源田の押し出し四球で1点を追加すると、甲斐のレフト線への2点タイムリー2塁打が生まれ、この回4得点。終盤に中国を突き放した日本代表が、8-1で勝利しました。
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド・プールB
日本 - 中国 <3月9日 東京ドーム 観客数:41616人>
中|000 001 000|1
日|100 200 14X|8
勝: [日] 大谷 1勝
敗: [中] 王翔 1敗
本塁打
【中】梁培 1号
【日】牧 1号
日本代表のWBC1次ラウンド初戦は、「二刀流」大谷投手が投げては4回無失点、打っては2安打2打点の活躍で勝利に貢献すれば、牧選手の本塁打も生まれました。序盤のチャンスで得点が入らず、終盤になってようやく追加点が次々入ったときは、「こういうのを早めにやってほしかった」って思いました。最終的にはヒット9本、16個の四死球を選んだにも関わらず、16残塁の山。今後の課題は残ったけど、まずは初戦を白星で飾れてよかったです。
この日の大谷選手は、投手としては4回まで49球を投げ、被安打1・5奪三振・無四球・無失点。決め球のスライダーが冴え渡り、中国打線を寄せ付けませんでした。バッティングでは4回の第3打席でWBC初安打・初打点となる2点タイムリー2塁打、8回の第5打席ではヒットで出塁して5点目のホームを踏みました。2死満塁で再び打席が回りましたが、結果は外野フライでした。初戦からマルチヒットを放った大谷選手、この大会で豪快なホームランが見られるでしょうか。
大谷選手以外では、2番手で登板した戸郷投手が3イニング投げて7奪三振の快投で「第2先発」としての役割を果たすと、8回に登板した湯浅京己投手(阪神)、9回の伊藤大海投手(日本ハム)も無失点ピッチング。
打撃陣では、ヌートバー選手が4打数2安打、6打席で5度出塁。守備でも3回にスライディングキャッチのファインプレーを見せ、大谷投手を助けました。最後の打席では足がつりながらも四球を選んで出塁。全力疾走と足の攣りにも耐えたヌートバー選手に「侍魂」を感じました。
日本代表の今大会第1号ホームランを放った牧選手、7回の第4打席で外角高めの球に反応しライトスタンド一直線。生還後には山川穂高選手と一緒に、ホームランパフォーマンスの「デスターシャ!」を行いました。1打席目にはレフトへの大ファールがありましたなぁ。あと山田選手の国際大会での勝負強さが健在だったことも良かった。強化試合では絶不調でしたが、1本のヒットで生き返りました。
侍JAPANは10日の2戦目に韓国代表と戦います。予告先発では、日本はエースのダルビッシュ有投手、韓国はキム・グァンヒョン投手が登板します。WBCで韓国と戦うのは、2009年大会の決勝以来14年ぶり。過去の対戦成績は4勝4敗の五分です。準々決勝進出&世界一を奪還するには、韓国戦は絶対に落とせません!総力戦で1次ラウンドの山場を乗り越えてくれ!