高千穂 道の駅
朝6時、曝睡から目覚める。そそくさと入浴準備してフロントへ。このホテルには3つの林間家族露天風呂があり、利用するには申し込んでおかなくてはならない。例によって妻がネットで申し込んだら、朝の6時半から45分間が割り当てられた。
フロントに場所を聞いて150mほど山道を歩いてもみじの湯なる露天風呂に行く。鹿に注意!などと標識が立っている。この風呂は私たちが朝一番だったようで、風呂の周りの石が乾いていて気持ちいい。ゆっくり湯に浸かっていると、目の前を何と鹿が通り過ぎた。3頭だ。1頭は小さかったので親子だろう。鹿の親子は薄暗い林の中にたたずんでいる。あわててカメラを取り出して、裸のままに被写体の方へ。手早くシャッターを押したが暗いのと望遠だったので写りは良くなかった。妻も突然の珍客に驚いていた。せっかくカメラを出したのでと思って風呂をパチリ。ビーナスの写真を手に入れた。(ムフフ)
中央部に鹿が。眼が光っている
もみじの湯。私のビーナスは門外不出なので消しました。
女性は自分の体を、男性は意中の人を右側にイメージしてください。湯が波打っているのが判るでしょう!
風呂から上がって、ホテルへ戻ったが朝食は8時で申し込んでいたので時間がある。ロビーにパソコンが置いてあったのでブログチェック。私のブログも含めて2,3箇所にコメ入れたつもりだったが、なぜかNNMさんへのコメだけしか伝わってなかったようだ。人見知りしたんだろうか?
朝食をゆっくり終えて、コーヒーなどをゆったり頂いて二日目の旅に出発。昨日が400km、今日は200kmの予定だ。また熊本側の高速を通って行くのも芸がないので、宮崎の山間部を通る道を選んだ。ところが、これが大変な道だった。古墳群で有名な西都市までは順調。ここから椎葉村を通るのだが、昨年の水害で道路が寸断していたことをすっかり失念していた。途中で電光掲示板で国道245号線は不通! と表示されている。
どうしたものかと困って走らせていたら、西米良の郵便局があった。これ幸いと駆け込んで道を尋ねたら、親切な女性局員の方が土木事務所や関連機関に確認して教えてくれた。その道が「ひむか神話街道」。かなり厳しい道ですが、行けないことはない、と言うので、勇躍その道を行くことに。
郵便局から1kmほど戻って脇の林道に入ってゆく。ひむか神話街道のスタートだ。車が離合も出来ない位の細い山道を登る、登る。 気がついたら山の尾根を走っていた。 1時間走っても対向車は1台も来ない。だんだん寂しく恐ろしくなってきた。もしも車にトラブルが生じたら! と妻には内緒で冷や汗をかきながらの運転だった。
ひむか神話街道
妻には姥捨て山、姥捨て山と何度も言うが、鈍感な振りをして気付かない様子をしている。気付いて降ろされでもしたら、と感じたのだろう。しかし、九州山地の中央の尾根を車で走るのは爽快ではあった。左も右も谷というまさに山頂部を、山並みをバックに疾走する(よたよたと走ってるのが本当かも)すがたはbearさんのラリーにも負けないくらい気持ちがいいと思った。さすがに「ひむか神話街道」だ。雲上の路だった。
結局椎葉村には予定時間を2時間もオーバーして到着。対向車はとうとう1台も来なかった。妻がこんな秘境には来ることもないからと,平家落人伝説の鶴富屋敷を見物したり、特産物を仕入れたり。
それから更に山道を走って、高千穂に着いたのが4時。 道の駅で高千穂の案内をしてもらって、ホテル高千穂にチェックイン。ちょうど良い時間だった。
6時から夕食。椅子席だったので、味気なかったが、まあこんなものだろうと無理やり納得させた。特別の注文はしていなかったらしいが、ボリュームたっぷりの献立だった。
今日の目玉の一つ、8時からは高千穂神社で観光夜神楽が始まるので、7時過ぎには食べ終わった。一番前の席で見ようと思って、7時半に高千穂神社神楽殿に行ったのだが、もう先客が来ていた。名古屋からの若い女の子4人組だった。2列目は嫌だったので、その子たちの横にあつかましく陣取った。
高千穂の観光夜神楽 手力雄の舞、うずめの舞
御神体(いざなぎ、いざなみ)の舞
時間通りに神楽が始まった。タジカラオノミコトの岩戸開けやアメノウズメの踊り、イザナギ・イザナミの夫婦描写などの舞があったが、イザナミのお面の見事さ、かわいらしさには圧倒された。踊りや所作は、申し合わせによってかなり抑えているようで、本当に村々で行われる神楽では、かなり卑猥にみえる動作をしてると紹介があった。(どのような表現をしているのか、決して興味本位ではなく伝承文芸としてぜひ見てみたいと思った)
この日も車の運転が5時間以上だったので、疲れはてていたのであろう、帰るとベッドにあえなく轟沈。すやすやと眠ってしまって、ビーナスやイザナギの顔も夢に出なかった。