どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

永遠の0、鑑賞

2013年12月21日 21時58分32秒 | 映画
本日封切りで行ってきました(^_^)


一言で言うと、文庫本で600ページもある長編をうまくまとめたなぁというところ。

零戦パイロットたちが見た・感じた太平洋戦争でもあるので、証言者である登場人物も多いし、エピソードも過去・現在に渡り沢山あるので、何を削って何を残すか次第で、この作品の善し悪しが決まるなと思ってましたし、不安でしたし(^_^;

脚本の段階でかなり練りに練った感じで、原作の構成もうまく活かせていて、不満少なく鑑賞できました。

空母や空戦のシーンはCG臭さは残っているものの、山崎貴率いる白組のセンスが中々良くて、パイロットが上下左右に操作する様を今までの映画にはないリアルさを出していて良かったです。

ある方向に向かう時の挙動って、身体が先に向いて、機体が後から付いてくる感じ?クルマでもバイクでもそんな操縦感覚ってあるんですが、意外とそういう雰囲気って過去作にはないんですよね。キャストがスタジオの操縦席にチョコンと載っかって、ノッペリと記号的に演技してるだけみたいな感じでしたし。

強いて言うと、もっと操縦席にビビリというか振動を加えてほしかったなと。多少はあったんですけど、もっと強く表現しても良かったと思います。

空母の発着シーンも頑張ってたけど、もう一つリアル感が不足してたかな(^_^;

でもミッドウェーの時だったかな?空母赤城甲板上に視点を置き、その上空で展開する空戦を長回しのカットでワイド見せるシーンは、これも今までにない表現で、戦場の臨場感が強くあって印象的でした。

まぁ原作を先に読むとガッカリすることが多いですからね?映像的に頑張ったなと言うのは伝わりました。

ハリウッドみたいに時間も予算もないのは判るしね(^_^;

キャスト的には概ねイメージのズレは少なく、宮部久蔵役の岡田准一は悪くなかったです。

比して、大石賢一郎役の夏八木勲、佐伯健太郎役の三浦春馬、松乃役の井上真央らのイメージがちょっと違ってたかな?。

夏八木さんは、遺作だし、好きな俳優なんですけど、豪傑な武士というイメージが強すぎて、知性的で大人しい予備学生時代と繋がらないんですよね(^_^;

三浦さんはナヨナヨし過ぎで、いきなり感情的になり過ぎるし、井上さんはキツ過ぎな感じかな?もっと地味で大人しい女性を想像していたんで。

まぁ演出上の問題もあるかもですけどね。

最後に残る疑問?これは原作からしてそうなのですが、あれだけ生き残ることに執着した人が、最後の最後で、特攻による死を敢えて選択したのは何故なのか?この映画でもハッキリしませんでした。理屈で考えることではないとは思うんですが。

でも、映画全体としての出来は凄く良かったと思います。

一見の価値はあり、多くの人に観てほしい、若い人にも?そんな作品です。