作家にしても俳優・歌手なんかにしてもそうなんですが、一度ブレイクしてしまうとイメージが固定してしまう傾向ってありますよね。
世の中的に刷り込みが強くなってしまい、新規の依頼や求められるものが同じようなものばかりとなり、それ以外のイメージやジャンルを挑戦しにくくなってしまう。
そうしていく内に飽きられしまい、忘れ去られていく...。
「この世界の片隅に」が映画化され、原作マンガが大増刷されミリオンセラーに達した、こうの史代さんですが、そんな固定イメージになってはいないかとちょっと心配になってます。
確かに同作は過密とも言える情報量と、張り巡らされた伏線とその回収の見事さで、名実ともに代表作と言っても良いとは思います。
でも、こうのさんは決して「戦争もの」を好む作家ではない!...とこれだけは言っておきたいなと。
「この世界の片隅に」に前後する作品だけを見ても、その広がりを感じ取ることができます。
ということで、個人的に好きな2作をご紹介(^_^)/
まずは、前作の「さんさん録」全2巻。
妻に先立たれた初老の男が、息子夫婦と同居することになり、そのギクシャクぶりと、まだ男としての生々しさも残しつつ周囲の人々との触れあいが楽しい、これまた日常系な作品です。やっぱり小津安二郎の匂いも強く感じるし、現代風に置き換えて描くとこんな感じなのかもなぁと思ったりもする作品だったり(^_^;
嫁が呉出身の人で、終盤にそこを舞台にして描くシーンもあったり...どこか次作となる「この世界の片隅に」との繋がりも感じます(この嫁さんもすずさんっぽいとこあるし(*^o^*))。
これはもし映画化するならアニメよりも実写が向いているかもしれませんね。監督は、小津安二郎の孫とも言われる是枝裕和さんなんか良い味出してで描いてくれそうです(^_^)
そして後作の「ぼおるぺん古事記」全3巻。
これはもう壮大な実験作...よくこんな企画が通ったなぁと。
セリフやト書きはすべて「古事記」の原文マンマで、馴染みがなければ外国語みたいで読みづらいことこの上ない!(^_^;
でもそれを補うかのように、絵の表現力でカバーしていて..漫画というよりは絵物語な感じでしょうかねぇ?
先日ご紹介した「サザエさんうちあけ話」の絵心経を発展させたような感じもします。
「この世界の片隅に」の次作としてガラッと違う作品となったので、当時は軽く衝撃もあったのですが(^_^;、個人的にも古代史や神話ジャンルは好きなので、大変おもしろく読ませてもらいました(^_^)
これはアニメ化したら相当おもしろそう!と思いますが、かなりの理解力とセンスが要求されるので、生半可な志向では難しい...やはりコダワリの強い片渕さんになっちゃうかなぁ...。
こうの史代さんの作品に共通するのは、ほのぼのタッチでありつつもどこか陰がある...独特の死生観ですかね...婉曲的にほのかに漂っている感じなんですが、決して重すぎないし、軽すぎないところが大好きです。小津安二郎のいう「懐に隠した刃物」があるんですよ(^_^)
「ぼおるぺん古事記」以降...ちょいちょい短編はありつつも、あまりまとまった長編ストーリー漫画を描いていませんが、いろいろ暖めている最中のようでもありますし、今後も期待の大きい人で、楽しみに待っているところです。
ともあれ...映画に感動し、こうの史代さんという作家を知り、原作も読んだ方であれば是非これらの作品にも触れ、こうのさんの表現者としての可能性を感じとっていただきたいなと思います(^_^)
世の中的に刷り込みが強くなってしまい、新規の依頼や求められるものが同じようなものばかりとなり、それ以外のイメージやジャンルを挑戦しにくくなってしまう。
そうしていく内に飽きられしまい、忘れ去られていく...。
「この世界の片隅に」が映画化され、原作マンガが大増刷されミリオンセラーに達した、こうの史代さんですが、そんな固定イメージになってはいないかとちょっと心配になってます。
確かに同作は過密とも言える情報量と、張り巡らされた伏線とその回収の見事さで、名実ともに代表作と言っても良いとは思います。
でも、こうのさんは決して「戦争もの」を好む作家ではない!...とこれだけは言っておきたいなと。
「この世界の片隅に」に前後する作品だけを見ても、その広がりを感じ取ることができます。
ということで、個人的に好きな2作をご紹介(^_^)/
まずは、前作の「さんさん録」全2巻。
妻に先立たれた初老の男が、息子夫婦と同居することになり、そのギクシャクぶりと、まだ男としての生々しさも残しつつ周囲の人々との触れあいが楽しい、これまた日常系な作品です。やっぱり小津安二郎の匂いも強く感じるし、現代風に置き換えて描くとこんな感じなのかもなぁと思ったりもする作品だったり(^_^;
嫁が呉出身の人で、終盤にそこを舞台にして描くシーンもあったり...どこか次作となる「この世界の片隅に」との繋がりも感じます(この嫁さんもすずさんっぽいとこあるし(*^o^*))。
これはもし映画化するならアニメよりも実写が向いているかもしれませんね。監督は、小津安二郎の孫とも言われる是枝裕和さんなんか良い味出してで描いてくれそうです(^_^)
そして後作の「ぼおるぺん古事記」全3巻。
これはもう壮大な実験作...よくこんな企画が通ったなぁと。
セリフやト書きはすべて「古事記」の原文マンマで、馴染みがなければ外国語みたいで読みづらいことこの上ない!(^_^;
でもそれを補うかのように、絵の表現力でカバーしていて..漫画というよりは絵物語な感じでしょうかねぇ?
先日ご紹介した「サザエさんうちあけ話」の絵心経を発展させたような感じもします。
「この世界の片隅に」の次作としてガラッと違う作品となったので、当時は軽く衝撃もあったのですが(^_^;、個人的にも古代史や神話ジャンルは好きなので、大変おもしろく読ませてもらいました(^_^)
これはアニメ化したら相当おもしろそう!と思いますが、かなりの理解力とセンスが要求されるので、生半可な志向では難しい...やはりコダワリの強い片渕さんになっちゃうかなぁ...。
こうの史代さんの作品に共通するのは、ほのぼのタッチでありつつもどこか陰がある...独特の死生観ですかね...婉曲的にほのかに漂っている感じなんですが、決して重すぎないし、軽すぎないところが大好きです。小津安二郎のいう「懐に隠した刃物」があるんですよ(^_^)
「ぼおるぺん古事記」以降...ちょいちょい短編はありつつも、あまりまとまった長編ストーリー漫画を描いていませんが、いろいろ暖めている最中のようでもありますし、今後も期待の大きい人で、楽しみに待っているところです。
ともあれ...映画に感動し、こうの史代さんという作家を知り、原作も読んだ方であれば是非これらの作品にも触れ、こうのさんの表現者としての可能性を感じとっていただきたいなと思います(^_^)