どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

小津映画、最後の主演女優

2018年02月10日 20時25分00秒 | TV
BS朝日「熱中世代」に岩下志麻さんがご出演。

私共の世代にとっては怖いおばさんというイメージしかないのですが、番組でご本人も自認されるくらいオットリ型な性格だったようで、高橋始さんによる「絢爛たる影絵」においても、こんな風に書かれています。
 篠田と私は大船の入社が同期である。当時、殊更に一肩肘はった入社試験を行ったために、合格する新人助監督にはどうしても官立大学出身者が多かった。そんな中で、早稲田大学出身、それも駅伝の選手として鳴らしただけあって、篠田は異色な存在だった。要領の良さでは誰にも負けなかった私とは対照的に、篠田はいつも大声を張り上げ、忙しげに撮影所の中を走り廻っていた。鍛えぬいた体であるだけに、走る姿には爽快な躍動感があった。
「篠田」とは映画監督の篠田正浩さんで、岩下さんの旦那さんです。著者である高橋さんと篠田さんはとても仲の良い親友同士だったようで、著書にも度々登場します(^_^)

 余談だが、いかなる場合にも走らない、暇さえあればどこかのソファーを見つけて横になあだなっている、そんな女優がいた。"駈けずのおしま”と仇名された岩下志麻である。後に二人が結婚する。この組合わせはなにか可笑しい。微笑ましい。
似たもの夫婦という言葉もありますが、逆にこういう正反対なのもお互いカバーしあう関係で良かったりするもんなんですよねぇ(^_^)

"駈けずのおしま”のアダナは番組でも紹介されていました。

俳優同士の嫌がらせやイジメにあっても気づかず、家に帰ってから初めて気づいたりするくらいだったと。「ふてぶてしいヤツだと思われていたんでしょうね」と(^_^;

そんな岩下さん、小津安二郎監督作品「秋刀魚の味」での撮影エピソードを紹介。

失恋したあと、悲しみにくれて巻き尺をいじっているシーンです。

これですね。このシーンのために延々とNGを繰り返し、その数は百回にもなってしまったと(^_^;

OKテイクのNGテイクの差は誰にもわからないくらいのものだったそうで...。

先日放送されたBSジャパン「武田鉄矢の昭和は輝いていた」でも司葉子さんがブチギレになった森繁久弥さんの逸話を紹介してましたが、つくづく映画監督というのは神経太くないとできない商売だなと思います(*^o^*)

当時若手だった岩下さんも70台後半に...小津安二郎という人と直に接した世代も少なくなっていき、やがて歴史上の人物となり伝説となっていく...こういう方々の生の証言一言一言しっかりと聞き取り受け止めたいと思います。



2月9日(金)のつぶやき

2018年02月10日 06時34分38秒 | イベント・ライブ