どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

日日是好日、鑑賞2回目

2018年11月25日 19時15分00秒 | 映画
カミサンと買い物がてら、新所沢レッツシネパークにて。

当館名物、C列スーパープレミアムシートでマッタリと(*^o^*)

原作を読んじゃうくらい、森下典子さんの作品世界にドップリとし、再び映像を味わいたいと...そう、原作エッセイに余計な色を付けていないのも判って、2回目も素直に楽しめました。

「聴雨」の描写、あらためて素晴らしいなぁと...梅雨の時期、普段の生活の中ではジトジトジメジメで不快きわまりない季節も、静謐な茶の空間においては自然の営みを、その微細な変化を感じとれる場となる。

水の跳ねる音、流れる音、そして雨の降り具合の強弱が丁寧に描写されて...美しい音色となって耳に響いてくる...この映画は感じて、味わう作品だなと(^_^)

Blu-ray出たら買って、ヘッドフォンでそのSEを味わいたいなとも...特典でバイノーラル音声とか仕込んでくれたらなお嬉しい(*^m^*)

樹木希林さん演じる武田先生の言葉も印象的でした。実はこれ著者まえがきの一節なのですが...
世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐにはわからないもの」の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように、何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわわかりだし、「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。
「自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかった」のは、この作品全体のテーマにもなっていますね(^_^)

「すぐわかるもの」「すぐにはわからないもの」...これについては映画・音楽・本など、時を経て触れる度に新たな発見と気づき心動かされることも経験してますが、小津作品「宗方姉妹」での田中絹代さん演じる姉の言葉にも通じていると感じます。
あたしは古いくならないことが新しいことだと思うのよ...ほんとに新しいことは、いつまでたっても古くならないことだと思ってんのよ

「すぐにはわからないもの」=「いつまでたっても古くならないこと」なんだなと...。