どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

エフェクト・アニメーションとして見る、宇宙戦艦ヤマト

2020年01月19日 20時05分00秒 | アニメ
アニメ・特撮研究家・氷川竜介さんによる「ロトさんの本Vol.42『宇宙戦艦ヤマト 1974全話解説 放送開始45周年記念』」を購入。

タイトル通り、1974(昭和49)年10月から半年に渉って放送されたTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の第一シリーズ・全26話を丹念に解説されています(^_^)

アニメや特撮に関しては、ほとんどの人がストーリーやドラマ、あるいは時代性やテーマなど、文芸批評のアプローチで語るのが常です。小説や漫画と同じ俎上に乗せることに、もちろん意味はあります。だとしても、ホントにそれだけでいいのか。何か重要なことが見逃されていないのか。エフェクト、特撮がまるで料理のトッピングのように扱われるのに、常々疑問を抱いています。自分にとっては「映像自体が感動の源泉」なのですから。

そう言われれば、映像表現の技術解説ってありそうで無かったなぁと。

本書はその批判にのっとり、氷川さんがこれまで見聞きし、調査・研究した結果をまとめ、各話においてどのような手法で映像表現されたのかを丁寧に教えてくれる一冊になっています。

あの場面、どうやって撮っているんだろう...それはデジタル技術に依らない、現場の職人芸の数々で、特撮と同じノウハウの塊なんですよね。

こういうのが読んでみたかったという本です(^_^)

この本と一緒に手持ちのBlu-ray BOX を並行して鑑賞してますが、オプティカル・プリンターまで使っているのは知りませんでしたし、物凄く手の込んだ透過光も時にはチカラ技で作られていることが判って...惹きつけられる映像ってこういうものなんだよなぁと...。

同作テクニカル・ディレクターの石黒昇さんも「いい映画には匂いがある」と語り、特に第1話には「匂い」があると...。

当時小学6年生だった自分も、そのなんだか判らないけど「匂い」を感じ、「これは単なるTVマンガじゃない、映画だ!」と感想し、部屋の照明を消して、映画館のスクリーン上映のようにして見ていたことを思い出しました(*^o^*)

あらためて「宇宙戦艦ヤマト」というのは超絶な作品だったんだなぁと噛みしめています。