朝日新聞、日曜求人欄で毎週連載コラム「仕事力」にアミューズ会長・大里さんが登場!
4週に渡り「文化の力を炸裂させよう 大里洋吉が語る仕事」と題して、熱く含蓄あるメッセージを要約抜粋でご紹介!(^_^)
映画と音楽漬けの恩恵(2016.1.24)
注意されても映画館に通った
青森市街地の真ん中に家があり、徒歩5分圏内に多くの映画館があり、学校サボっては映画三昧の日々だったと。就職先も当然映画業界志望だったものの、求人がなく、それでもエンタメ界に関わりたくて、渡辺プロダクションに入社。何をしてもいい自由な社風で、入社早々に16ミリフィルムで今でいうPVを作成し、全国を巡ったと。その後
タレントマネジャーに移り現場で何でもやり、いろんな事を存分に試してみる方が良いと感じたと。
やっぱり米国で、の挫折
好き放題させてもらいながらも米国ブロードウェイでミュージカルをやりたいと、渡辺プロを9年1ヶ月で退職し、いざニューヨークという時にキャンディーズ解散公演や原田眞二のデビューといったが舞い込み、会社を作らなくてはならなくなったと。ニューヨークで見上げた自由の女神から「Amuse」と名付け、ミュージカルはお預けにして、日本での仕事が始まったと。それでも前のめりになれたのは、エンタメの世界こそ自分がいたい場所と思ったからだし、
周りにどう言われようと関係なかった。頭で人生を組み立てるより、自分を動かしているものを見て欲しいよねと。
グローバル化への厚い壁(2016.1.31)
諦めきれなかった世界進出
78年に会社をつくって数年後には海外への思い強く、次々と海外支社を設立。大学時代も英語を勉強し、いつかはと思っていたと。日本のコンテンツを海外へと思い、香港の映画制作会社ゴールデン・ハーベストの創始者レイモンド・チョウにも教えを請い、ゴールデンアミューズという会社を設立したと。
やりたいことがはっきりしてれば、あとは動くしかない、臆せずに胸の内を語れば、世界的な人物でも届くものだと体験し、次々と新しい仕事を進めたと。アジア最大級の男性バンドを一年かけて口説き、日本にも呼び寄せ、納得のいくアルバムを作って世界同時発売もかなったと。
大切なアーティストを失う
そのアルバム一週間後、出演したテレビ番組で事故が起き、ボーカルが帰らぬ人となり、結果的に大勢の人を悲しませることになり、気持ちがくじけて、グローバルに展開する仕事をやめようと決めたと。すぐに全海外支社を閉じ、海外アーティストとの契約も解除し、90年代半ばには極めて内向きな会社にしてしまったと。その後、
さあもう一度世界だ、と奮い立つまで長い年月が必要だったが、一方で日本のエンタメは、ぐんぐんを力をつけていったと。
人に信じられてこそ、仕事(2016.2.7)
才能より強いのは素直さだ
多くのアーティスト志望者が当社の扉を叩いてくれるが、
最終的な決め手は人柄だと。自分の才能に自信がある人とか、傲慢なヤツとかとは、まず一緒にいたくないと。才能とは周囲の優れたマネジャーやプロデューサーから引き出されて伸びていくものなのに「自分のこだわり」から抜けられない人は羽ばたけないと。
どんな仕事でも素直に耳を傾け、心を開く人間じゃなければ、本気で付き合えないし、応援できない。お客さんとなってくださる人のことを想像し、やるべきことを考え抜いてやり切る。その誠実さの積み重ねは才能に勝ると。
僕が全社員に出した手紙
エンタメ・芸能界の仕事は。一般の肩より厳しい視点で見られるが、新しい楽しさを作り出すにはのびのびと仕事しなければならない。しかし社会的な信頼も得なくてはならないと。会社が上場を果たした創業23年目のとき、全アーティストと全スタッフに手紙を出した。上場すれば伝票整理や経費削減、利益を念頭に置く意識が必要となり、窮屈になるだろうと。でも国内外で信頼も得られ、仕事がやりやすくなるメリットもある。力を合わせて利益がでればみんなに還元もできると一人500株を全員に贈ったと。この後、仕事に息切れして2年ほどリタイアし、いろんな刺激を受けて会社に戻ったら、
みんな育っていて、一回り大きくなって良い仕事をしていた。日本のエンタメ・文化を世界へという動きも社内で始まっていて、やっぱり仕事力は力を合わせる面白さから生まれると。
日本の文化は発信できるか(2016.2.14)
「経済は文化の僕」
若い時から芸能や文化のグローバル展開を志してきたが、挫折も経験し、その厳しさもよく分かっているが、4年後の東京での祭典を控え、この国の大きなイベントを深掘りする総合プロデューサーは、きちんと動き出しているのかと。50年前の高度成長期とは違い、経済中心ではなく、今後は日本の底力である豊かでディープな文化を、地球の隅々まで印象づけるクリエーションが必要だと。テクノロジーや群の抜く技術、和食・景観・建築・芸術芸能、ポップカルチャーの厚みも誇らしいが、
日本の良さを「点」で愛してくれる人々によって、まだバラバラにしか理解されていない。これからの先の日本をどう位置づけてもらえるか、厳しくも楽しい覚悟の時にきているのかもしれないと。目に見える「物=経済」の時代を過ぎて、深い文化を提案する国を目指す。そのように世界へ伝えたいじゃないかと。
若い人は閉じこもるな
衣食住に困らず、楽しいカルチャーもあって、今の日本ほど快適な国はないだろうが、ここで視野を無理矢理にでも広げないと、20代、30代が中高年になった頃に、考え方が狭くなっているかもと。先日、タイで開催されたワン・ヤング・ワールドに社員スタッフを4人参加し、国連事務総長らの話しを聞いたり、朝から晩まで様々なテーマで4日間ディスカッションし、物凄く様変わりして帰ってきて、外に出て行く大切さをあらためて感じたと。日本は豊かな文化と、高い民度を持つが、経済発展の陰に隠れそうになるが、きちんと課題が見えてくれば、たちどころに能力を発揮する。IT技術で世界のエンタメを自由に楽しめるようになった今、つながろう、伝えようとする気持ちがあればいくらでも前に進める。そう、
この「つながる力」こそこれからの仕事力かもしれないと。
以上が記事となりますが...。
あ~ちゃんの言う「お爺ちゃん」、Perfumeのドキュメント映画のラスト、打ち上げ会で「ズビ~ッ!」と鼻をかみ、号泣する姿も印象的でしたが(^_^;、やはり一代で大きな仕事をやってきた人の言葉の重み・厚みは違うなと...。
エンタメ業界は人との繋がりが大事、人脈と言ってしまうと嫌らしいですが、信頼されてこそなんですよね。
「日本の良さを『点』で愛してくれる人々」というのも、言い得て妙、線で繋いで、面的に広げていかないと文化は膾炙できない。日本のあらゆる文化はまだまだ線にも到達してない感がありますよね。
まさに「大抵のことは難しい面倒だけど必要で 見えるものは不確かでいつでも夢を見たいけど
点と点をつなげてこ~ everythingを合わせてこ~♪」ですな(*^o^*)
そして、どんな仕事でも素直に耳を傾け、心を開く人間だからこそ、本気で付き合えるし、応援できる...Perfumeの三人が思い浮かびます。
今夏、北米ツアーと名打ち、WTとは違う本格的なライブ活動を展開するようです。映画でも目標としていたMSGがどうなのかはまだ分かりませんけど、この会長のもとであれば、きっと偉業を達成出来ることでしょう!\(^o^)/