このランプは本日の骨董市の戦利品である。
一枚板の座卓を手に入れてからは、その上に置くランプがほしいと願っていた。
しばらくは見つからないだろうと観念していて、今日のお目当ては花入と香合に
絞っていたのだが、思いがけず出会ったのである。
空色の花入れを買って、そろそろ帰ろうかなと思っていた頃、
まだ未訪問の店があることに気づいて、その店を覗いた時だ。
奥の方にポツンと置かれていたのが、このランプだったのである。
手に取って見ると、それは素敵なランプだった。
ガラスのシェードは乳白色で、その中に薄ピンクのマ-ブルが入っている。
そして、支柱と台座の一部は真鍮(黄銅)で、台は大理石のようだった。
店の主人に聞いてみると、大理石オニックスではないかということだった。
真っ黒ではなく、墨色に近い黒で、中にところどころ白い筋が入っているのが、
いかにも大理石らしく控えめだが、重厚感を持っていて素敵だった。
小さくても「本物」の雰囲気だ。
今日はこのランプを手に入れたのが、何よりの幸せであった。
これで当分の間はご機嫌で過ごせそうだ。
あとはいよいよ「更紗の布」だ。
出会いは思いがけなくやってくる。