9月から11月は母のことがあって、あっと言う間に終わってしまった。
今日はもう12月、、月日の過ぎ去る速さを実感している。
昨日、ある峠の道を車で走った。
赤や黄色の葉で山が彩られていた。
こういった自然の彩りを見ると、この世はなんと美しい所なんだろうとしみじみと思う。
日本には四季があってそれぞれに美しい。
そして、一日の時の流れにもそれぞれに美しいと思える瞬間がある。
その中でも、特に私は秋の夕暮れ時が好きである。
夕日が落ちて、西の空にまだ明るさの残る頃。
形あるものが黒くシルエットとなり、家々に明かりが灯る。
そんな風景は、昼間に拡散した気が元の場所にすーっと戻っていく様な安堵感を与えるからだ。
その感覚は、浮き立つような「春の宵」でも、暑さの残る夏の「夕方」でもないのである。
まして、日が早々に落ちて冷え込む冬にはそんな悠長なことは言っておられない。
ほど良い日暮れ時の長さと、寒さに向かう前のさほど寒くないが、冷涼で澄んだ空気感が必要なのである。
春宵一刻値千金というが、なんとも、秋の夕暮れも贅沢で素晴らしいものであることよ。