「着物一枚に三本の帯」と昔からよく言われています。
同じ着物を三本の帯で雰囲気を変えて着回すことを言います。
限られた予算の中でいかに上手におしゃれを楽しむか、、、
昔も今も考えることは一緒ですね。
今回は一つ紋色無地の着物を使って格と用途を変えてみたいと思います。
同じ着物を三本の帯で雰囲気を変えて着回すことを言います。
限られた予算の中でいかに上手におしゃれを楽しむか、、、
昔も今も考えることは一緒ですね。
今回は一つ紋色無地の着物を使って格と用途を変えてみたいと思います。
唐織の帯で華やかに格調高く
着物は一つ紋の色無地ですが、裾濃(すそご)になっており、
帯次第で訪問着風にも付け下げ風にも着こなせます。
ここでは唐織の帯で格調高さと華やかさを加え、訪問着風に装ってみました。
唐織の帯は、光沢のある色糸を浮かせて文様を織り出すため、華やかさと重厚感があります。
もともとは中国から入った技術ですが、室町時代の末期には西陣で織られるようになりました。
当時は将軍などごく限られた人しか着ることが許されていませんでした。
格としては、振袖、留袖、色留袖、訪問着に着用可能です。
金、銀を使わずに光らないので、格の高いお茶席にもよく似合います。
この時に使う帯締めは帯の中の一色をとったぼかし染めです。
控えめでありながら改まった雰囲気を持った帯締めですので、
帯の華やかさと格調の高さに負けることなくしっくりと収まっています。
※裾濃(すそご)
ぼかし染めで、裾の方を濃く、上にいくに従って淡くぼかして染めたものです。
微妙な色の移り変わりが美しい染め方です。
錦(にしき)の帯でしっとりと
着物は同じですが、光線の関係で明るくなってしまいました。
本来の色は、上の唐織の帯に合わせた着物の色です。
ここではちょっとおとなしい古典柄の錦の帯を合わせて、付け下げや江戸小紋風に装ってみました。
錦は多くの色糸を使って美しい文様を織り出したものです。
唐織のような縫い取りがないので糸錦とも言います。
この帯は「檜扇」「牡丹」「橘」など格の高い文様に、さらに「松竹梅」「菊」の吉祥文様が織り込まれています。
地色がおとなしく、金銀も使っていないのでしっとりと落ち着いた雰囲気にまとまります。
格としては、訪問着、付け下げ、江戸小紋に着用可能です。
文様の格が高く吉祥文様があるため初釜、茶事などでも使えます。
この時に使う帯締めは文様の中の一番濃い色に合わせて、おとなしい帯を引き締め、ちょっと華やぎを持たせます。
それが一色ですと身体の上下を分断してしまいますので、この場合違う色と金糸の入ったものを使いました。
こうすることで、濃い色ながら、なじませつつもメリハリをつけることができます。
白の帯で軽やかに
白い帯はカジュアルな雰囲気になります。
文様の雪輪自体は平安時代からある古典柄で能装束にも使われています。
使われ方次第では振袖や留袖にも通用する文様ですが、この帯の場合は
雪輪の中の「ひった模様」の格がやや落ちるため、格式のある席には不向きです。
一つ紋色無地をおしゃれ着風に装ってみました。
格としては、色無地、江戸小紋、小紋に着用可能です。
この時に使う帯締めは帯の中にある茶色と金色を取って、茶色と金色の市松柄のものを合わせます。
そうすると、白い帯の持つ軽さにちょっと重みと華やかさが加わり、帯も着物も生きてきます。
金銀が入った帯締めは帯をよそゆき風にします。
上手に取り入れて着回しの幅を広げるといいですね。
※「ひった模様」ー匹田模様
鹿の子模様のことです。
鹿の子模様のことです。