私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

星河清涼の風と荘子の遊

2015年07月10日 | 茶の湯便り
昨日の掛物は「星河清涼風」の色紙

茶会では、その日の茶会のテーマ(趣旨)が、掛物によって表されることが多い。
それと同じように稽古場でも、今日は何を感じてもらいたいのかを表すために
その都度の掛物を選ぶことが大切だと思っている。

それはどちらのお稽古場でも同じことだと思うが、私はそこにはただ禅語だけでなく、
季節感を添えた絵があり、視覚的にも楽しめる短冊や色紙を掛けるようにしている。

昨日の色紙は「星河清涼風」、せいかせいりょうのかぜ
星河は天の川のことで、「星河」は「せいか」とも「せいが」とも読む。

~夏の夜に天を仰げば、そこには流れるように星の川が見える
そして時折吹く涼風に身も心も清らかになっている~




香合はガラス製で蓋には星河が流れている

こうしたお茶の道具は、寒い時には暖かく、暑い時には涼しくと
そんな思いを込めて準備し使われる。
その心が伝わる喜びは、お茶会でもお稽古でも変わらない。




染付の器に朝顔のお菓子

昨日はお弟子さんのIさんから、NHKで放映されていた
「荘子の遊」を見て感動した旨のお話があった。

難しい内容だったけれど、何となくわかるところがあったとのこと。
そこで、お茶が目指す究極の目的とどこか共通しているのでは、、
単調な稽古を黙々と続けることによって得られる無我の境地、、
何ものにもとらわれない自由で平穏な心持ち、、

などなど、言葉で現すにはとても難しいことだったが、
その場での結論は、お稽古の中でそれらを見出していこう、
ということだった。

おそらく、それが体得できた時には星河清涼の風が吹くのだろう。
良いお稽古のひとときだった。

コメント (2)
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