私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

百円でも優秀な物がある

2015年12月05日 | 思うこと

これは半年ほど前、百円ショップで見つけた網杓子

二本の棒が上下を貫き、上部で折り返されてがっしりと留められている。
あっ、これだ!これだ!これだけしっかりしたのが欲しかったんよ。

「料理道具は特に丈夫でなくてはならない」
そう思ったのは、以前に買ったフライ返しが専門店のものなのに
すぐに使い勝手の悪いことになって、使う度にイライラしたからだった。

そのフライ返しはスマートなデザインで、いかにもよさそうだったのに、
持ち手の先がただ一点だけで留められていて、その部分にのみ力が加わる作りだった。

そうかあ、調理器具を選ぶ時には力学的な視点をもって見ないとねえ、、
そんな反省があって、この網杓子を選ぶ時の条件はとにかく丈夫であることだった。



これは、飾り気のない簡素な作りだが、とても丁寧に丈夫に作られていて、
いかにも、私のそんな気持ちを分かった!と言わんばかりだった。

そして僅か100円という売値で、この作り手に渡る加工賃はいかほどか、、
材料だってそれほど悪くなさそうだし、なんと言っても日本製である。
しかも、確か新潟の三条で作られたものだと記憶している。
三条や燕と言えば、国内はおろか海外にも知られた金物の町である。
たとえ加工賃は安くても、職人の誇りにかけて丈夫なものを作ったに違いない。
そう言った誠実な心が感じられる網杓子に出会えて本当に良かった。

調理器具は見てくれや値段ではない。使い勝手の良い丈夫なものが優秀なのである。


コメント (2)
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