私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

冒険!マヤ文明展③チョコレートで長生きした王たち、マヤ文字、仮面 BIZEN中南米美術館 岡山県備前市日生町

2023年06月27日 | 時空を超えて来たものたち

 

マヤ文明展のご紹介は今回が最終回です。

マヤの王様や王族の生活の一端を

チョコレート飲料、マヤ文字、宗教劇の仮面などからご紹介したいと思います。

 

 

 

*~ 周囲の器は、チョコレートを飲むためのカップ ~*

ここで、館長さんからの説明で驚いたことは

「チョコレートはマヤの王族のためだけの神聖で美味しく

そして長生き出来る健康飲料だった」

そして

実際に王たちは庶民よりずいぶん長生きだったとのこと。

 

※カカオは熱帯アメリカ原産の植物で、ココアやチョコレートの原料。

 

 

 

 

 

 

*~ 王の文字・マヤ文字 ~*

古代中南米唯一の複雑かつ芸術的な文字であるマヤ文字は、

当時の王家の生活、儀礼、時と暦、戦争、神々の世界等を今に伝えている。

マヤ文字は漢字やエジプト文字と同様に

表意文字+表音文字(正式には音節文字+表語文字)から成り立っている。

つまり、漢字と仮名に相当する文字があり、

漢字の旧字体と簡略体のような書体や、芸術的に文字を崩す自由度も持っている。

 

 

 

*~キリスト教への改宗と祭り、そこで使われた仮面~*

⇩⇩⇩

 

キリスト教の宣教師たちは、スペインの征服者たちと共に

マヤ地域に入り、各地に教会を建て布教を行った。

彼らは多神教のマヤの宗教を邪教と断じて排斥したが、

改宗をスムーズに行いカトリックの聖人を崇めさせるため、

聖人に先住民の神をだぶらせて祈る混合信仰も容認した。

またキリスト教をより身近に感じられる祭りも盛んに催した。

これらの木製面は

そんな宗教劇祭りのための道具だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マヤ文字を蛇腹式で立派な樹皮紙のノートに記載し、

石碑に刻んだ書記たちは、王族の中の超エリートでした。

すなわち、マヤ文字は王=王族の文字だった。

書記たちは王室文書司書、歴史家、系図学者、税務官、

婚姻や儀式の進行者、さらに天文学兼数学者といった

幅広い役割も果たしていたため

彼らにはアフ・イツァート=賢者の称号が与えられました。

 

 

 

 

*~ 紋章文字 (石碑風レプリカ)~*

左は「ティカルの紋章」

モチーフは鉢巻きを絞めた頭部。

※鉢巻を絞めるというのは、王に即位することを意味した。

 

右は「カラクムルの紋章」

ティカルと並ぶ二大超大国の一つにして、最大のライバルである

カラクムルはカーン(蛇)と呼ばれ恐れられていたので

紋章のモチーフも蛇でした。

 

 

 

*~ ティカルの石碑 26 拓本 ~*

国名       グアテマラ

出土地     マヤ低地南部

時代 古典期前期 紀元450年

ティカル歴代の王の名が刻まれています。

 

 

 

*~ 土製印章(ボディぺイティング用) ~*

国名          グアテマラ

出土地          南部高地

時代 古典期前期 紀元250年~600年

 

左が「ウサギ」、右は「サル」が彫られている。

 

 

 

実際に腕にペインティングした様子。

特別な植物(ハグア)の樹液をつけて肌に押し付けると

しばらくして黒い模様が浮き出て、一週間くらい取れない。

 

※記事は会場の説明版と館長さんのお話より。

 

* * *

 

マヤ文明といえば

知っていたのはピラミッドのような遺跡のことくらいでしたが

この度

マヤの王様が健康飲料として、チョコレートをたっぷり飲んでいたとか、

複雑かつ芸術的なマヤ文字の存在など

多くのことを学ぶことが出来ました。

次の展覧会はどんな内容でしょう。

今から楽しみです。

 

 

 

コメント (14)
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