福江港ターミナルに到着。
レンタカーの電気自動車を返却します。
事務所に行くと、キーを返しただけで終わり、車両の確認すらしません。なんともおおらかです。もっとも確認されなければいけないようなことはしていませんが。
ターミナルの内部はこんな感じ。新しくて清潔感のあるターミナルです。二階の横断幕は、来月開催される長崎国体の五島での開催種目です。
まだ時間があるので、二階の食堂で昼食をとります。
朝食をたっぷり食べたので、五島うどんで軽めに。あごだしがきいた、おいしいうどんでした。
ターミナルで確認すると、チャーター船は第二桟橋とのこと、出発時間が近くなったので第二桟橋に移動します。
昨日カンパーナホテルで受け取ったチケットに書いてある、「奈留海上タクシー」の船が停泊しています。この船に間違いないと思いました。
しかし、出発時間間近になってもだれもやってきません。
さすがにおかしいと思い、チケットに書いてある連絡先に電話てみます。すると、チケット発券元の九州商船につながりましたが、「ここは長崎事務所なので福江の事務所に聞いてくれ」と門前払いされました。非常に対応悪いです。
一旦ターミナルに戻り、九州商船の窓口で聞いても、第二桟橋のはずということで何もわからず。たまたま窓口にいたおばさんが、奈留島の人で、「せっかく来てくれたのに、うちの島のことだから」と、わざわざ第二桟橋まで来て周りの人に聞いてくれましたが、何もわからず。
すでに出発時間は過ぎています。
で、奈留海上タクシーの船体に電話番号が書いてあったので、電話してみると、なんと、今日の予定の連絡が入っていないとのこと。船は、たまたま別の用事で福江港に来ていただけのようです。
ここでチャーター船が出ないと、この後のスケジュールがめちゃくちゃです。上五島に行くことすらできないかもしれません。楽しみにしていた今日の宿にも行けないかもしれません。
ここで、予約をしたJTB 旅の予約センターに電話するも、状況を確認して連絡します、とのこと。そんなのんびりした状況ではないのですが。
しかし、こちらはチケットを持ってるわけで、結局、事情を説明し交渉した結果、奈留海上タクシーの船長が近くにいるから、ということですぐに来て対応してくれるくれることになりました。
本当にすぐに船長さんがやってきて、何とか30分遅れで出発。なんとか、奇跡的に本来のスケジュールを確保できることになりました。
結局、しばらくたってからJTBから電話があり、JTBが手配を委託した会社から奈留海上タクシーへの連絡が漏れていたとの連絡がありました。
結果的に、奈留海上タクシーさんの好意で、JTBツアーと同じ対応をしていただいたことになりました。本当に ありがたいことで、五島の人たちの温かさを感じました。
ちなみに本件、帰着後にJTBに申し入れ、しかるべき対応をしてもらっています。
ということで、かなり深刻なトラブルに見舞われましたが、奇跡的に元のスケジュールを確保できることになりました。
船は、かなりのスピードで進みます。海は穏やかですが、かなりの波しぶきが開いた窓から入ってきます。本来この速度なのか、遅れを取り戻そうと急いでいるのか。
しばらく海上を進み、久賀島の旧五輪教会堂にやってきました。
ここは今でも船でないと来られないところで、今は二世帯だけが住んでいるそうです。
岸壁に接岸し、上陸します。海の色が驚くくらいエメラルドグリーンです。
すっかり良い天気になりました。
旧五輪教会堂はもともと現在浜脇教会のある場所にありましたが、解体を免れ現在の位置に移築され、その後再び解体に危機に瀕しますが保存され現在に至ります。
つまり二度解体を免れたわけで、現在では国指定の重要文化財、そして世界遺産(候補)の構成資産となっています。
現在では隣に五輪教会がたてられ、教会としての役割は終え、五島市に寄贈されています。
内部には祭壇はありますが椅子はありません。・・・と、床にはゴキブリ、クモ、大型の虫の死骸が大量にちらばっています。ちょっと不気味です。
隣にある五輪教会。小さくてかわいい教会です。
ここは二世帯のためだけにあるのではなく、ミサの時は周辺から船で人が集まるとのことです。
ここにある公衆トイレも十字がデザインされています。
世界遺産になるとここにも人が押し寄せるのでしょうか。何となく、このままそっとしておいたほうが良いような気がします。
ところで、この五輪地区は歌手 五輪真弓さんのお父さんの出身地ということです。
この中央に見える石垣の上に先祖の墓地があるとのことです。
再び船に乗り、次は若松島のキリシタン洞窟「ハリノメンド」にむかいます。
島の影から出ると波が高くなり、波しぶきを上げながら船は進みます。
キリシタン洞窟付近に到着。なんともきれいな風景です。
キリシタン洞窟は、明治のキリシタン迫害、「五島崩れ」の時に近隣のキリシタンが身を隠した場所で、単なる観光地ではなく、今でも毎年ミサが行われる聖地です。
ここも船でなければ来ることができません。
ハリノメンドは外来語でも宗教用語でもなく、針の目戸、針の穴の意味です。
下の写真の右側の洞窟が針穴に見えるのがその理由ですが、実際に身を隠した洞窟は左側に見える窪みの奥にあるとのこと。
そして洞窟の入り口ははもう一か所あります。
この大きな岩の左側に回ると・・・
キリスト像が見えてきます。この奥に洞窟の入り口があるそうです。
上陸。ここの海はコバルトブルーです。
キリスト像は近くで見るとかなり大きいです。洞窟の入り口まで行くこともできるようですが、結構険しいので断念しました。
岸壁がないため、上陸している間、船は沖合で待機しています。
再び船に乗り、チャーター船の終点、上五島の郷の首港をめざします。
若松島の白崎を周り、若松大橋をくぐり郷の首港に到着。
出発は30分遅れでしたが、到着はほぼ時間どおりでした。
予約が入っていなかったにもかかわらず対応していただいた、奈留海上タクシー様に深く感謝いたします。
<その4に続く>