ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

宇宙兄弟

2012-05-01 20:01:57 | あ行

これ、原作マンガが
えらくおもしろいんですって?

「宇宙兄弟」67点★★★

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クリクリ天然パーマの兄・六太=ムッタと、
茶髪のツンツンヘアの弟・日々人=ヒビトは

幼いころから宇宙に憧れ、
「一緒に宇宙に行こう!」と約束を交わしていた。

そして2025年。

ヒビト(岡田将生)は夢を実現して、宇宙飛行士になり
月に飛び立とうとしていた。

いっぽう31歳のムッタ(小栗旬)は
しがないサラリーマン。

しかも勤め先をクビになり、無職になってしまう。

そんなムッタに、JAXAから手紙がくる。

「あなたは宇宙飛行士選抜試験の書類審査を通過しました――」


――へ?なんで?どういうこと?

果たしてムッタは、
子どものころの夢を実現できるのか――?!

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前半は悪い意味で漫画っぽく、
しかし後半はいい意味で漫画っぽくなってきて、けっこう熱中しました。

ファーストカットが冴えない足跡な理由も、
ラストまでいくと見えてくるんだよね。


幼いころ宇宙飛行士になる夢を語り合った兄弟のうち
弟が夢を叶え、ダメ兄貴がそのあとを追う話ですが、

兄が宇宙を目指すまでの動機付けをする前半は、
単純化された運びがいかにも漫画っぽく
コマに沿って目で追っているかのようで、ほとんど映像のドラマになってない。


だけど、次第に内容が
“宇宙飛行士になるには”になってゆき、
候補者選びの選抜テストがはじまる中盤戦から
グンと充実度が加速する。


けっこう中盤~後半がボリューミーになっているので、
終わらずに(ありがちに)「つづく」になるかと思ったけど、
なんとか無事に収束したのもよかった。

夢を持てる内容なんで、
こどもの日公開はピッタリだと思いますね。


ただ、
兄の生まれが「ドーハの悲劇」(1993年)という
現代的な設定の割には、
どこか60年への“少年”的ノスタルジー描写があって
そこがちょっと「20世紀少年」っぽかったなー。

プロデューサーは「悪人」「告白」さらに
「モテキ」をヒットさせた方なんですけどね。


★5/5(土)から全国で公開。

「宇宙兄弟」公式サイト
コメント (2)
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