ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ファミリー・ツリー

2012-05-14 23:44:34 | は行

アカデミー賞5部門ノミネートで
脚色賞受賞の話題作です。

「ファミリー・ツリー」75点★★★★

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ハワイ・オアフ島に暮らす
弁護士のマット(ジョージ・クルーニー)。

人もうらやむ楽園暮らしをしているかといえば、
ちょっとシビアな状況にいた。

妻が海の事故に遭い、昏睡状態。

いままで家庭を顧みなかった彼は、
高校生の娘(シャイリーン・ウッォリー)と
10歳のスコッティ(アマラ・ミラー)に
どう接したらよいかもわからない。

さらに先祖代々から受け継いだ土地を
売却するかどうかの、重大な決定を迫られてもいた。

そんななか、妻のある秘密があきらかになり――?!

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飛び抜けて良作というわけではないですが、
気持ちがゆったり、気分よくなるような感覚。

それが
「サイドウェイ」(04年)でもやはりアカデミー賞脚色賞に輝いた
アレクサンダー・ペイン監督の持ち味というか。

この監督はどうも
ストーリーにものすごく“舞台”が重要なタイプらしい。
(前作では、ナパ・バレーとかね)

で、中身のほうは一定以上のクオリティがあるんだけど、
悪く言えばあっさりしすぎ

よく言えば大げさでない、
平坦な多幸感をいつも描くんですよね。


本作は
素材はありがちな家族再生物語なんだけど、
舞台がハワイだということは大きく、

重苦しくシリアスな問題にも
どこか慌てず騒がず、のんびりしたゆったり感と
おおらかさやユーモアがあって、そこがいい。

ジョージ・クルーニーも、
かなり弛んだ“人のよいおやじさん”を
ゆとりを持って演じていました。

走り方がなんかコミカルでおかしかったり、
ああ、らしいなあと。

どこか冷めた高校生の娘がいいキャラだしね。

楽園暮らしもラクじゃない。
けれど、豊かな自然の悠久の時のなかで、
確実に代々受け継がれていくものってあるんだなあと
感じさせてくれました。


★5/18(金)から全国で公開。

「ファミリー・ツリー」公式サイト
コメント (2)
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