これは役者が粒ぞろいでした。
「外事警察 その男に騙されるな」70点★★★★
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国際テロを未然に防ぐための組織、
警視庁公安部外事課=“外事警察”の住本(渡部篤郎)のもとに
「濃縮ウランが朝鮮半島から流出した」との情報が入る。
日本が核テロの標的になる可能性が高い――。
住本はソウルで鍵を握る科学者(田中泯)に接触し、
さらに部下の松沢(尾野真千子)に
子連れの女性・果織(真木よう子)に
近づくよう命じるが――。
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公安が主役の渋~いクライムサスペンス。
NHKのテレビドラマの映画化だそうで
ドンパチが主ではなく、
自分の目的のために(=国家安全のため、だけど)
利用できる相手を懐柔する=「おとす」という
攻撃方法がポイント。
その術に長けているのが
渡部篤郎演じる主人公で、
例えば、夫をスパイさせるために
真木よう子に近づき、優しげに、しかしチクリ、ゆらりと揺さぶり
協力させようとするわけです。
終始落ち着いた調子で、
しかし無言の威圧感を与え、
言葉巧みに説得し、また取引をし、
人間を操ることで敵を攻撃するというのが
なかなかおもしろかったです。
ああ公安って、
話には聞くけど、ほんとにやーらしいのねえとか(笑)
いや、知りませんけどね。
ただ、肝心の話には
単純なところも、無駄なところもある。
でも
「光が強ければ、出来る影は濃い」という
コンセプトを感じる深い黒の色調や、
その色合いにハマる役者を
上手にあてていて、合格点。
真木よう子氏が上手く、
田中泯がさすがの存在感でした。
★6/2(土)から全国で公開。
「外事警察 その男に騙されるな」公式サイト