ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

外事警察 その男に騙されるな

2012-05-29 19:32:37 | か行

これは役者が粒ぞろいでした。


「外事警察 その男に騙されるな」70点★★★★


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国際テロを未然に防ぐための組織、
警視庁公安部外事課=“外事警察”の住本(渡部篤郎)のもとに
「濃縮ウランが朝鮮半島から流出した」との情報が入る。

日本が核テロの標的になる可能性が高い――。


住本はソウルで鍵を握る科学者(田中泯)に接触し、

さらに部下の松沢(尾野真千子)に
子連れの女性・果織(真木よう子)に
近づくよう命じるが――。


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公安が主役の渋~いクライムサスペンス。

NHKのテレビドラマの映画化だそうで
ドンパチが主ではなく、

自分の目的のために(=国家安全のため、だけど)
利用できる相手を懐柔する=「おとす」という
攻撃方法がポイント。


その術に長けているのが
渡部篤郎演じる主人公で、

例えば、夫をスパイさせるために
真木よう子に近づき、優しげに、しかしチクリ、ゆらりと揺さぶり
協力させようとするわけです。

終始落ち着いた調子で、
しかし無言の威圧感を与え、

言葉巧みに説得し、また取引をし、
人間を操ることで敵を攻撃するというのが
なかなかおもしろかったです。

ああ公安って、
話には聞くけど、ほんとにやーらしいのねえとか(笑)
いや、知りませんけどね。

ただ、肝心の話には
単純なところも、無駄なところもある。

でも
「光が強ければ、出来る影は濃い」という
コンセプトを感じる深い黒の色調や、

その色合いにハマる役者を
上手にあてていて、合格点。

真木よう子氏が上手く、
田中泯がさすがの存在感でした。


★6/2(土)から全国で公開。

「外事警察 その男に騙されるな」公式サイト
コメント (2)
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