「闇の列車、光の旅」の
キャリー・ジョージ・フクナガ監督作。
この監督はエモーションの盛り上げかたがうまい。
「ジェーン・エア」72点★★★★
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幼いころに両親を亡くした
ジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)は
不幸な少女時代を過ごし
寄宿舎でも教師から不当な扱いを受ける。
それでも負けずに成長した彼女は、
ある屋敷の家庭教師となる。
ある日、彼女の前に、
若き屋敷の主、ロチェスター(マイケル・ファスベンダー)が現れる。
そのぶしつけな態度に戸惑いつつも
しかし次第に、彼と心を通わせるようになるジェーン。
が、彼女にはまだまだ
苛酷な運命が待ち受けていた――。
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父方の祖父が日本人という
日系アメリカ人のキャリー・ジョージ・フクナガ監督が、
1847年に出版され、18回も映画化されてきた(!)
名作文学に挑んだ作品。
「闇の~」もそうだったけど、この監督
やってることは意外にベタなんですが
(薄幸な少女、不遇やイジメ、果たせない愛とかね)
感情の盛り上げ方がうまくて
キュンとさせるんですよね。
冒頭、嵐の中をさまようジェーンの姿をセリフなしで見せ、
ただならぬ切迫感をみせるのもうまいし、
抑圧される彼女の苦しみを描くことで
自由を渇望する彼女の願いに、観客を共鳴させる。
次の展開へ、そして悲劇へと
観客を上手に誘うんです。
生い立ちの不幸や
社会の抑圧に屈することなく背筋を伸ばし
使用人の立場でもキリリと尊厳を守り抜く
ジェーンに共感し、胸が震えます。
まあそんな強さがまた
彼女の苦しみを倍にしてるんですけどね。
化粧っ気がなくても輝くジェーンを
ミア・ワシコウスカが素晴らしく演じています。
上映時間2時間が、6時間にも感じられました。いい意味で。
監督に『キャンディ・キャンディ』とか
映画化して欲しい。上手いと思うマジで(笑)
★6/2(土)からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野感ほか公開順次公開。
「ジェーン・エア」公式サイト