思ったより、よかったんだけど
キレイすぎるし、長いんだ。
「天地明察」67点★★★
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今から400年ほど前の江戸時代。
安井算哲(岡田准一)は、
天体観測と算術が大好きな青年。
神社の境内に掲げられた、顔も知らぬ好敵手からの問題を
必死に解いたりする日々。
あるとき、その情熱が認められ
算哲は各地を旅し、北極星の高度を図る仕事を命じられる。
1年半にも及ぶ調査のあいだに
算哲は
800年前に制定された暦が、
ズレ始めていることに気づく。
暦のズレは農作業のタイミングなどにも影響を及ぼし、
人々の暮らしにも影響する。
算哲は暦を改めることを進言するが、
しかし、そこには多くの壁が立ちはだかり――?!
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「おくりびと」滝田洋二郎監督が
実在の算術家の功績を描いた
沖方丁のベストセラーを映画化したもの。
算術好きの青年が
天文への情熱から世の中を動かし
周りの人々も彼を支える、といういい話で、
まっすぐな主人公に
それを支えるよき女性(宮崎あおい)
天才数学者(市川猿之助)との
絵馬を介した算術勝負や
天体好き老人コンビ(笹野高史、岸部一徳)のユーモアなどが散りばめられ、
安定感抜群。
同じ意思や目的でつながる善き人々の仲間意識やほんわか笑い、
苦難の共有という点で
「おくりびと」に似てもいて、
一種の「おしごとシリーズ」ともいえますな。
ただ143分は長い!
それにすべてがキレイすぎるんだな。
たとえば暦の改暦をめぐるある勝負は
3年かけて行われたりするんですが、
その間の時間の経過や苦労に、重みがない。
一度、日食のタイミングをはずしたら
次は10年後――とかな世界なのに
誰も年もとらないし、ボロッちくなってない(笑)
いくらなんでも、ちょっとファンタジーじゃないか?と(笑)
まあそうした部分は
あえてバッサリ削ったんだと思いますけどね。
若い世代に歴史と数学に興味を持たせるには
とてもよい作品でしょう。
それに市川猿之助氏がよかったな。
★9/15から全国で公開。
「天地明察」公式サイト