ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

BUNGO~ささやかな欲望~

2012-09-28 14:18:01 | は行

タイトルは
“文豪”って意味です。

「BUNGO~ささやかな欲望~」69点★★★☆


宮澤賢治、永井荷風、坂口安吾など、
文豪たちの6本の短編小説を、

山下淳弘監督ら6人の監督が
それぞれ30分ほどの作品にしたオムニバス映画。


「注文の多い料理店」
「乳房」
「人妻」の3本が「見つめられる淑女たち」編(計95分)として、

「鮨」
「握った手」
「幸福の彼方」の3本が「告白する紳士達」編(計108分)として

それぞれ上映されるそうです。


まあ正直、宮澤賢治以外の話は読んだことないんですが
(ダメだな~苦笑)
ゆえに勉強にもなったし

いずれも映像のトーンが美しく、
けっこう味がある。


「注文の~」は脚色がユニークすぎ、
「握った手」もピンとこなかったけど
あとはどれもよかったな。

オムニバスでこの確率なら合格点ではないでしょうか。


キャストが石原さとみや橋本愛、山田孝之に成海璃子などなど
豪華なのも見どころだし、

時代が昭和ということもあるのでしょう
使われる言葉の美しさや、
あけっぴろげでない、仄かなエロスがいいんですな。


特に「乳房」とリリー・フランキー×橋本愛の「鮨」が好きでした。
谷村美月の「人妻」もコミカルでいい。

「幸福の彼方」は鎌田敏夫氏の脚本がやっぱり見事。
それにモデル出身の波瑠という女優さんがよかった。
彼女は中村義洋監督の新作「みなさん、さようなら」(1月公開)にも出てる。
注目ですな。


★9/29(土)から角川シネマ有楽町ほか全国順次公開。

「BUNGO~ささやかな欲望~」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする