ここから天草下島の北岸を走っていく。途中のあちこちに「イルカウォッチング」の看板を見かける。漁船ですこし沖に出てイルカを見ようということのようだが、今日のように風が強いと乗っている人は大変だろうな。
まず、富岡城址に行ってみた。名前も知らない城だったが、天草の乱の際に天草を領していた唐津藩が、攻めたキリシタン勢力から、ここを守りきったところだそうだ。
その後乱の責任を問われて唐津藩は天草を取り上げられるが、その後入封した山崎家治により富岡城は拡張、完成した。しかしその後の領主戸田忠昌が城を破却したため、築城後僅か70年で富岡城はなくなった。
いや、この戸田忠昌という人は素晴らしく合理的な判断と実行力に人だと思う。当時の大名は小藩といえども城を持ちたいと熱望する中、維持のためにコストがかかるので破城するとはすごい人がいたものだ。戸田忠昌という人はその後老中になっている。
その富岡城には下の駐車場から歩いて上がってみた。
上に見える二階建ての建物が多聞櫓で、本丸の中心的な建物だ。2005年に破城前の姿に復元されたのが今の姿だが、なかなかにシンプルで実用的な城郭の形に感心する。
この門の奥が本丸なのだが、本日は中のビジターセンターが休館なので門が閉じている。でも本丸にはこれみよがしの天守閣などはない。あくまで当時のままの復活のようだ。
このあたりから風も強く雨も降り出した。ここからは外海の天草灘に面した道を走る。海岸の眺めのいい場所を通るが、この天気ではなかなかゆっくり見てはいられない。
ここは、夕日百選「鬼海ヶ浦展望所」。眺めはいいが雨もあるし風も強い。クルマの窓から写真だけ。
次は妙見浦に降りてみた。
下まで歩いて降りたが、下に駐車場があった。しかし途中の道路は上からの枝があって自分としては躊躇する場所だ。それに下から見てもそれほどいい景観でもなかった。こういう入り組んだ崖の眺めは、上から見るか海から見るかのどちらかで、下まで降りたら平凡だった。ということで上からの景色。
ここからしばらく山の中を行くと大江天主堂。小高い丘の上に建っている。
天主堂から海が見える。
次に予定になかったが崎津天主堂。ここに入っていく道は狭く、駐車場も狭いので入口にある漁港にクルマを停めて歩いた。
中の礼拝スペースは畳敷きで、今はその上にパイプ椅子が並んでいた。昔は畳の上に座って礼拝していたのだろうか。
先程までの天草灘と打って変わって静かな湾内だ。
今日の温泉は天草市総合交流施設天然温泉「愛夢里」(あむり)\500。
お湯は無色透明で肌がつるつるするのはいいが、塩素消毒の匂いがかなり強い。源泉は37.8度の低張性アルカリ性温泉で、成分総計は1.12グラム/kg。主な成分は炭酸水素イオン572mg、ナトリウムイオン279mg、塩素イオン159mg、メタケイ酸37mgなど。内湯は適温、露天風呂はちょっとぬるめだが長湯にはちょうどよかった。
最後に今日の車中泊地である牛深の道の駅「うしぶか海彩館」。
ここは元からあった海彩館という施設に最近道の駅の名前を冠したところのようだ。駐車場もフェリー乗り場の駐車場と一体になっていてわかりにくい。海産物は加工食品がいろいろなのだが、ちょっと買いたいと思うものがない。真ん中の生簀ではいろんな魚がぐるぐると泳いでいる。注文したらこいつをすくい上げて調理してくれるようだ。
本日の走行は85.6キロ、燃費は11.0Km/Lだった。