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イーグルス ~2011年最後の来日コンサート

2020-01-10 | 素晴らしかった興行・イベント

米ロックバンド・イーグルスのCD+DVDが発売になりました。イーグルスのオリジナルメンバー、グレン・フライが2016年に亡くなり、イーグルスも終わったと思われたのですが、グレンの息子ディーコン・フライ、カントリー界の大物シンガー・ヴィンス・ギルが加入し、新生イーグルスが活動開始したことを知って本当に嬉しかった!

アメリカでその新生イーグルスがコンサートを開催したことを知り、来日はあるかな・・と思っていた矢先のコロナ。それが今月、彼らが2018年にロサンゼルスのザ・フォーラムで行ったライヴが、CD+DVDで発売されました!グレン・フライがいないのは残念ながら、イーグルスを懐かしく聴くには十分な素晴らしい内容でした。ぜひ、余裕のある方はどうぞ。ブルーレイの映像は5.1chサラウンド収録されていて、臨場感最高の音質です。

さて今日は、2011年のイーグルス最後の来日コンサートを懐かしんでみたいと思います。

僕が行ったのは2011年3月6日東京ドームでした。ボーカルのグレン・フライ(当時62)は「コンバンワ、トーキョー」と日本語を織り交ぜながらあいさつし、集まった4万人のファンを盛り上げました。

メンバー全員が60代に突入していたにもかかわらず、ライブは休憩をはさむ2部構成で3時間という長丁場。それでもしっとりと聴かせるハーモニーは揺るぎなく、代表曲「ホテル・カリフォルニア」や「デスペラード」など28曲をしっかりとパフォーマンスしてくれました。このツアーは、07年に28年ぶりに発売したオリジナルアルバム「ロング・ロード・アウト・オブ・エデン」を引っさげてのもので、来日公演は7年ぶり5回目。大阪、名古屋と巡ったドームツアーもこの6日の東京ドームが最終公演。全国での総動員数は15万人でした。

当時来日したのは、バンド結成時のメンバーであるグレン・フライ(ボーカル、ギター)とドン・ヘンリー(ボーカル、ドラムズ)、後期の柱となったジョー・ウォルシュ(ボーカル、ギター)、解散直前に加わったティモシー・B・シュミット(ボーカル、ベース)の4人。ドン・フェルダーはこの1年前、自伝「天国と地獄~イーグルスという人生」という本を出版。その中でドン・ヘンリーとグレン・フライを非難しているので、当然来日していません。ドン・フェルダーでは日本版の発売もないだろうと原書を読みましたが、なかなか興味深い本でした。

この日は4人が横一列に並んでスポットライトを浴びる特異のスタイルで登場。「セブン・ブリッジズ・ロード」で幕を開けました。今回発売したDVDと同じです。全員がリードボーカルをとれるスター性、完璧なハーモニー、アコースティックなカントリーと激しいロックの融合。サポートメンバーも一流どころが揃い、ギタリストのスチュアート・スミスを始め、ホーンセクション、キーボードプレイヤーも最高のパフォーマンスを見せてくれました。最近のショーでの定番「Hotel California」イントロのトランペット、「Funk #49」でのファンキーなホーンズは、会場でしか味わえない迫力と音圧。これも今回発売のDVDで追体験出来ます。

あの日アリーナはほぼ埋まっていましたが、二階席にはけっこう空席も。超満員という感じではなく、イーグルスクラスのアーティストでも、東京ドーム2日間というのは集客的には厳しかった。しかしその原因は、ハッキリ言ってチケットの価格にあると思いました。往時を知るファンが当時40代後半以上という年齢層を見込んで高額設定し過ぎ。家族で夫婦で懐かしく観に行こうというには高額過ぎます。ギャラを払い、経費をペイし、収益を上げるために必要なのは分かります。しかし、洋楽離れが進む日本で、余りにも高額なチケットでした。

2部構成のライブ。まずサポートメンバーが先に出てきてスタンバイし(全員黒の衣装)、そしてイーグルスの4人が登場。アコギ・エレキ・ベースなど弦楽器を持った男たちがずらりと4人並ぶ様はやはり圧巻。しかし、ドン・ヘンリー、ちょっと恰幅が良過ぎです。ハーモニーが効いた「Seven Bridges Load」でスタートし、続いて新譜「Long Road Out of Eden」から「How Long」など2曲を披露。そして、サポートによるトランペットの長いイントロを経て、早くも「Hotel California」。ショーは、ここで最初のピークを迎えました。前半は、「Witchy Woman」や「Lyin' Eyes」など、70年代の曲が、思った以上に披露されました。ドン・ヘンリーのソロ曲『The Boys Of Summer』を経て、『The Long Run』で第一部が終了。「呪われた夜」が聴けたのは特筆ものでした。

20分近くのインターバルを経て、第2部へ。4人がステージ前方横一列に座ってのアコースティックセット。「Best Of My Love」や「Take It To The Limit」といったヒット曲も演奏され、ライブが引き締まったものの、ランディ・マイズナーのいないのは寂しい。その後は新譜のタイトル曲「Long Road Out Of Eden」を。後半はラウドなアレンジで演奏に重点を置いた格好となり、緊張感が漂いました。「Heartache Tonight」「Life In The First Lane」で第2部を締め、アンコールは「Take It Easy」「Rocky Mountain Way」ときて、オーラスは「Desperado」。28曲約3時間の大熱演に満足しました。

敢えて言うなら、ドームは退場に時間が掛かるので、早めに退席する人が多いのはいつもの光景なのですが、「Desperado」を聴かずに、この高額チケットを購入して帰途に就くファンの心情が、私には理解出来ません。また、それが視界に入ることが、とても残念でした。

2011.3.6(日) 東京ドーム

  Seven Bridges Road
  How Long
  I Don't Want to Hear Anymore
  Hotel California
  Peaceful Easy Feeling
  I Can't Tell You Why
  Witchy Woman
  Lyin' Eyes
  Boys of Summer   
  In The City
  The Long Run

  No More Walks In The Wood
  Waiting in the Weeds
  No More Cloudy Days
  Love Will Keep Us Alive
  Best of My Love
  Take It To The Limit
  Long Road Out Of Eden
  Walk Away
  One Of These Nights
  Life's Been Good
  Dirty Laundry
  Funk #49
  Heartache Tonight
  Life In The Fast Lane

  Take It Easy
  Rocky Mountain Way
  Desperado

 


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