アーバンライフの愉しみ

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証言記録~兵士たちの戦争

2015年06月03日 | 読書三昧
いつもお世話になっている市(北広島市)の図書館に、「平和の資料」と題するコーナーがあり、概ね、3,000点ほどの書籍が陳列されている。

これほどまでに平和と戦争に関する書籍が集められているのは、広島県とのかかわりの深さからだと思われる。

目下、国会では、いわゆる「安保法案」の審議が行われていることもあり、かっての(太平洋)戦争がどのようなものであったかを知るために、掲題の書籍を借りて来て読んだ。



これは、2007~8年、過去の戦争の実態に迫ろうと、NHKのプロジェクトチームがこれに取り組み放映した7本の番組を書籍にまとめたもので、5巻から成っている。

現在このシリーズは、(NHKオンデマンドで)フィリピンの首都マニラの攻防を伝えたもの(1本)のみ視聴することができる。

いずれにせよ、戦争の終盤、日本軍が窮地に立たされるようになった頃の戦場の様子を、当時、その場に居て戦った兵士が語った実相は生々しく悲惨である。

特に、兵站を伴わない戦争で、多くの兵士は弾薬や食料の供給を受けられないまま、飢餓と病気で無残な死を遂げた。

例えば、インパール作戦に連動して北ビルマに派遣された連隊(3,000人規模)の兵士は、大半が飢餓とマラリアで死亡したという。

こうした悲惨な戦争の実態を「戦後レジームからの脱却」などの美辞麗句で覆い隠し、今また、戦争できる国造りに奔走する安倍政権の危険性を指摘せずにはいられない。
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