東大教授で美術史家、高階氏による西洋絵画の入門書である。「週刊西洋絵画の巨匠」(2009年1月~10年2月)50巻連載の「巨匠のまなざし」の改定版である。

新書版190頁の小冊子ながら、解説の対象となった画家と絵画の多様さと軽妙な語り口で飽きさせない。
本書で取り上げられている画家は、
・フェルメール
・ベラスケス
・ゴヤ
・ミレー
・ピカソ
・ゴーガン
・ボッティチェリ
・ダ・ヴィンチ
・セザンヌ
・クリムト
・ルーベンス
・ルノワール
・ドガ
・ミレイ
・ゴッホ
・マネ
・ブリューゲル
・モリゾ
など。
解説は、
・「もっともらしさ」の秘訣
・時代の流れと向き合う
・見えないものを描く
・枠を超えた美の探究者
など、8つの切り口を設けて行われている。
例えば、「見えないものを描く」の章では、これを総括して、
「絵画における”主題”とは、画家が作品を描くための動機や目的であり、言葉によって伝えることは難しい。それは、色彩や明暗、形、構図など視覚的な要素や効果によつてのみ表現できるものなのである。
だからこそ画家は、・・・主題を表すためにもっとも適した描き方を選ぶのである。そして、絵画を見る者は、画家が選んだ描き方を通じて画家の主題を理解することができるのである。
つまり、絵画を見る際には、作品の見かけの美しさを鑑賞するだけでなく、画家がどんな主題に基づいて、その作品を描いたかを”考える”ことで、理解を深めることができる。」
と述べている。
一方、日頃目にしない絵画も紹介されていて興味深かった。
これは、あの「接吻」というきらびやかな絵を残したクリムトが、シューベルトのピアノ演奏の様子を描いているのだが、彼の音楽の美しい旋律が聴こえて来るような良い絵だと思った。

この絵は、惜しくも焼失してしまっているとかで、実物を目にすることはできない。

新書版190頁の小冊子ながら、解説の対象となった画家と絵画の多様さと軽妙な語り口で飽きさせない。
本書で取り上げられている画家は、
・フェルメール
・ベラスケス
・ゴヤ
・ミレー
・ピカソ
・ゴーガン
・ボッティチェリ
・ダ・ヴィンチ
・セザンヌ
・クリムト
・ルーベンス
・ルノワール
・ドガ
・ミレイ
・ゴッホ
・マネ
・ブリューゲル
・モリゾ
など。
解説は、
・「もっともらしさ」の秘訣
・時代の流れと向き合う
・見えないものを描く
・枠を超えた美の探究者
など、8つの切り口を設けて行われている。
例えば、「見えないものを描く」の章では、これを総括して、
「絵画における”主題”とは、画家が作品を描くための動機や目的であり、言葉によって伝えることは難しい。それは、色彩や明暗、形、構図など視覚的な要素や効果によつてのみ表現できるものなのである。
だからこそ画家は、・・・主題を表すためにもっとも適した描き方を選ぶのである。そして、絵画を見る者は、画家が選んだ描き方を通じて画家の主題を理解することができるのである。
つまり、絵画を見る際には、作品の見かけの美しさを鑑賞するだけでなく、画家がどんな主題に基づいて、その作品を描いたかを”考える”ことで、理解を深めることができる。」
と述べている。
一方、日頃目にしない絵画も紹介されていて興味深かった。
これは、あの「接吻」というきらびやかな絵を残したクリムトが、シューベルトのピアノ演奏の様子を描いているのだが、彼の音楽の美しい旋律が聴こえて来るような良い絵だと思った。

この絵は、惜しくも焼失してしまっているとかで、実物を目にすることはできない。