アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

雨の馬籠宿

2017年09月29日 | ギャラリー

昨年末、藤村の「夜明け前」を読了して以来、物語の舞台となった馬籠・妻籠宿を訪れたいと思っていた。

今回、札幌から郡上八幡を含む1泊2日のツアーがあることを知り便乗させてもらった。

生憎、見学の当日(昨日)は雨模様であったが、当時の面影を残すとされる宿場町の様子や、歴史を示す数々の展示を拝見するに及び、あの壮大な物語が眼前に立ち上がり感激ひとしおであった。

脇本陣跡に設けられた資料館。

当時の通行手形や往来の記録、藤村の書など数々の貴重な資料を拝見した。これは、藤村の「初恋」を佐藤春夫が記した色紙。

すぐ近くには、藤村の記念館もある。

「木曽路はすべて山の中である」に始まる「夜明け前」の原稿(同記念館のパンフから)

街道の中津川寄りの急坂の手前に、藤村の生地とされる建物もあった。

蛇足:藤村の「若菜集」から

初恋

 まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)
 林檎(りんご)のもとに見えしとき
 前にさしたる花櫛(はなぐし)
 花ある君と思ひけり

 やさしく白き手をのべて
 林檎をわれにあたへしは
 薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)
 人こひ初(そ)めしはじめなり

 わがこゝろなきためいきの
 その髪の毛にかゝるとき
 たのしき恋の盃(さかづき)
 君が情(なさけ)に酌(く)みしかな

 林檎畑の樹(こ)の下に
 おのづからなる細道(ほそみち)
 誰(た)が踏みそめしかたみぞと
 問ひたまふこそこひしけれ

以上、ネットから拝借しました。

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