静岡県コンベンションアーツセンターで6月4日午後に開催された自主シンポジウム「セクシュアルマイノリティの家族関係――同性愛者と家族」にシンポジストとして、レズビアンの娘と両親である私たちの3人で参加した。
LGBTの視点から家族というものを捉え直し、家族臨床の中の一つのジャンルとして可視化するとともに、家族療法家が誰でも取り扱う「性」や「性のありよう」の一つとして理解を深めたいとのことで企画された。日常的に接することの少ないレズビアン当事者と家族の生の声を聞きたいとの要請であった。
カミングアウトされたときの親や家族の気持ちとその後の変化、親戚等の反応や対応、レズビアン二人の家庭生活と双方の両親の接し方等々、中身の濃い話し合いが続いた。またつなぐ会で出会う種々の家族の様子にも興味深げであった。
参加者は10人と少なかったけれど、九州から、北海道からと、遠方の方の参加もあった。学会会長である精神科専門の初参加もあり、「セクシュアルマイノリティ専門の臨床心理士が必要。今後の活躍を」との励ましの言葉もうれしい自主シンポだった。
尾辻孝子