LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

青少年育成協議会が講演会!

2008年08月24日 | Weblog
またまたご紹介したいお話があります。

みなさんは青少年育成協議会ってご存知でしょうか?地域によって名称は異なるかもしれませんが・・神戸ではよく「こども110番――青少年を守る店・家」という旗を出しているところがありますが、それを推進しているところです。そこで育成委員をしているというある女性、一人の青年からのカミングアウトを受けて何かできることはないかと孤軍奮闘され、9月に育成協議会主催の講演会を開催することになりました。講師は尾辻かな子さん、「つなぐ会」の親からもお話をさせていただくことになりました。彼女をはじめ、協議会のメンバーや支部長さんも近隣の小・中学校の先生方やPTA、地域の育成委員、他の支部にも精力的に呼びかけてくださっています。

彼女が最初に協議会に出したという提案書を読んで、私はすごく感動しました。どうしてここまで・・?と聞くと、自分も子育てをし、PTAなどの活動にも積極的に関わってきた中で、いじめや登校拒否、突然の引越しなど、今思えば心当たりがたくさんあると彼女は話してくれました。違いを認め合うことがどれほど大切か。これはみんなが知らなければならない大切なことだと思うと。

私も以前PTAの委員をしたこともありましたが、ほんとうに必要なの??と思われるような形だけの行事をこなしていることが多いものです。またPTAといっても「P」だけ、つまり親だけの活動になっているのがなぜだろうといつも気になっていました。親も先生も、そして地域も一緒になって子どもを育てる環境を整えていかなければ、教育の抱える問題を解決することはできないだろうと思います。今回のような講演会や学習会が是非広がっていってほしいものです。

先日ご紹介した河南高校の文化祭が繁内さんのカミングアウトから始まったように、これも一人の青年のカミングアウトから始まりました。それが一人の女性の心を動かし、支部長を動かし、協議会を動かして、講演会の実現につながった。一人の声がここまで広がっていくのですね。

彼女が協議会に出した提案書の一部をご紹介します。この提案書が通り、講演会が実現の運びとなりました。是非読んでみてください。

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~講演会のねらい~

 どうすれば地域社会が青少年の健全育成に有効に関われるか(中略)子どもを取り巻く環境が悪化する一方であることについて、われわれ大人の責任も大きいものがあると考えると恐ろしくもあり、何か行動を起こさねばと焦る思いを持つのは私一人ではないと思うのです。その意味からも、今年度より育成委員の意識と知識の向上を目的とする勉強会(講演会)を開催していきたいと思います。(中略) 
第1回目として、昨今マスコミやTVドラマで取り上げられている『LGBT=性的な少数者』の存在とその抱える問題について正しく知り理解することを学びたいと思います。

~人権問題として捉えて~

 私自身が、ある青年からの『カミングアウト=性的指向などを打ち明けること』を通し、こんなことがあるのかと衝撃を受けました。この青年は「自分は同性愛者であるが、肉親にも打ち明けられず悶々と悩む思春期を過ごした。その苦しさと自己を否定したい思いから自殺も考えた」等々語ってくれましたが、この青年を知る者の一人としてそれはただ驚くばかりの内容でした。

青年はこの地域の小・中学校の卒業生でありごくごく普通の好青年、まさかそんなことと思いつつ話を聞く中で、実はこの問題の悲しさは「ありのままの自分」を表現すれば、それまで一番自分を護り慈しんでくれた存在(例えば親兄弟)に拒絶されるだろう、いや、反対に苦しめることになるだろうという恐怖に苛まれ続け、結果的に隠し続けるしか道がないと諦めてしまうことだと知りました。それゆえ当事者は自分を偽り続ける苦しさから逃れれば遂には自殺となってしまい、向き合えばいわれ無き差別と闘うことになる・・。多数派でなければ異常者(変人)として排除してしまう現代社会の問題と根は同じではないかと考えます。いじめを受けてということなら、安全地帯である我が家に帰れば一応は護られるのですが、LGBTの当事者たちは行き場が無く孤独に苛まれてしまうのです。ネットで知り合った者同士の自殺、子どもたちの理由なき(ように見える)自殺・・などもじつはそうであったかもしれません。まわりの大人がこのことを知っていれば・・決して異常でもなんでもなく統計的ににも6%(クラスに1~2人)ともいわれる確率でLGBTが存在すること、そんな自分を卑下したり、恥ずかしがったりしなくていいこと、親の育て方が悪かったのでもなんでもないこと、それは「個性」の一部なんだ」ということを知っていれば、彼らを護ってあげられるのではないでしょうか。

LGBT、のみならず、あらゆる少数派に対する偏見や差別をなくすために、またどのような人も自分らしく安心して生きられるほんとうの豊かな社会を目指し、私たちが一歩歩めば確実に社会は変えていけると確信しています。



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