天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

桂米朝『【上方落語】米朝コレクション』

2007-10-14 23:02:59 | 
全8巻あるので読んだら次を買う、読んだら次を買う、としていましたが残り3巻となったのでまとめ買いをしました。ちくま文庫、大きな本屋では扱いあってもこの本があるとは限りませんので。
本来なら全部読んでから感想を書け、とは分かっているのですが揃えたことに満足+「犬の目」を覚えなあかん+組会に出す小説書かなあかん、と課題が多く読了のペースが落ちそうなのです。
上方落語の研究家でもある米朝さんの解説がついた落語の数々。全8巻は伊達ではなく、体系的な資料にもなる内容。解説なんかを読んでいると昔話研究に通じるところがあって興味深いです。
落語は本来演じるのを見て想像をふくらませるものなので、活字からのイメージはまた違うのかも知れませんが、それはそれで仕草が見えないのは気になりません。
ただし、「犬の目」だけは自分がやるにあたって仕草が分からない不安にかられていますけど。

落語として気になるものはもちろんですが、お話として好きなのは「まめだ」(1巻)。これは、近年の創作落語だそうですが切ないお話。貝殻に塗り薬を入れたのを売っていたある一家、ある日息子が夜道を帰ってるとたぬきに騙され、腹をたてたぬきを投げ飛ばします。
翌日からその一家にこどもが薬を買いに来ますが、その子が買いにきた後には一銭が落ち葉に変わってしまいます。それが数日続きますが、ある日ぱったり来なくなり近くのお寺でたねきの死体が見つかります。そのたぬきは体中にたくさん貝殻をつけていました。ハタと気付いた薬売りの一家。息子が投げたときに手負いとなったたぬきが毎日薬を買いに来ていたのです。
「あほやなぁ、その薬は貝殻からだして薄くぬらなあかんのに…」お寺の住職と一家がたぬきを葬ると、落ち葉が舞い落ちます。
「ああ、こいつの仲間が香典もってきた」
これが落ちですが、米朝さんも演じておられる時はちょっと涙ぐんだそうです。私は、この噺を聞いたら号泣するかも…。

↓「犬の目」が収録されているのは、こちら。
上方落語 桂米朝コレクション〈2〉奇想天外 (ちくま文庫)
桂 米朝
筑摩書房

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コメント (4)
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