侯孝賢監督作品「黒衣の刺客」
カンヌ映画祭 監督賞受賞作品
台北日記でも書きましたが、かの地ではちょうど公開中でして見ようかどうか迷って結局見なかったのですが、日本公開版はディレクターズカットで世界公開版とは違うらしいので現地でも見てくればよかったなあ、と。短時間に現地にて中国語字幕版と日本で日本語字幕版と見たら自分の理解があってるとこと間違えていたところと分かるし。
[ストーリー]サイトより引用
唐代の中国。13年前に女道士に預けられた隠娘(インニャン/スー・チー)が戻ってくる。両親は涙を流し迎え入れるが、美しく成長した彼女は暗殺者に育て上げられていた。標的は暴君の田季安(ティエン・ジィアン/チェン・チェン)。かつての許婚であった。どうしても田季安に止めを刺すことができず、隠娘は暗殺者として生きてきた自分に情愛があることに戸惑う。「なぜ殺めるのか」と、その運命を自らに問い直す。ある日、窮地に追い込まれた隠娘は、日本人青年(妻夫木聡)に助けられる…。数奇な運命に翻弄される孤独な女刺客を慎み深く描き”アクション”という枠を越えた壮大なドラマがスクリーンに映さだされる。
(引用ここまで)
ネタバレありの感想です。ご注意を。
侯孝賢が武侠もの?と聞いて「へ~」と思っておりました。だいたい、中国語圏の監督って巨匠になったら武侠もの撮りますよね。
(武侠もの=歴史もののアクション映画)
私も武侠ものは好き。もっとも好きなのは黄飛鴻を主人公にした「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズ」リーリンチェイがどんなにかっこよくてロザムンド・クワンがどんなにかわいいか。
まあ、それはいいんですけど、巨匠の撮る武侠ものってだいたい女殺し屋がでてきて昔の恋人と対峙、「愛の為に殺すのか殺されるのか」という展開になるんですよね…。これ、好きじゃなーい。
この物語も昔の許嫁が刺客になる話ではありましたが、私が「黒衣の刺客」で一番良かったと思うのはこの部分でした。<死ぬほど好きだった!>というのがなくてほっとしました。インタビューで侯孝賢が武侠映画ではないと言っていたのはこの部分だと思います。
侯孝賢の映画は説明がない。台詞で説明されるのみ。もちろん、内面が語られることはない。主人公ですらほとんどしゃべらない。なので、理解するのになかなか時間がかかります。だからこそ、背景がつながった時に迫るものの厚さが違うんだと思う。
妻夫木くんの役が遭難した遣唐使とは知らなんだ←劇中では説明されない。
そして…ほとんどしゃべりません!エンドロールも「魔鏡少年」、少年て!
日本公開で分量が増えたのは妻夫木くんのところらしいです。遣唐使の彼と隠娘の間に信頼関係が生まれます。
そのため世界公開版では日本に嫁がいる設定をなかったことにしたらしいです。映画スタッフが彼に想う人がいるなんて隠娘がかわいそうということで。でも、監督自らの意向で日本公開版にはその場面が復活。
隠娘は最後に彼との約束を果たしに帰ってくるんですけど…妻夫木くん、人たらしスゲー。
セリフないんですよ。たんに馬を引っ張ってるだけなのに(しかも遠景)、
すごく純粋に、
あの人ぼく好きなんだ!もちろん、恋愛じゃないよ!友達として大好き!
帰ってキター(≧∇≦)
って目をキラキラさせているのが見えるんですよ!!
なんであんな演技ができるんだ??
しかし、分量からいうと断然チャンチェンの方が多い。
スー・チーの抑えた演技と動きの美しさには目を見張ります。
唐代なのででてくる建物が日本のお寺と同じ形式。
ああ、なるほどね。その頃に中国から来たのか。。。と感心しておりました。
実は日本で撮影されたらしい。
あ、中国には残ってなかったのね。
もろもろのことを起こして今はカラ(落語の一節ですよ)
風や森の様子、霧、自然の中で描かれる人の様、人の情。
印象に残る作品です。
カンヌ映画祭 監督賞受賞作品
台北日記でも書きましたが、かの地ではちょうど公開中でして見ようかどうか迷って結局見なかったのですが、日本公開版はディレクターズカットで世界公開版とは違うらしいので現地でも見てくればよかったなあ、と。短時間に現地にて中国語字幕版と日本で日本語字幕版と見たら自分の理解があってるとこと間違えていたところと分かるし。
[ストーリー]サイトより引用
唐代の中国。13年前に女道士に預けられた隠娘(インニャン/スー・チー)が戻ってくる。両親は涙を流し迎え入れるが、美しく成長した彼女は暗殺者に育て上げられていた。標的は暴君の田季安(ティエン・ジィアン/チェン・チェン)。かつての許婚であった。どうしても田季安に止めを刺すことができず、隠娘は暗殺者として生きてきた自分に情愛があることに戸惑う。「なぜ殺めるのか」と、その運命を自らに問い直す。ある日、窮地に追い込まれた隠娘は、日本人青年(妻夫木聡)に助けられる…。数奇な運命に翻弄される孤独な女刺客を慎み深く描き”アクション”という枠を越えた壮大なドラマがスクリーンに映さだされる。
(引用ここまで)
ネタバレありの感想です。ご注意を。
侯孝賢が武侠もの?と聞いて「へ~」と思っておりました。だいたい、中国語圏の監督って巨匠になったら武侠もの撮りますよね。
(武侠もの=歴史もののアクション映画)
私も武侠ものは好き。もっとも好きなのは黄飛鴻を主人公にした「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズ」リーリンチェイがどんなにかっこよくてロザムンド・クワンがどんなにかわいいか。
まあ、それはいいんですけど、巨匠の撮る武侠ものってだいたい女殺し屋がでてきて昔の恋人と対峙、「愛の為に殺すのか殺されるのか」という展開になるんですよね…。これ、好きじゃなーい。
この物語も昔の許嫁が刺客になる話ではありましたが、私が「黒衣の刺客」で一番良かったと思うのはこの部分でした。<死ぬほど好きだった!>というのがなくてほっとしました。インタビューで侯孝賢が武侠映画ではないと言っていたのはこの部分だと思います。
侯孝賢の映画は説明がない。台詞で説明されるのみ。もちろん、内面が語られることはない。主人公ですらほとんどしゃべらない。なので、理解するのになかなか時間がかかります。だからこそ、背景がつながった時に迫るものの厚さが違うんだと思う。
妻夫木くんの役が遭難した遣唐使とは知らなんだ←劇中では説明されない。
そして…ほとんどしゃべりません!エンドロールも「魔鏡少年」、少年て!
日本公開で分量が増えたのは妻夫木くんのところらしいです。遣唐使の彼と隠娘の間に信頼関係が生まれます。
そのため世界公開版では日本に嫁がいる設定をなかったことにしたらしいです。映画スタッフが彼に想う人がいるなんて隠娘がかわいそうということで。でも、監督自らの意向で日本公開版にはその場面が復活。
隠娘は最後に彼との約束を果たしに帰ってくるんですけど…妻夫木くん、人たらしスゲー。
セリフないんですよ。たんに馬を引っ張ってるだけなのに(しかも遠景)、
すごく純粋に、
あの人ぼく好きなんだ!もちろん、恋愛じゃないよ!友達として大好き!
帰ってキター(≧∇≦)
って目をキラキラさせているのが見えるんですよ!!
なんであんな演技ができるんだ??
しかし、分量からいうと断然チャンチェンの方が多い。
スー・チーの抑えた演技と動きの美しさには目を見張ります。
唐代なのででてくる建物が日本のお寺と同じ形式。
ああ、なるほどね。その頃に中国から来たのか。。。と感心しておりました。
実は日本で撮影されたらしい。
あ、中国には残ってなかったのね。
もろもろのことを起こして今はカラ(落語の一節ですよ)
風や森の様子、霧、自然の中で描かれる人の様、人の情。
印象に残る作品です。