第2部 午後4時開演
面売り めんうり
近頃河原の達引 ちかごろかわらのたてひき
四条河原の段/堀川猿廻しの段
壇浦兜軍記 だんのうらかぶとぐんき
阿古屋琴責の段
さて、二部です。
まずは、やはりお正月らしい華やかで笑いもある「面売り」から。
お人形がお面をかぶり、あれこれとコントを。こういう滑稽な演目の三味線が耳について離れません。
「近頃河原達引」は、落語「堀川」でパロディもされている猿回しの兄いがでてくるお話です。
遊女おしゅんは男が自分のことがきっかけで悪人を殺してお尋ね者になってしまったことから実家に返されています。母は盲目で子どもに三味線を教え、兄は猿回し。貧しい生活ながら明るい兄の与次郎、猿たちが母や妹を気遣って生活しています。
与次郎は母思い、妹思い。妹のためにならないからとお尋ね者になっている男への“退り状”を書かせます。兄は文盲、母親は目が見えないために手紙の文章が読めません。実は男と心中する旨、おしゅんは書いているのです。
お猿さんがかわいい!動くたびに会場ほっこり。兄が妹たちの気持ちを知って二人を送り出すために猿回しを披露するのですが、明るい内容ながら二人が死を決意していることを考えると切ない。母親と兄は「生き延びて」と二人を送り出すのです。
堀川の段は、住大夫さんと英大夫さん。胸に堪えました。
送り出すところで終わりますが、この先は罪が晴れるようですよ。
「壇浦兜軍記」阿古屋琴責の段。もし、文楽見たことがない方に幕見でひとつだけ見たいねんけど、と相談されたら迷いなくこの演目を進めます!
お話は傾城阿古屋は平家の侍大将の想い人と知られていたため行方を吐かせるために拷問にかけられることになります。
その拷問とは!とは!
ザ☆演奏自慢
いやいや、そうではなくて阿古屋の得意な楽器を弾かせて心の乱れがない=行方をほんまに知らないんか?というのを判断するということに。
それって、つまりウソ発見器?
阿古屋さん、まず琴から。
床では寛太郎さんが阿古屋。
すごい、すごいです。寛太郎さんの琴の音と舞台の阿古屋の動きがシンクロしています。
ん?んん?
…舞台からも琴の音が聞こえる。
人形も琴を弾いてる!恐ろしい子っ(白目)
あ、そうそう阿古屋の人形は三人とも出遣い(顔を出していること:私は出遣いが好き)。
とっても珍しいのですが、これはこの阿古屋の芸によるものだと思われる。
それくらい難しいことなんじゃないかと。
次に三味線。
難なくこなす阿古屋さん。
ちなみに歌舞伎では玉三郎さんしか阿古屋をできないそうですよ。三つの楽器を弾きこなせるのが玉様だけらしい。
最後が胡弓。
もちろん、床担は寛太郎さん。
ひぇええええええ!琴、三味線に増してのシンクロ!トリハダ!トリハダもんです!
主遣いは勘十郎さんだったんですが、左遣いは一輔さん。
寛太郎さんが胡弓を傾けるのと同じタイミングで一輔さんが胡弓を傾けます。
おんなじなんです、おんなじ。おんなじなんですよーーーーーーーー!!!
芝居じゃなくて音曲だけなら寝ちゃうかもって一瞬思った自分を叩き切ってやりたい!
あほ!
この感動をみなさんに味わって頂きたい!!!
ぜひぜひ、文楽劇場に足を運んでくださいませ!
26日までの公演です(15日は休演)。