第1部 午前11時開演
二人禿 ににんかむろ
源平布引滝 げんぺいぬのびきのたき
九郎助住家の段
傾城恋飛脚 けいせいこいびきゃく
新口村の段
何年か文楽に通うと演目が二巡目に行く、と読んだことがあったのですが、どうやらそれは三年目からのようです。
「二人禿」かわいい禿がお正月の遊びをする華やかな小品です。
女の人の文楽人形は足がないんですが、こんなのや二部の「面売り」なんかの元気な女の子は足があるんですな。
「源平布引滝」正月なのに…、首が飛ぶ飛ぶ、首が飛ぶ。キャー、スプラッタ!
なんで正月にこの話と思ったら、お馬さんが出てくるから?
源氏と平家から派生した話で、どんでん、どんでん返しが続きます。えええっ、そんなバカな?!しかも、子どもと母様の話も切なくてね~。
お子ちゃまが母様の敵を討つのですが、刃物を脇にさして
ゑぐり くるくる
痛い!痛いよ!そして、子どもにしてこのヒットマンぶりはすさまじい。
最後はお子ちゃまがじいが引く木馬に乗って勇ましく。
文楽らしいお話ちゃあそうだな。
「傾城恋飛脚」
もう一つ文楽らしい話と言えば、心中に向かう男女を描く話。
演目に“恋”とあると、ウキウキワクワク…ラブ☆って感じですが文楽の恋愛もの定番<心中もの>
私は心中ものは見たくないしなあー、と文楽公演に行かなかったこともあるんですが、気持ちを改めました。やっぱり長く伝わるものには何かある。死ぬことにしか向くことができない環境の中で描かれる「情」ってのは、今も共通だなあと思います。
ひと目会いたいとお父さんに会いに行って、紆余曲折の末死出の旅路のまえに最後の親子の対面。はああ、苦しい。
はっ、いけない。もっと、文楽を宣伝せねば。
こんな苦しい、緊張感のある場面なのに滑稽な場面を盛り込んでくるのが文楽。
これは現場に行って見ていただかなくては伝わらない!←丸なげっ