須賀敦子さんの文章の中に登場するZattere(ザッテレ)。
彼女の足跡を感じたくて来てみたのでした。
運河が入り組んで、影の多いアカデミアのむこうに比べ、
こちらは あくまでも明るいVenezia。
少し横幅のある道のすぐむこうに見える海に向かって
気持ちが、自分の足を 追い越していきます。
辿りつくと、そこはまだジューデッカ島が見えるジューデッカ運河です。
でも、私には 大きな海のようでした。
肩の力が 抜けていくような、不思議な開放感。
太陽を好きなだけ浴びて、乾いている石畳は白く眩しいくらいです。
ホテルのバルコニーから見えた大きな船はこの運河を通るのですね。
その流れに逆らって、私は進みます。
対岸の白い教会 レデントーレを見たくて。
この日の三月の風は優しくて、
運河が交わるそのずっと先まで、行けるような気がしました。
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