雨の一日だった先日、運動ができないので暇つぶしに近所の映画館へ出掛けた。ネットで事前にチェックしたが差して面白そうなものは無く、どうせなら非日常的なものがいいかなと、「65(シックスティ・ファイブ)」という宇宙スペクタクル映画を観る事にした。
ネタばれさせても何だからストーリーを手短に言うと、ソマリス星人ミルズが操縦する宇宙船が小惑星帯で衝突し、損傷した宇宙船はある星へ墜落した。そこは6500万年前の地球で恐竜が全盛期を迎える時代だった。(映画の題名「65」は、前記の6500万年前からきているようです)
ミルズはもう一人の生存者であるコナという少女と、別の場所へ墜落した脱出用ロケットを探し求める。二人の行く手には恐竜の襲撃など幾多の困難が立ち塞がるが、最後は脱出用ロケットに辿り着き地球から離脱する事に成功する。
二人が地球を離れた直後、巨大隕石が地球に衝突し、破滅的な爆発を起こしてその時代を生きる恐竜を全滅させた。眼下に広がる大爆発に彼らは危機一髪を脱した事を知るのだった。
というような宇宙と恐竜時代をミックスした壮大な物語りだったんですが・・・見終えた印象は何だか中身の薄っぺらい映画だったなという感じです。
そう思う要因の一つは登場人物の少なさ、主人公のミゲルの他には彼の妻と、娘、そしてもう一人の生存者少女コアのたった4人だけしか登場せず、後はCGの恐竜達や落下する隕石群がスクリーンを賑わすばかりです。そして1時間40分の映像は絶え間ない困難シーンばかりが続き、物語の展開に変化とメリハリが無い・・・そんなところが気に入らなかった理由です。
まあケチばかり付けても何なので、印象深かったのは最後の巨大隕石衝突シーンだろうか。これは実際に6500万年前の地球上に起こった出来事で、直径10キロの隕石(小惑星)がメキシコのユカタン半島に落下して、その衝撃で地上の生物の約75%が絶滅した。
6500万年前に起きた事が、未来の地球で起きぬという保障は無い。もし現代にこの出来事が再現されれば、人類は成す術も無く死のカウントダウンを待つしかない。それを警鐘するというところに、この映画の狙いと価値があるのかも知れない。
・・「隕石が、落下で映画ジ・エンド」・・