Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

映画「大いなる不在」を観て、高齢者の認知症問題を考える。

2024年07月28日 | 映画・コンサート

 私は九州出身なので北九州市は馴染みの深い街ですが、そこを舞台にした「大いなる不在」という映画が幾つかの国際映画祭で賞を獲り高い評価を受けたと聞いたので、上映されている池袋駅西口の「シネ・リーブル池袋」へ妻と二人で観に出掛けた。

池袋のシネ・リーブル池袋

 映画の主人公の卓(森山未来)は、役者として活躍しているが、幼い頃に両親が離婚してそれ以来実の父親とは疎遠の仲だった。

 その父親、陽二(藤竜也)が事件を起こしたとの報を受け、父の住む北九州市へと向かう。25年ぶりに再会した父は過って大学教授だった頃のかくしゃくとした面影は薄れ、認知症を患う弱々しい老人に変わっていた。

 そして父の再婚相手だった女性も姿を消して行方が分からなくなっていた。父の家に残された数々の手掛りから、今まで知る事の無かった父の辿った人生がおぼろげに見えてくる。

 卓は父の再婚相手だった女性の行方を求めて熊本県まで会いに行くが、面会を断られる。女性に会えぬまま帰りの列車を待つシーンでジ・エンドとなる。認知症という重い社会問題をテーマにしたこの映画は、主演の森山未来さんや父親役の藤竜也さんが凄いというか秀逸の演技で、ドラマと言うより生々しい実話を見ているような気持ちになりました。

 65歳以上の高齢者四人に一人が認知症になるという現代の日本、我々夫婦もドップリその領域におり他人事ではない。そういう意味でも深く考えさせられました。それにしても森山未来さんと藤竜也さんの演技は素晴らしく、評判通りの秀作でした。

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NHK公開番組の「東京落語会」を観覧する。

2024年07月08日 | 映画・コンサート

 7月5日(金)

 コロナ過で途絶えていたNHKの公開収録番組の募集が、最近になって再び行われるようになった。NHKホームページのイベント情報を覗いてみたら、「東京落語会」という収録番組の募集があったので冷やかし半分に応募してみた。

 それを忘れかけてた頃、NHKから応募当選のハガキが我が家に届けられた。落語好きというほどでもないが生の舞台を観るのは久しぶり、興味津々で番組収録の当日、会場の昭島市フォスター市民ホールへ車を走らせた。

昭島市フォスター市民ホール

 開場時間の午後5時過ぎに、市民ホールへ到着した。既に長い列ができていたが、さほど待つ事も無く冷房の効いた会場内へ入場する事ができた。少々古びているが市民ホールは大きく立派な建物で、早い者勝ちの自由席だったけれど、わりと良い席に座る事ができた。

盛況の観客席

 開演前、NHKの番組担当者から収録中の注意事項があり、その後昭島市長の挨拶があった。市長さんは喋りに自信がありそうでコメディアン風の話しぶり、最後のオチで「落語バンザイ、昭島市バンザイ、皆さんご唱和を」と言われたけれど、「何で縁もゆかりも無い昭島市の為に万歳せないかんのじゃ」と私と妻はシカトした。

 番組担当者の話によれば、今日の収録は後日NHK教育テレビ「日本の話芸」で古典落語として放送されるらしい。主な主演者は「五街道雲助」、「三遊亭兼好」、「三遊亭遊馬」という3名の噺家さん、テレビじゃあまり馴染みのない顔ぶれだが、皆さん如何にも話芸のヴェテランという雰囲気です。

 古典落語なので、いずれも落語も舞台は江戸時代の長屋横丁、熊さん、八さんが登場する人情話です。今風のお笑いとは随分異なるが、お三方とも巧みな話芸でそれなりに面白可笑しく聴き入る事ができました。

 しかし「長屋」何てものは、今じゃ殆ど見る事の無い絶滅危惧建物、我々団塊世代は辛うじて認識しているけれど、若い世代に人情長屋話が理解できるのだろうかと他人事ながら少々心配だった。

 でも会場ではホドホドに笑いが絶える事は無く、観客の皆さんそれなりに楽しんでいるようで、私の心配は杞憂だったようです。そんな中番組中で一番受けたのは、「私、初めて昭島市へお邪魔したのですが、水は美味しくて街並みは整然として綺麗、本当に良い街ですねぇ。唯一問題があるとすれば、市長さん・・・ですかね。」と雲助師匠が話した前口上、この時観客席は大爆笑に包まれた。

 NHK公開収録番組は無料で貴重な観覧ができるので、これからも頻繁にNHKホームページのイベント情報をチェックして応募しようと思います。運が良けりゃこの不細工な顔が、全国放送でテレビ画面に映し出される事があるかも知れませんしね。

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米国映画「オッペンハイマー」は、少々難解だが見応えある映画です。

2024年04月06日 | 映画・コンサート

 アカデミー賞で七冠を達成した話題の映画「オッペンハイマー」が封切されたので、さっそく最寄りの映画館へ観に出掛けた。オッペンハイマーはご存じのとおり広島、長崎へ投下した原爆の開発をした物理学者で、ある意味日本人にとっては宿敵のような存在です。

 映画は彼のサクセスストーリーを描いたものかと思ったが、そんな簡単な筋書ではなかった。主人公のオッペンハイマーは戦前に共産主義者との関りを持ち、米国政府の期待と嫌疑の狭間で、原爆製造の責任者として開発を進めていく。

 戦争末期、米国はドイツやソ連との開発競争に勝ち、人類で初めて原爆を完成させる。そして原爆の比類なき威力で、最後まで戦う日本を降伏させ戦争は終結する。しかしオッペンハイマーが作った原爆は、その後の核兵器開発競争へと繋がり、全人類を数十回皆殺しにできるほど核兵器が存在する恐怖の世界へ変わった。

 戦争終結のヒーローとなったオッペンハイマーだったが、共産主義との関りから査問委員会で追及され、核開発の研究にも非協力的だった為その後の人生は冷遇される。

 映画の中で圧巻は、人類最初の原爆「トリニティ」が核爆発を起こすシーンで、その恐るべき爆発力に圧倒される。本来の核心であるべき広島、長崎への原爆投下シーンを省いたのは、日本への配慮があったからだろうか。「原爆で戦争を早く終結させれば、より多くの人命が救われる」という米国大統領の言葉が、日本人として複雑な思いにとらわれる。

 映画の展開がやや難解で理解し難い場面もあったが、終始緊迫感に満ちた見応えある映画でした。しかし3時間の長編なので、最後の方は尿意に耐えながら観た。頻尿の方は直前に済ませてから、この映画をご観覧ください。

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「Perfect Days」は心に滲みる映画でした。

2024年01月19日 | 映画・コンサート

 ドイツ人のビム・ベンダースが監督し役所広司が主演の「Perfect Days」は、久々に観たい映画だった。「ららぽーと富士見」のTOHOシネマで上映していると聞いたので、ネットで予約して妻と二人でさっそく観に出掛けた。

 映画の主人公の平山(役所広司は、都内の公衆トイレ清掃員として働いている。一人暮らし寡黙な彼の暮らしは単調だ。安アパートで目を覚まし歯を磨き植木に水をやった後、軽トラックでアパートを出る。

 一日中トイレの清掃に精を出し、仕事を終えると駅地下の安食堂で一杯飲みつつ夕食を摂る。その後街の浴場で仕事の汗を流し、アパートへ戻ると就寝前の読書が彼の唯一の楽しみ、そして床に就く。

 平山は毎日こんな生活の繰り返しで、盛り上がりも無く物語としてはちっとも面白く無い。だけど映画を観ていると、何故だか心が惹きつけられる。それは役所広司の演技力のせいなのか、それともビム・ベンダース監督の演出力のせいなのか、そこんとこはよく分らない。

 又映画の舞台となる都内の公衆トイレも、それぞれ個性的なデザインでユニーク造りが面白い。ひょっとしてドイツ人の監督はこれらのトイレに魅せられてこの映画を作ろうと思ったのだろうか?

 淡々と描かれるこの映画は、主演の役所広司無くして成立しなかったのではと思うほど、内から滲み出る彼の演技は素晴らしかった。カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したのも当然の事と思えた。

 厳しい環境の中で小さな自然の芽生えや暖かな朝陽の輝きに喜びを見出す禅修行者のような彼の暮らしぶりを、「Perfect Days」という映画の題名にしたのだろうか。味わい深く心にジンと滲みる映画でした。

 

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山田洋二監督の最新作「こんにちは母さん」は人情味溢れる映画です。

2023年09月11日 | 映画・コンサート

 9月8日(金)

 関東平野に台風13号が近づく今日は朝から雨だったので、暇つぶしに近所の映画館へ出掛けた。観たのは久々の山田洋二監督作品「こんにちは母さん」という映画、御年91歳になる山田洋二監督の遺作になるかも知れぬと少し気に掛かっていたのです。

 映画の舞台は東京下町、母と息子を中心にした家族の物語です。下町向島で足袋職人の息子として生まれた昭夫(大泉洋)は一流企業の人事部長を務めるエリートサラリーマンだが、会社のリストラや妻との離婚問題で悩み多き日々を過ごしている。

 一方母親の福江(吉永小百合)は足袋職人の夫を亡くし、染み慣れた向島の我が家で気ままな一人暮らしに勤しみ、ホームレスを支援するボランティア活動に生きがいを見つけている。そんな母と息子が家族や周囲の人々を巻き込んで繰り広げる、山田洋二監督お得意の笑いと涙の人情物語りです。

 主演の息子役大泉洋さんは、コミカルで気負わぬ演技がとてもはまり役でした。その娘役の永野芽郁さんもキュートでチョット生意気な演技がとても良かったです。

 母親役の吉永小百合さんは60年以上前に上映された映画「キューポラのある町」以来、ずっと見続けてきた素敵な女優さんで、80歳間近になる今も変わらぬ美貌で、小百合オーラは健在です。

 それ故彼女の「下町の母ちゃん」役には、ちょっと違和感があった。下町の向島にあんな綺麗な母ちゃんは居てへんやろー。主演の大泉洋さんも「吉永小百合さんが僕の母は無理がある」と言ってるぐらいです。

 下町の母ちゃん役と言えば「寅さん映画のオバちゃん役だった三崎千恵子さん」か、「家政婦は見たの、市原悦子さん」辺りが適役だが残念ながらお二人共既に故人・・だったら最近老け役似合ってきた倍賞千恵子さん何かでも良かったかも知れません。

 というような不満はあったけれど、山田洋二監督定番の善男善女が繰り広げる人情味溢れる映画は、観る者をいつもホンノリ幸せな気分にしてくれます。山田洋二監督がお元気なら、この映画もシリーズ化して欲しいものです。

    ・・「サユリスト、なって彼此50年」・・

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宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」を観てきました。

2023年07月27日 | 映画・コンサート

 宮崎駿監督の最新作アニメ映画「君たちはどう生きるか」が封切されたので、さっそく映画館へ出掛けた。予告編が無かったので、どんな映画なのか全く予備知識の無いままに映画が始まった。

 映画の舞台は戦争下の日本で、空襲から逃れる為に母の実家がある田舎に避難した少年「真人」が映画の主人公。真人が異次元の摩訶不思議な世界へ迷い込み、様々な困難を乗り越えて再び現実の世界へ舞い戻ってくるまでのストーリーです。

 観終えた後の感想は、「物語りの展開が目まぐるしくて、何を作品は訴えているのか、又主題とどう繋がりがあるのかよく分らぬままに終わった」私の理解力を超えた映画でした。でもリアルとファンタジーが織りなす映像は美しく、2時間の上映時間がアッと言う間に過ぎて面白く観る事ができました。

 ジブリ作品は、日本映画界の宝です。宮崎駿監督にはまだまだ頑張って良い映画造りに挑戦して頂きたいものです。

     ・・「炎天下、猛暑逃れて映画館」・・

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宇宙スペクタクル映画「65」は、巨大隕石落下の危機を警鐘しているのだろうか?

2023年06月05日 | 映画・コンサート

 雨の一日だった先日、運動ができないので暇つぶしに近所の映画館へ出掛けた。ネットで事前にチェックしたが差して面白そうなものは無く、どうせなら非日常的なものがいいかなと、「65(シックスティ・ファイブ)」という宇宙スペクタクル映画を観る事にした。

 ネタばれさせても何だからストーリーを手短に言うと、ソマリス星人ミルズが操縦する宇宙船が小惑星帯で衝突し、損傷した宇宙船はある星へ墜落した。そこは6500万年前の地球で恐竜が全盛期を迎える時代だった。(映画の題名「65」は、前記の6500万年前からきているようです)

 ミルズはもう一人の生存者であるコナという少女と、別の場所へ墜落した脱出用ロケットを探し求める。二人の行く手には恐竜の襲撃など幾多の困難が立ち塞がるが、最後は脱出用ロケットに辿り着き地球から離脱する事に成功する。

 二人が地球を離れた直後、巨大隕石が地球に衝突し、破滅的な爆発を起こしてその時代を生きる恐竜を全滅させた。眼下に広がる大爆発に彼らは危機一髪を脱した事を知るのだった。

 というような宇宙と恐竜時代をミックスした壮大な物語りだったんですが・・・見終えた印象は何だか中身の薄っぺらい映画だったなという感じです。  

 そう思う要因の一つは登場人物の少なさ、主人公のミゲルの他には彼の妻と、娘、そしてもう一人の生存者少女コアのたった4人だけしか登場せず、後はCGの恐竜達や落下する隕石群がスクリーンを賑わすばかりです。そして1時間40分の映像は絶え間ない困難シーンばかりが続き、物語の展開に変化とメリハリが無い・・・そんなところが気に入らなかった理由です。

 まあケチばかり付けても何なので、印象深かったのは最後の巨大隕石衝突シーンだろうか。これは実際に6500万年前の地球上に起こった出来事で、直径10キロの隕石(小惑星)がメキシコのユカタン半島に落下して、その衝撃で地上の生物の約75%が絶滅した。

 6500万年前に起きた事が、未来の地球で起きぬという保障は無い。もし現代にこの出来事が再現されれば、人類は成す術も無く死のカウントダウンを待つしかない。それを警鐘するというところに、この映画の狙いと価値があるのかも知れない。

             ・・「隕石が、落下で映画ジ・エンド」・・

 

 

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黒澤明監督原作の英国映画「生きるLIVING」は、期待通りの感動作でした。

2023年04月08日 | 映画・コンサート

 黒澤明監督の映画「生きる」をリメイクした、英国映画「生きるLIVING」が公開された。久々に観たいと思う映画がやって来たので、映画館へ足を運んだ。黒澤監督の「生きる」は遠い昔に観た記憶はあるが、印象に残っているのは志村喬演じる主人公が雪の公園でブランコに乗って死を迎えるラストシーンです。

 そのリメイク版として製作された英国映画「生きるLIVING」は、英国在住のノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏が脚本を書いた事でも話題を呼んでいます。

 ストーリーは原作と差して変わらず、「無気力な日々を過ごしていた市役所の市民課長が、末期ガンで余命宣告を受け自分の死期を悟った事を切っ掛けに、市民から要望のあった子供公園建設に立ち上がる姿を描いています。

 縦割り組織で何でもたらい回しの役所では、計画は遅々として進まない。しかし主人公の執念が実を結び、ジリジリと事は進んで遂に念願だった子供公園が完成する。人生の最後に初めて「生きる」証を己のものとした主人公は、ある雪の降る夜に完成した公園のブランコに揺られながら静かに生涯を終える」

 映画の舞台が日本の地方都市と大都市ロンドン、主人公も小柄で猫背な日本人とスラリとした長身の英国紳士など異なっており、その辺で映画の雰囲気も違っているように感じられた。

 でも融通の利かないお役所仕事や、余分な事をしない役人根性などは日本も英国も大同小異で、その中で信念を貫く主人公の姿には心打たれます。そして公園のブランコに揺られながら、唄を口ずさむラストシーンには感動を覚えます。人生の終末期を迎えた我が身にとっても、「生きるとは何か」考えさせられる映画でした。

・・「生きる道、一人一人のドラマ有り」・・

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ガラにも無く、NHKホールでクラシック音楽を聞く

2023年03月27日 | 映画・コンサート

 3月22日(木)

 

 コロナ過が沈静化してNHKのイベント公開が再開したので、ネットから幾つか募集中の公開番組を申し込んだら、「リサイタル・パッシング」という音楽番組が当選した。この番組はNHK―FMラジオでクラシック音楽を放送しており、私の趣味では無かったが妻は大喜びだった。

 番組公開の当日、NHKホール最寄り駅の原宿で下車したが、開演まで時間がだいぶあったので代々木公園へ立ち寄ってみた。夕暮れ時の公園内は桜見物の人々で、異常なほどの賑わいだった。

代々木公園の桜(左前の外人男性の脚はストッキングを履いてるのかと思ったら入れ墨だった)

 コロナ過の自粛も終わり、桜の下のアチコチで花見見物の人達が野宴を楽しんでいる。そんな園内をブラブラ歩いていたら、「日本航空機始之地」という記念碑を見つけた。そう言えば昔ここには代々木練兵場があり、徳川大尉という人が日本で初めて飛行機を飛ばした場所だったんだと薄い記憶が蘇った。

日本航空機始之地の記念碑

 公園からNHKホールへ向かったが、まだ時間が早い。その付近を散策していると、名前は知らないが何処かの女子アイドルグループが、撮影を兼ねた路上パフォーマンスをやっていた。

名も知らぬ女性アイドルグループの路上パフォーマンス

 更にNHKホールの向いにある第2代々木体育館を柵越しに覗いてみたら、卓球大会が開催されているようで、控室で談笑している女子トップ選手の「早田ひなちゃん」や「伊藤美馬ちゃん」の姿を垣間見る事ができて、得した気分になった。

 さて開演時間となりNHKホールへ向かう。以前は受付で座席を指定されていたが、コロナ過後の今は当選葉書に座席番号が記入されているので、長い列に並ぶ事も無く、スンナリ入場する事ができた。

NHKホール入口

 今夜は「東 亮汰」、「尾張拓登」、「山田百合恵」という若手バイオリン奏者3名がゲストで、ピアニストの「金子三勇士」が司会だった。司会の彼はピアノだけで無く、BTSも真っ青なイケメンでトークも柔らかな口調で抜群です。いずれも私には無いものばかりで、同じ人間なのにどうしてこんなに違うのかと天にクレームをつけたくなった。

 三人のバイオリン奏者は今年4月からEテレ放送でスタートするアニメ番組「青のオーケストラ」に音楽担当で出演するので、番組はその宣伝を兼ねているようです。(NHKの常とう手段)

 クラシック音楽は「馬の耳に念仏」&「豚に真珠」の私は、途中で睡魔に襲われるのではと危ぶんでいたが、イケメン司会者の軽妙なトークに乗せられて約2時間余の音楽コンサートを意外と楽しむ事ができました。

金子三勇士さんのピアノ演奏(本当は撮っちゃいけないんだけど、皆撮ってたから)

 コンサートを終えてNHKホールを出たのが午後9時半過ぎ、途中電車のトラブルなどもあり我が家へたどり着いたのは午後11時半を過ぎていた。久々の都内は楽しくもあったけど、精神的にはグッタリ疲れました。

 今日公開収録された「リサイタル・パッシオ」は、NHKラジオFM東京で4月9日(日)午後8時20分~55分に放送されるようです。私も拍手だけの出演をしていますので、興味のある方はどうぞお聞きください。

   ・・「NHK、出演するのは拍手だけ」・・

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「長いお別れ」という認知症をテーマにした映画を図書館で観た

2023年01月19日 | 映画・コンサート

 先日街の図書館へ行ったら、映画試写会のパンフレットが置かれていた。映画は「長いお別れ」という題名で、3年前に制作された認知症の老人を描いた作品です。

 主演の認知症老人を演じるのは「山崎 務」、その老人の妻役を「松原智恵子」、二人の娘役を「竹内結子」、「蒼井 優」という豪華な出演メンバーです。

 認知症は老いの身には深刻な問題で、興味深かったから妻と二人で申し込んでみた。上映当日図書館を訪れると2階の視聴覚室が会場で、観客は20数名程と意外に少なかった。映像は3~4m四方のスクリーンに映像を映し出すもので、迫力に欠けるものだったが無料だから文句も言えない。

 物語りは、認知症老人の東昇平(山崎勉)が徐々に記憶を失っていく日常の変化を描いている。徐々に症状が進行する夫を妻の曜子(松原智恵子)は献身的に支えるが、長女の娘麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)にとって、元教師で校長だった厳格で頼れる父が、壊れていく姿は辛く戸惑うばかりだった。

 昇平の症状は坂を転がるように進行し、周囲を巻き込んで深刻な事態になっていく。そんな昇平がある日姿を消して行方不明になる。妻と二人の娘は携帯のGPS機能を頼りに必死に彼を捜索する。

 昇平が見つかったのは、とある小さな遊園地だった。彼女らが見たのは、見知らぬ小さな女の子二人と一緒にメリーゴーランドに乗っている老人の姿だった。その遊園地は二人の娘がまだ幼かった頃親子で遊びに来た場所で、彼は遠い昔を追慕するかのようにそこを訪れたのだった。

 というようなストーリーで、悲しく切ない中に一抹の微笑ましさがある感動的な映画でした。タイトルの「長いお別れ」は、映画の中で長女の息子「崇」に発した、米国人教師の言葉「君のお爺さんは少しづつ記憶を失って、長い時間をかけ人生にお別れをしているんだよ」からきているようです。

 「長い時間をかけて人生にお別れ」・・そうかと納得する部分もあるけれど・・私はやっぱり最後までピンピン生きて、ある朝コロリと死ぬ方がいい。

最後にオマケの一句・・・「認知症、なったら怖いプーチンが」・・

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「人生クライマー山野井泰史と垂直の世界」は秀逸の山岳ドキュメンタリー映画

2022年12月31日 | 映画・コンサート

 これだけは絶対観たいと思っていた山岳ドキュメンタリー映画「人生クライマー山野井泰史と垂直の世界」を、年の暮れに新宿の「EJアニメシアター新宿」まで行って観て来ました。

 山野井泰史さんの名は一般的に植村直己さんや田部井淳子さんほど知られていないが、山の世界では日本が誇る世界的なトップクライマーとして知れ渡った人物です。

 山野井氏と彼の妻妙子さんが歩んだ輝かしい山歴は、命が幾つあっても足りないような極限の記録ばかりで圧倒される。それを映画でどれぐらい表現されるのか、疑問視を混じえた興味を持って映画を観た。

 過去から今に至る映像をふんだんに使ったストーリーは、山野井夫妻の揺ぎ無いピュアな生き様が克明に描かれて、素晴らしいドキュメンタリー映画に仕上がっていました。

 近年私が観た映画の中では秀逸の出来栄えで、安からぬ交通費を費やしてワザワザ観に来た甲斐がありました。本物の凄さを見せてくれる映画なので少しで多くの人に観てもらいたいが、何しろ上映館が少ない。関東では東京と神奈川で合わせて3館だけ、というのは寂しく残念だ。

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映画「峠、最後のサムライ」を観て来ました。

2022年07月18日 | 映画・コンサート

  先月封切された映画「峠、最後のサムライ」を観てきました。時代劇はあまり好みでないが、映画の原作である司馬遼太郎の小説「峠」を若い頃に読んでいてそれが面白かったので、機会があれば観たいなと思っていたのです。

 これは江戸時代末期に越後の小藩「長岡藩」の家老であった河合継之助(役所広司)の、武士として信念を貫いた生き様を描いた映画です。官軍と幕府軍がせめぎあう幕末動乱の世に継之助はどちらへも加担せず、独立・中立の立場で長岡藩の生き残りを図ろうとしていた。

 だが時の流れに乗る官軍は彼の願いを聞き入れず、大軍を率いて長岡藩の領地を侵略する。長岡藩は奇策を用いて善戦するも多勢に無勢、戦局を官軍に牛耳られ万策尽きる。戦傷を負った継之助は率いる藩士と共に長岡藩を去り、峠を越えて会津の領地へ逃れて行く。しかし継之助の傷は癒えず、峠を越えて程なく会津の地で終焉の時を迎えるのであった。・・そんな悲運の結末で映画は終わる。

 この映画を観ていたら、今まさに戦いの渦中にあるウクライナ紛争を見ているような既視感があった。勿論侵略するロシアが官軍側で、小国のウクライナが長岡藩、現在進行形のウクライナ紛争では、どうか真逆のシナリオになって欲しい。・・そんな思いが頭に浮かびました。

 役所広司さんの河合継之助はピタリとハマり役で、鬼気迫る演技に惹きつけらるものがあった。久々に骨太で正統派の日本映画を観たなと思いました。

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今一番話題の映画「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。

2022年03月25日 | 映画・コンサート

 米国アカデミー賞の4部門にノミネートされた事で一躍注目を浴びた映画「ドライブ・マイ・カー」が、近くの映画館で公開されたのでさっそく観てきました。今一番の話題作とあって、平日にも拘わらず大勢の観客が席を埋めていました。

 主役を演ずる西島秀俊さんは親しみの持てる二枚目で、私の好きな俳優さんの一人です。彼が演ずる舞台俳優兼演火家「家福悠介」は愛する妻と二人暮らしだったが、ある日妻は突然の病で急逝してしまう。

 それから2年後、家福は広島で開催される演劇祭の演出を任される事になった。舞台劇は手話を混じえた多国語で語られる異色なもので、開演に向け粛々と稽古を積み重ねていく。

 しかし主役を演じる男性俳優が暴力事件を起こした事で、舞台劇は家福が代役を務めるか中止にするかの瀬戸際に立たされる。窮地に追い込まれた家福は、広島で彼の専属ドライバーを務めていた寡黙な女性みさきと、彼女の故郷である北海道へ車を走らせる。そこで彼は自分の内面に隠されていた苦悩に気づくのだった。・・・

 このように物語は続きます。この映画の原作は村上春樹氏の小説だが、彼の本は難解で私のシンプル脳では理解し難いものが多く、殆ど読んだ事がありません。数多くの賞を獲得し多方面から称賛されたので、この映画は間違い無く映画史に残る名作なのでしょう。

 しかし正直に感想を言わせてもらえば、物語に引きずり込まれるような面白さを感じられなかった。きっとレベルの低い私の脳みそでは、この映画の隠れた魅力を見つける事ができなかったのでしょう。

 スクリーンに映る広島の風景は美しかったけれど、庶民には縁の薄い舞台演劇の世界は馴染めなかったし、ラストシーンでみさきが何で韓国の町へ移り住んだのかも今一つ意味不明でした。

 寅さん映画「男はつらいよ」の第一作を不朽の名作と思っているようじゃ、映画ファンとして未熟という事なんでしょう。まだまだ修行が足りませんや。

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クリントイースト・ウッドの最新作「クライ・マッチョ」は彼の映画の中ではヤヤ凡作かな?

2022年01月22日 | 映画・コンサート

 クリントイーストウッドが監督・主演する映画「クライ・マッチョ」が公開されたので、久しぶりに映画館へ足を運んだ。クリントイーストウッドが自ら主役を演じる時は、過去の栄光から忘れ去られた不遇な老人という役柄が多い。

 今回も同様でイーストウッド演じる主役のマイクはロデオ界のスターだった過去を持つが、今は落ちぶれた老カウボーイ、妻子も亡くし一人でひっそりと暮らしている。

 そんな彼がある日、元雇用主だった牧場オーナーから一つの依頼を受ける。それはオーナと離婚した元妻がメキシコへ連れ去った彼の息子を、アメリカへ連れ戻して欲しいというものだった。

 オーナーの願いを受け入れ、単身メキシコへ乗り込んだマイクは何とか牧場主の息子を見つけ出すことに成功し、幾多の困難や障害を乗り越えて、最後は無事に牧場オーナーの元へ息子を送り届ける。・・というような物語です。

 しかし今回の映画「クライ・マッチョ」を観終えた感想を一言で言えば、ストーリーがユルユル甘々でリアリティーに欠け、彼の過去作品に比べるとヤヤ残念な凡作だったなという感じが否めない。

 例えば「大平原の一本道で、彼の乗るオンボロカーが何でパトカーの追跡から逃れられるのか?」とか、「息子を父親の元へ送り届けた後メキシコの田舎町へ戻り、数日お世話になっただけの未亡人と愛をはぐくむ」など、チョットストーリーが強引&無理過ぎないかい?・・何て思う難点もあったけれど・・

 しかし寅さんシリーズの映画「男はつらいよ」が毎度マンネリなストーリーでも、渥美清の寅さんがいるだけで面白いのと同様に、クリント・イーストウッド映画も、演じる彼がいる存在感だけで十分に見応えがある。

 90歳の大台を既に越えたというクリントイーストウッド、しかしスクリーンの彼はそんな年齢を感じさせず、皺だらけの風貌に増々枯れた風格を漂わせている。超人イースト・ウッドの次回作も期待できそうです。

 

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「老後の資金がありません」は快心のコメディー映画です。

2021年11月08日 | 映画・コンサート

「老後の資金がありません」という映画が封切りされました。これは今私が一番好きな小説家、垣谷美雨さんの作品を映画化したのもので、小説の方は随分前に読んでいました。

 物語の主人公、後藤篤子(天海祐希)は、会社員の夫、章(松重豊)と二人の子供を持つ、何処にでもいるような中流家庭の主婦です。持ち家も有りこのまま平穏な暮らしが続くものと思っていたのだが、立て続けに親の葬式、娘の結婚と出費が嵩み、尚且つ夫はリストラで失業し、篤子もパート先の契約を打ち切られてしまう。

 当然の如く貯金の残高は坂道を転げ落ちるように目減りして、後藤家の家計は火の車となり絶体絶命の窮地に立たされた。これが現実ならば悲惨な老後が待つわけだが、そこは垣谷美雨さん原作の映画で、紆余曲折モロモロのドタバタがあり、ハッピーエンドで幕を閉じます。

 しっかり者で凛とした天海祐希さんがオロオロと悩む姿はギャップがあって面白く、松重豊さんの頼りない夫ぶりも味わいがありました。脇を固める登場人物も多彩な役者さんが揃い、楽しく笑えるコメディー映画でした。

 映画の題名が「老後の資金が・・」というせいもあったのか、盛況の観客は大部分が中高年の方々で上映中笑い声が絶えなかったが、映画が終わりフト現実の我が身に戻った時、その笑顔が切ない苦笑へ変わった方も少なからずいたのではないでしょうか。

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