10月20日(月)
紅葉の秋は新緑の春と共に山登りには絶好の時期、しかし紅葉が終わると冬到来、標高3000mの稜線ではもう雪が降り積もっているという。日本アルプスの山小屋も次々と小屋仕舞いをして登山愛好者として少し淋しい季節でもあります。
初雪がいつ降ってもおかしくないこの時期は又遭難の多い時期でもある。秋山装備の軽装で登り、吹雪に遭遇して命を落とすというパターンが多く、先日のヒマラヤトレッキングで起きた山岳遭難がまさにそれです。
穂高連峰、岳沢小屋のブログをたまたま閲覧していたら、あるバカな登山者と小屋の人とのヤリトリが載っていた。その内容は以下のとおり
予約の電話があり、翌日は北穂高岳へ行くと言うので雪の状況について説明すると・・・
客「じゃあ、アイゼンがあればいいですか。」
私「あなたアイゼン履いて歩けるんですか?」
客「イエ、アイゼン持って無いです。買って行きます。」
私「・・・・・・・・」
もう面倒になって、取りあえず北穂の小屋に電話して状況確認してくださいと言って電話を切った。その数十分後に宿泊キャンセルの電話がありました。きっと北穂の小屋には「来ないでくれ」とでも言われたのでしょう。こういう認識の甘い登山者って本当に困ります。
イヤハヤ呆れ果てたモンスター登山者と言う他は無い。アイゼンは履き慣れないと自分のズボンや木の根、岩角などに引っ掛けて逆に転倒の危険が増すのだ。こんなのが雪の穂高を登る何て自殺しに行くようなものです。
そんな奴勝手に遭難してろと言いたいが、ホントに遭難すればほっとく訳にもいかず警察や山小屋等山岳関係者に多大な迷惑が掛かる。昔は今みたいに救助体制が整っていなかったので遭難すると地元の山岳関係者等民間人が駆り出されその捜索費用で遭難者の家族は破産すると言われて、遭難者はそれなりのペナルティーが課せられた。
しかし今は県警のヘリや救助隊が充実し無償で救助をしてくれる。しかも携帯の性能が向上し、誰でも簡単にSOSを発信する事ができる。救助体制の充実が無謀遭難者の増加に繋がるとは皮肉な現象だ。
無償で救助と言っても実際には費用が掛かり、それは貴重な国費から捻出されている。これでは世間一般の山岳遭難に対する風当たりが強くなるのも無理は無い。明らかな無謀登山による遭難にはその救助に要した実費を当事者に賠償させるべきなのではと、登山を愛好する者としても思う。