天狗温泉から浅間山
7月28日(日) 天気=曇り時々晴れ
07:50天狗温泉登山口→ 08:17一ノ鳥居→ 08:30~33不動滝→ 08:37二ノ鳥居→ 09:26~40火山館→ 09:48車坂峠分岐→ 10:01鋸岳分岐→ 10:49~53浅間火口分岐→ 11:16~20前掛山→ 11:35~37浅間火口→ 11:41浅間火口分岐→ 12:07鋸岳分岐→ 12:23~51火山館→ 13:35一ノ鳥居→ 13:53天狗温泉登山口
8月に妻と北アルプス幕営縦走をやる予定なので、その足慣らしにと訪れた浅間山だったが、登山口の天狗温泉に着いた時その賑わいぶりに驚いた。団体さんから御一人さんまで次から次と登山口を出発して行く。富士山ブームが伝播しているのであろうか。
天狗温泉登山口
我々と前後するアベックのオネーちゃんは、雑誌から抜け出たようなピカピカの山ガールグッズに身を固めWストックで勇ましく我々を追い抜いて行く。「あのチョーシでは」と思っていたら、30分もしないうちに勢いは衰えはるか後方に遠ざかった。相方のオニーちゃんに少し同情したけど、今はアバタもエクボのラブラブ時代だろうから余計なお世話と言うものだ。
浅間山荘横の登山口を出発すると林道をしばらく進む。やがて登山道に変わるがズーッと林間の緩やかな道なので、歩いているのが楽しくなる。
30分足らずで簡素な木の鳥居がある一ノ鳥居に着いた。此処で道が分岐する。左は山腹沿いの道で少し距離が短い。右は沢沿いの道、水音を聞きながら歩く方が涼しげで心地よいので少し遠回りだが沢沿いの道を進む。
沢沿いの道
やがて地図に載っている不動滝に着いた。登山道沿いにあるから名がついているのだろうが、水量・スケールともそれほど立派な滝ではなかった。滝から急坂を少し登ると山腹沿いの登山道と再び合流する。此処が二ノ鳥居で多くの登山者が休憩していた。
不動ノ滝
ここから傾斜はきつくなるが、登山道はジグザグに刻まれているので快適に登って行ける。やがて右前方に牙山(ギッパヤマ)が見えてきた。沢から一気に聳える岩峰で中々迫力がある。
牙山の岩壁
牙山の対岸を通過し硫黄の臭いがする小沢を横切ると、その上に山小屋「火山館」があった。ウッディ造りの洒落た建物で優しげな管理人さんが通年詰めているという。綺麗なトイレと水場もありキャンプでもしたくなる場所だが、此処は公営の施設で宿泊は出来ないとの事。でも室内は無料で休憩でき、浅間山に関する写真や資料が展示してあった。我々も少し見学させてもらった。
山小屋「火山館」
火山館からほんの一登りで池ノ平高原と呼ばれる標高2千m余の山上草原に出る。此処に車坂峠からの登山道が合流する。最短距離のコースなので、この道から登る人も多い。私も前回はこの道から登った。その時は秋だったので、高原内の松林で「からまつだけ」を一杯収穫して、数日間我が家の味噌汁の具として美味しく頂いた覚えがある。
池ノ平高原
高原を更に進んで鋸岳への分岐を過ぎると、いよいよ浅間火口への登りが始まる。富士山5合目からの道とよく似た岩と砂礫の登山道だが、富士山程に馬鹿長く無く、鋸岳分岐から50分程で避難シェルターがある外輪火口の縁に登り着く。
浅間火口の登り
外輪縁の避難シェルター
噴煙を上げる浅間火口へはここから踏み跡があるが、ロープで仕切られ立入禁止の看板が設置されている。それでも少なからぬ人がロープを跨いで火口へ登っている。私と妻は前回の登山で既に火口の最高地点を踏んでおり(その時は池の平高原から先が立入禁止地域だったが、人目の無いのを幸いに強引に登ったのだった。)、天気もパッとしないし我々は無理せず外輪山最高点の前掛山に向かった。
前掛山へは細尾根をユルユルと登って行く。スケールは違うがキリマンジャロ山最高地点ウフルピークへ向かう道と感じが似ている。途中何組か追い抜いて11:16前掛山(2524m)に到着した。
前掛山への登り
山頂は360度の視界だが雲が多くて良い展望とは言えない。我々の後に着いた若夫婦風の二人組が「健脚ですねー。」と褒めてくれたのが、褒められて伸びるタイプ(と言うより叱られて落ち込むタイプ)の我々には嬉しい言葉だった。
前掛山山頂
山頂は風が強く、パパっと写真だけ撮って「温泉、温泉」と言いながら下山を開始する。火口分岐まで戻ったら、どうしても火口の中を観たくなり妻を待たせて空身で火口へ向かう。
辿り着いた浅間山火口縁(2540m)は全体を真っ白なガスが覆って何も見えないので最高地点に行く気にもならず写真を撮っただけで妻の待つ場所へ戻った。待たされた妻が「さっき親子連れの子供が「立入禁止って書いてるのに、どうして皆行ってんの?」と親に尋ね、親御さんが返答に困ってたよ。」と言った。その子に言ってあげたかった、「そうだよねー。馬鹿な大人は何処にでもいるし、幾つになっても馬鹿なんだよ。そんな大人に君はなるんじゃないよ。」と、
浅間山火口縁
火口縁から前掛山方面
一気に火山館まで降り、屋外のベンチでコンロに火をつけカップうどんとコーヒーでランチタイムとする。暑い時に熱いものは食べたくないが、爽やかな風が吹いているので美味しく頂けた。
火山館からトーミの頭方面
火山館下から牙山
火山館を後に更に降り道が分岐する二ノ鳥居まで降ると外人さん6人組が休んでおり挨拶を交わした。その中の10代の少年ポイ男性が「どちらの道が早いですか?」と流暢な日本語で問いかけてきた。「右の道が早いと思うよ。」と私も流暢な日本語で答えた。「せっかく普段聞いてるNHK基礎英語の成果を試す時だったのに」と私は少しガッカリし少しホッとした。
緑が美しい樹林の道を黙々と降りPM2時前に登山口に戻った。登山口の温泉宿「浅間山荘」は入浴料金500円、駐車料金500円を払った人は100円割引いてくれる。受付の女将さんはあまり愛想が良くないけれど、鉄分を含んだ褐色のお湯は本物の源泉で、ボディソープ、シャンプーもあるし中々高得点の温泉でした。
二ノ鳥居から山腹沿いの下山道
時間が早かったので帰路は高速に乗らず一般道をノンビリと帰った。しかし結果この選択が大正解、この日は日曜日という事もあり、都心へ向かう各地の高速は渋滞ばかり、関越道上りも高坂SAから36キロの大渋滞、高速だったら反って遅くなっただろう。スイスイ走れて気分は良いし、お金も節約できた。今日は良い汗がかけて満足の一日でした。