晴れ。最低気温℃、最高気温℃。
大島弓子著 角川書店
この本はほとんどのページを猫との日常のエピソードで占められています。何気ない猫とのやり取りなのですが、そこからそこはかとない作者の洞察力や物の見方・考え方が透けて見え、そのどれもが共感できるものばかりでした。
猫の他に冒頭部分で電化製品や電子機器の買い替えのシーンがあり、長年使ったこれらのものたちとの別れの惜しみ方にはいたく共感を覚えたものです。
相手がものであっても愛着が生まれ、単なる物ではなく相棒のような存在になるかと。
タイトルに猫の文字が入っていたので手に取ったのでしたが、最終部分で作者が入院するに至ったことが病名とともに書かれていて目が釘付けになりました。続けて手術台でのこと、術後麻酔が取れてからの様子などについても本当にさらりと。
マンガ家だけではなく、物書きと呼ばれる職業の方は、自分のことも赤裸々にさらせる客観性を持ち合わせているのでしょう。プロだからこその覚悟と腕前が偲ばれる気がしました。