毎回、どんなジャンルの 映画を撮っても、
秀抜した手腕と センスを見せてくれる、堤幸彦監督の作品です。
今回は、“いま面白いこと” をごった煮にした、
何でもありのエンターテイメント。
生まれついての寿司職人、米寿司 (まいず つかさ・堂本光一)。
10才のとき、父と祖父が カジキマグロに突き刺されて死んだ トラウマで、
魚の目を見ると パニックを起こす 「ウオノメ症候群」 に なってしまいます。
寿司の道を捨て、琉球唐手の達人に 弟子入りするも、
唐手の道は寿司の道、寿司の握りは唐手の握り ということを悟る。
そして、シャリを極めようと、
“シャリの達人” 俵 源五郎 (北大路欣也) に 弟子入りするため、
寿司の新天地 ニューヨークに乗り込みます。
日本刀で青竹を切るのが 寿司の握りを極めることだとか、
米の心を読むのが 唐手の極意だとか、琉球唐手300年の怨念だとか、
ふざけたことを 真剣そのもので全力投球すれば、
観客の笑いをも 極めることになるのでしょう。
もちろん 小ネタてんこ盛りです。
合い言葉は、「お前なんか、N.Y. (握ってやる)! 」
「よっ、スシ王子!」
グルメ、アクション、笑いあり、涙ありで、
常に ツボを掴むことを外さない、堤監督の才覚は 羨ましい限りです。
どこまで新天地を 切り開いていくことでしょう。