「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自分自身と他の人々に対する 慈愛を育むための瞑想

2016年08月30日 20時51分16秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習 5-1 自分自身と他の人々に対する 慈愛のための瞑想
 
 正式なマインドフルネスの練習の  「前座」 として試してみてください。
 
● 指示
 
 楽な姿勢をとってください。
 
 数回呼吸しながら、 呼吸や身体に マインドフルに焦点を当てましょう。
 
 他の人々への 親切心や思いやりといった、 自然の内的感情と繋がりながら、
 
 安全に感じられるだけ 心を開け放ち、 和らげてください。
 
 次に、 自分自身に注意をシフトさせます。
 
 注意を当てるのは、 全体的な自己感, 怪我や病気の場所など、
 
 ケアを必要としている 部分の感覚, 感情的苦痛の感覚かもしれません。
 
 母親が、 怯えている自分の子供に 話しかけるように、
 
 優しく静かに、 自分自身に話しかけるのを想像しましょう。
 
 「私が安全で 守られていますように」
 
 「私が幸せでありますように」
 
 「私が健康で 元気でありますように」
 
 自分でフレーズを考えるときは、
 
 誰もが望むもの (安全, 安心, 喜びなど) にし、
 
 話しかけるたびに 気持ちを込めましょう。
 
 親切な心や思いやりが 自分に伝わるようにしましょう。
 
 自分に対して 黙って好きなだけ繰り返してください。
 
 そうしたいときは、
 
 注意と焦点を、 問題を抱えている知り合いに シフトさせることが可能です。
 
 友人全員とか兄弟姉妹全員など、 グループに当てることもできます。
 
(以上)
 
 
 望むのであれば、 扱いにくい人々で 実験することもできます。
 
 親切な心と、 彼らが幸せでありますようにという願いを、 彼らに送り、
 
 あなたの内的な反応を 観察してみましょう。
 
 あなたは、 彼らが あなたを傷つけないようにしているだけでなく、
 
 彼らの幸せを求める人間だと 理解しようとしていることになります。
 
 これによって、 あなたとの関係が変わり、 怒りが解放される可能性があります。
 
 慈愛の瞑想においては、 多くの異なる感情を 経験する可能性があります。
 
 悲しみ, 嘆き, 怒りなど、 苦痛なものもあるかもしれません。
 
 それでも失敗ではありません。
 
 心の奥にある感情が 解放されるのはよくあることです。
 
 それ自体が 癒しのようなものです。
 
 感情の全てに注意を払い、 ひとつひとつを尊重し、 練習を続けてください。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルネスのさらなる探求

2016年08月29日 20時30分35秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
○ マインドフルネスと瞑想
 
 マインドフルネス・スキルは 東洋の瞑想の伝統と 直接結びついています。
 
 多くの医療の専門家たちは、
 
 ストレス, 慢性疼痛, 不安, うつ病, がんの治療にも、
 
 マインドフルネスを適用することに 関心を持つようになりました。
 
 健康やヒーリングのための訓練は、 特定の信仰を必要としません。
 
 親切な心, 思いやり, 広さ, 静けさといった  「心のこもった」 特性に、
 
 より意識的に注意を向けることで、 マインドフルネスをサポートしてくれます。
 
○ 親切な心や思いやりを用いて、 マインドフルネス・スキルを強化する
 
 DBTの中核的な 「how」 スキルとは、 価値判断をしないことです。
 
 マインドフルネスを基にする ストレス緩和法で、
 
 最初に必要な姿勢が、 価値判断をしないことです。
 
 全部で7つの姿勢があり、
 
 忍耐, 初心者の心, 信頼, 無抵抗, 受容, 解放があります。
 
 価値判断と批判の習慣は、 ほぼ全ての人の中に 深く植えつけられたものです。
 
 瞑想の師たちは、 長い間、
 
 親切な心や思いやりの姿勢で マインドフルネスを築く 重要性を説いてきました。
 
 注意, 認識, 理解, 思いやりが、 全ての瞑想の基本を 形成しています。
 
 思いやりは瞑想の根本原理であり、
 
 瞑想とは、 自己愛的な自己本位の軌道ではありません。
 
 マインドフルネスとは、 いかにして注意を払うかについてです。
 
 7つの姿勢に加え、 マインドフルネスの 感情的 (心の) 側面に対応するための、
 
 5つの 「心の」 特質として、
 
 感謝, 優しさ, 寛大さ, 共感, 慈愛があります。
 
 慈愛の形の瞑想は、 マインドフルネスを支持し、 治癒的可能性を持ちます。
 
 慈愛は、 許しと無条件の愛に満ちた 特質です。
 
 慈愛は マインドフルネスのパワフルな助力となる 可能性があります。
 
 思いやりと慈愛を 注意の中に組み込み、 親切心に任せるのは、
 
 価値判断や批判といった 根深い習慣に陥るのを防ぎ、
 
 真に価値判断をしない DBTの 「how」 スキルを サポートするでしょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルネス・スキル:上級編 チェック

2016年08月26日 19時36分18秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
◎賢明な心
 
・賢明な心と直感
 
 ※練習4-1 賢明な心の瞑想
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65267681.html
 
・賢明な心で決定する方法 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65270109.html
 
◎徹底的受容
 
 ※練習4-2 否定的な価値判断
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65272769.html
 
・徹底的受容と初心者の心
 
 ※練習4-3 初心者の心
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65275184.html
 
◎価値判断
 
・価値判断とレッテル
 
 ※練習4-4 価値判断を鎮める
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65276451.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65277475.html
 
・価値判断しないことと日常の経験
 
 ※練習4-5 価値判断 vs 現在の瞬間
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65279985.html
 
◎マインドフルネスの実践
 
・他の人々とのマインドフルなコミュニケーション
 
 ※練習4-6 マインドフルな「私」を主語にした発言
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65284819.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65285845.html
 
・有効なことをする
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65288336.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65289555.html
 
・日常生活においてマインドフルでいる
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65291116.html
 
・毎日のマインドフルネス練習手順
 マインドフルネスの「FLAME」
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65295362.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65296747.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65298238.html
 
・マインドフルネスな活動に対してマインドフルでいる
 週間マインドフルネス活動記録
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65299627.html
 
・マインドフルネスの実践に対する抵抗と妨害
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65300872.html
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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妨害に賢く取り組む

2016年08月25日 19時32分32秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 妨害に対処する 最も有効な方法は、
 
 妨害そのものを マインドフルネスの焦点にすることです。
 
 妨害に対抗しようとせず、 起きていることを ありのままに認めてください。
 
 静かに、 欲望, 嫌悪, 眠気, 焦燥感, 疑惑に注意を向け、
 
 深く観察し、 どんな形でもそのまま受け入れます。
 
 それが教えてくれるものを 学びましょう。
 
 思考, 記憶, 感情, 身体感覚など、 多くの形で教えてくれます。
 
 それぞれの妨害に対する、 次の具体的な提案も有益です。
 
・ 欲望に対しては、 常にもっと欲しくなることを 思い出す。
 
  欲望を行動にせず、 それに注意し、 確認し続けてください。
 
・ 嫌悪に対しては、 怒りと悪意を最強の師として認識する。
 
  それらから学ぶ決意をしてください。
 
  同情心,親切心,許しを育て、 それらのバランスを取るのも有効です。
 
・ 眠気に対しては、 それが 充分な注意を要求する
 
  強力な状態であることを知っておく。
 
  姿勢を正して座ったり、 立ったりするのも有効です。
 
  冷たい水で顔を洗い、 休憩を取り、 マインドフルに歩くなど、
 
  活動的なことをしましょう。
 
・ 焦燥感に対しては、 決意と安定をもって、
 
  現在の瞬間に 注意を集中するのが有効でありうる。
 
  マインドフルネスの師や 他の人々と会話をしたり、
 
  他の人が いかに疑惑に対処しているか 学ぶ方法があります。
 
o まとめ
 
 妨害に対して、 親切で、 関心を持った、
 
 価値判断をしない姿勢を取ることを 忘れないでください。
 
 障害物としてではなく、 師として扱うことができれば、 妨害ではなくなるのです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルネスに対する 抵抗と妨害

2016年08月24日 20時36分43秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 マインドフルネスを実践し、 習得するにつれ、
 
 自分の中から 抵抗や困難がわき出てくるものです。
 
○ 5つの妨害
 
 瞑想やマインドフルネスの妨げとして、 欲望, 嫌悪, 眠気, 焦燥感, 疑惑が、
 
 何千年も前から 瞑想の師や実践者らに 認識されていました。
 
 しかし、 進んでこれらを認識し、 観察し、 これらから学べば、
 
 これらは 最も賢い師となりうるのです。
 
・ 欲望とは、 今の自分とは違っていたらいいのに という望みです。
 
  「幸せや平穏」 「完璧な人間(瞑想者)」 に なりたいという願望です。
 
・ 嫌悪とは、 怒りや悪意を意味します。
 
  退屈感や恐怖感など、 他の形の抵抗も含まれます。
 
  価値判断は 正に嫌悪の表現です。
 
・ 眠気とは、 眠い, 重い, だるい感じです。
 
  原因は 身体的疲労もありますが、 苦痛や恐れに対する抵抗なのです。
 
  これらのふたつを識別するのは 極めて重要です。
 
・ 焦燥感とは、 眠気の反対で、 不快であり得ます。
 
  落ち着きなく動くことを要求し、 非常に心をかき乱す、
 
  思考, 感情, 感覚の「嵐」です。
 
・ 疑惑とは、 「どうしたらいいのか分からない」 「これが何の役に立つのか」
 
  「自分には合わない」 という 内なる声です。
 
  疑惑はしばしば、 心の中の言葉、 恐れや抵抗の気持ちとして 表現されます。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルネスな活動に対して マインドフルでいる

2016年08月23日 20時46分25秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 マインドフルネス・スキルを習得する理由は 3つあります。
 
1. 現在の瞬間のものごとひとつずつに 焦点を当てるのに役立ち、 
 
   圧倒されるような感情を よりコントロールし、 落ち着かせることができる。
 
2. 価値判断的な考えをしているのに気付き、 
 
   価値判断と実際の経験とは違う ということを納得する。
 
3. 賢明な心を発達させる。
 
 マインドフルになるための 近道はありませんが、 多大な努力はいりません。
 
 そうすることを思い出せばよい だけなのです。
 
 〈週間マインドフルネス活動記録〉 があります。
 
 月曜日から日曜日まで、 毎週コピーして使いましょう。
 
 どの程度頻繁に
 
  「マインドフルな呼吸」 や 「賢明な心の瞑想」 を使っているかを 記録します。
 
〈週間マインドフルネス活動記録〉
 
曜日
 
 「マインドフルな呼吸」       時間 :
 
 「賢明な心の心の瞑想」      時間 :
 
 「作業をマインドフルに行なう」  何を :   どこで :
 
 「その他のマインドフルな練習」
 
 
  「マインドフルな呼吸」 と 「賢明な心の心の瞑想」 の欄には、
 
 それぞれの練習に費やした 時間を記録してください。
 
  「作業をマインドフルに行なう」 の欄には、
 
 マインドフルに行なったことと、 どこにいたかを記録しましょう。
 
  「その他のマインドフルな練習」 の欄には、
 
 その週に行なった 他のマインドフルの練習を 記録してください。
 
 マインドフルネス・スキルは DBTの 「中核的」 スキルなので、
 
 他のスキルを使用するようになっても 使い続けてください。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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毎日のマインドフルネス練習手順 (3)

2016年08月22日 20時23分12秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
 作業をマインドフルネスに行なうことの 例を見てみましょう。
 
 M子さんは N美さんに嫌われるのを恐れて、 N美さんの言う通りにしていました。
 
 でもN美さんに 押しつけられるということが嫌でした。
 
 M子さんはN美さんと ドレスを買いに行きました。
 
 店に行く途中、 自分のしていることに マインドフルであるよう心がけました。
 
 自分の手や足の感じ, 呼吸, 見ているものも意識しました。
 
 N美さんへの価値判断も 手放すことにベストを尽くしました。
 
 手放すのが難しいものもありました。
 
 ショッピングモールに着くと、 好きな店とそうでない店があります。
 
 M子さんは徹底的受容を使い、 好きな店の 肯定的な価値判断も手放しました。
 
 気に入っている店には 探しているドレスはなく、 徹底的受容のお陰で、
 
 中立性と価値判断的でない姿勢が、 健康的な形で状況に対処できました。
 
 二人は高級な店で、 高額なドレスを 気に入ってしまいました。
 
 N美さんは  「値段は気にしないで」 と言いました。
 
 M子さんの感情的な心は そのドレスに奪われてしまいましたが、
 
 理性的な心は ドレスが高すぎることを 思い出させてくれました。
 
 M子さんは ゆっくりと数回深呼吸し、 賢明な心の中心に手を置きました。
 
 そのドレスを買うのが 良くない考えだと分かり、 店を出ました。
 
 M子さんは正しい意思決定をして 誇りを感じましたが、
 
 N美さんはM子さんを  「せこすぎる」 とからかいました。
 
 M子さんは N美さんへの価値判断で一杯になり、 それを手放そうとしましたが、
 
 N美さんに笑われ続けました。
 
 N美さんに叫びたくなりましたが、 喧嘩になるのは分かっており、
 
 有効なことを行なうように考えました。
 
 それは喧嘩を起こさずに、 できるだけ早く家に帰ることだと 分かりました。
 
 M子さんは黙って N美さんの批判を聞いていました。
 
 家に帰って 怒りが治まると、 N美さんに電話して 話し合う勇気も出てきました。
 
 「私は、 あなたにからかわれて傷ついた」 と、
 
 マインドフルな 「私」 を主語にした 発言を用いることができました。
 
 N美さんは理解して謝りました。
 
 M子さんは、 より健康的な形で 対処した自分を 誇りに思いました。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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毎日のマインドフルネス練習手順 (2)

2016年08月21日 20時15分33秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
3. 作業をマインドフルネスに行うこと
 
 歩いたり食べたり 日常生活の全てを、
 
 思考, 感情, 身体的感覚, 行動に焦点を当てたままで、
 
 価値判断せずに行なうことです。
 
 次のことをしましょう。
 
・ 現在の瞬間の経験に対して マインドフルネスであるために、
 
  思考, 感情, 身体的感覚,行動の間で 注意を集中させ、 シフトさせる。
 
・ 注意をそらす思考と価値判断に はまり込まずに、 受け流すことで手放す。
 
・ 価値判断をせずに い続けるために、 徹底的受容を用いる。
 
・ より健康的な決定を下すために、 賢明な心を用いる。
 
・ 目標を達成するために 有効なことを行なう。
 
○ マインドフルネスのFLAME
 
 作業をマインドフルネスに行うのを 思い出すために、
 
  「FLAME」 が役立つこともあります。
 
F: 現在の瞬間にマインドフルになることに 注意を集中 (Focus) し、
 
   シフトさせる。
 
L: 注意をそらす思考と価値判断を 手放す (Let go)。
 
A: 価値判断をせずにいるために 徹底的受容 (Acceptance) を用いる。
 
M: 健康的な決断をするために 賢明な心 (Mind) を使う。
 
E: 目標を達成するために 有効 (Effective) なことをする。
 
 マインドフルネス・スキルを使う 最大の難関は、 人と関わっている場合です。
 
 人と話したり口論しながら、 同時にマインドフルであることは 難しいものです。
 
 しかし それはマインドフルネスが 最も重要なときでもあるのです。
 
(否定的な価値判断も 肯定的な価値判断も 手放すようにします。)
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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毎日のマインドフルネス練習手順 (1)

2016年08月20日 21時19分17秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 マインドフルネスの練習手順は 3つのスキルからなっています。
 
1. マインドフルな呼吸
 
2. 賢明な心の瞑想
 
3. 作業をマインドフルに行うこと
 
 
1.マインドフルな呼吸
 
 3つの部分に焦点を当てます。
 
① 呼吸を数える
 
  注意を集中させるのに役立ち、 注意がそれたときに 落ち着かせるのに役立ちます。
 
② 呼吸の身体的経験に 焦点を当てる。
 
  ゆっくり息をするたびに、 呼吸の起伏を観察します。
 
③ 注意をそらす思考も認識する。
 
  「思考を和らげる練習」 で行なったように、
 
  思考にはまり込まずに 受け流す必要があります。
 
参照:http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65218416.html
 
  再び呼吸に注意を集中させ、 自分を落ち着かせるのに役立ちます。
 
2. 賢明な心の瞑想
 
参照:http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65267681.html
 
 賢明な心の中心に 注意を集中させるのを手伝います。
 
 賢明な心は、 直感や 「勘」 と呼ばれることもあります。
 
 感情的な心と理性的な心の 両方を使います。
 
 状況の事実だけでなく、
 
 自分が正しいと 「感じる」  直感的決定を下すのに役立ちます。
 
 ある決定に対する 身体の反応の仕方と、
 
 内的知識 (自分にとって「本物」と分かっていること) を基に 決定を導くのです。
 
 少なくとも1日 3~5分間実行してください。
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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日常生活において マインドフルでいる

2016年08月17日 20時00分37秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 現実的には、 常にマインドフルである人などいません。
 
 でもマインドフルでいるために それほど多大な努力はいりません。
 
 それをするのを覚えていることです。
 
 自分の考えや感じ方に マインドフルであることを思い出すように、
 
 ランダムに鳴るベルを 使うこともできます。
 
 他には、 特別な指輪, 付箋やカードを使って
 
 マインドフルネスを思い出してください。
 
 日常生活で マインドフルであり続けるための ベストな方法は、
 
 マインドフルであることを 実践することです。
 
 そのために、 3つのスキルからなる
 
 「マインドフルネス練習手順」 を用意しました。
 
1. マインドフルな呼吸
 
2. 賢明な心の瞑想
 
3. 作業をマインドフルに行うこと
 
 (これについては 次回以降に説明します。)
 
 マインドフルネス・スキルは、 DBTで極めて重要なので、
 
  「中核的」 スキルと言われています。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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有効なことをする(2)

2016年08月16日 19時27分37秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
 有効なことをするというのは、
 
 したいと感じたことをしないこと, 習慣的にやってきたことをしないこと、
 
 を意味します。
 
 振る舞い方を変えるには、 有効な行動を選択できるように、
 
 自分が考えていることや 感じていることを、
 
 逃げずに ありのまま受け入れなくてはなりません。
 
 有効なことをするというのは、 価値判断をしないことにも関わっています。
 
 価値判断は 失望や苦痛に繋がり、 有効な行動を 妨げる可能性もあるのです。
 
 思考と価値判断に マインドフルであり続け、 課題に価値判断することを避け、
 
 できる限りのことをします。
 
 有効なことをするということは、
 
 問題を解決するために、 状況において 必要なことをするということです。
 
 売り渡すことでも、 諦めることでも、 降参することでもないのです。
 
 有効な行動は、 演技のようなスキルです。
 
 目標のためには、 有能である, 熟練している, 満足しているように
 
 振る舞わなければいけないこともあります。
 
 以下のことをする必要があります。
 
・ 思考と感情にマインドフルになる。
 
・ 状況や自分の行動について 価値判断するのを避ける。
 
・ 目標のために、 適切で必要な行動を選択する。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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有効なことをする (1)

2016年08月15日 20時04分16秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 マインドフルな 「私」 を 主語にした発言などの、
 
 効果的なコミュニケーションスキルは、 「有効なことをする」 ことの一環です。
 
 これは 状況に対処するために、
 
 例えそれが不自然であっても、 適切で必要なことをするということです。
 
 望むものを得るためには、 やりたいことを変えなければならないこともあります。
 
 特に、 圧倒されるような感情に 悩まされているときはそうです。
 
 例を挙げましょう。
 
・ あなたは恋人と 激しい口論になります。
 
  とても傷ついて腹も立ち、 関係を終わらせたいと思います。
 
  でも内心では、 うまくいくことを願っています。
 
  そのため深呼吸をして、 マインドフルな 「私」 を主語にした 発言を使って、
 
  自分がどう感じているか 相手に知らせることにします。
 
・ 上司が あなたに仕事を与えますが、 あなたはすでに 多量の仕事を抱えています。
 
  怒りを覚え、 利用されているように感じます。
 
  上司に文句を言い、 出ていくことを考えます。
 
  しかし 落ち着いて話せるときまで、 できる限りのことを することにします。
 
・ あなたは友人に 車を貸してほしいと頼みましたが、 断られます。
 
  あなたは 彼女の頼みには いつも応えているので、
 
  苛立って、 彼女がひどい奴だと 言ってやりたくなります。
 
  そうすると 友人関係を失ってしまうかもしれません。
 
  そのため 違う友人に車を頼みます。
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
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マインドフルな 「私」 を主語にした発言 (2) (解答)

2016年08月13日 20時40分13秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
  「私」 を主語にした、 考えられる解答です。
 
1. 「私はひどい気分だ」
 
   「私は (あなたがそれをすると) ひどい気分になる」
 
2. 「私は あなたがそれをすると 苛々する」
 
3. 「私は いま怒っている」
 
4. 「私は あなたがそれをすると、 馬鹿にされているように感じる」
 
5. 「私は あなたにそのようにからかわれると 腹が立つ」
 
6. 「私は あなたに無視されると 気分が悪い」
 
7. 「私は あなたがそれをすると とても傷つく」
 
8. 「私は あなたがそれをすると とても傷つく」
 
9. 「私は あなたにそうされると、 とても傷つく (侮辱を感じる)」
 
10. 「私は あなたが 私の見方を考慮してくれないとき、 不快に感じる」
 
  ( 「あなたは 頑固すぎるように感じる」 というのは、
 
    相手に対する 隠れた価値判断です。)
 
 マインドフルな 「私」 を 主語にした発言は、
 
 あなたがどう感じるか, どうして欲しいかを、 伝えるための方法ですが、
 
 それは あなた自身の感情に対する マインドフルな認識に関わるものなのです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルな 「私」 を主語にした発言 (1)

2016年08月12日 21時45分20秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習 マインドフルな 「私」 を主語にした発言
 
 次の価値判断的な  「あなた」 を主語にした発言を、
 
 「私」 を主語にした発言に 変えてください。
 
1. 「あなたは 私をひどい気分にさせる」
 
  ____________________________________
 
2. 「あなたは 私を苛々させるために わざとしている」
 
  ____________________________________
 
3. 「どうしてあなたは 私をそんなに怒らせ続けるのだ」
 
  ____________________________________
 
4. 「あなたは失礼だ」
 
  ____________________________________
 
5. 「いい加減にして。 あなたは私を苛つかせる」
 
  ____________________________________
 
6. 「あなたは 私の言うことを聞いていない。 あなたにはもう話さない」
 
  ____________________________________
 
7. 「あなたは嫌な人になっている。 やめて」
 
  ____________________________________
 
8. 「あなたはなんて ○○○○なんだ! 信じられない」
 
  ____________________________________
 
9. 「あなたはなぜ 私にそれをし続けるのだろう?」
 
  ____________________________________
 
10. 「時々あなたは 頑固すぎるように感じる」
 
  ____________________________________
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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マインドフルネスの実践

2016年08月11日 20時04分04秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
○ 他の人との マインドフルなコミュニケーション
 
 マインドフルネスなコミュニケーションは、
 
 よりうまくいく関係の 秘訣となることが多いのです。
 
 相手に価値判断な発言をすると、 関係を失う可能性は高いでしょう。
 
 ここでは、 自分が人に送るメッセージに対して、
 
 よりマインドフルになる方法を 検討しましょう。
 
 次の発言について 考えてみてください。
 
① 「君には腹が立つ」
 
② 「君があんまり嫌な人なので 声を上げそうだ」
 
③ 「あなたがあまり 私の気を逆なですると、 全て終わりにしたくなる」
 
④ 「あなたは 私を傷つけるためにそうしたんだろう」
 
 これらの発言に共通するのは、 全て相手についての 価値判断であるということです。
 
 これらの発言を 誰かに言われたら、 あなたはどのように感じるでしょう。
 
 あなたは同じような 怒りの発言を返し、 喧嘩になるかもしれません。
 
 その結果、 何も解決されません。
 
 解決策のひとつは、 「あなた」 を主語にした発言を、
 
 マインドフルな  「私」 を主語にした発言に 変えることです。
 
 それは 以下のような特性があります。
 
・ あなたがどう感じるか、 あなた自身の マインドフルな認識に基づいています。
 
・ あなたがどう感じるかの、 より正確な表現です。
 
・ あなかがどう感じるかを、 価値判断でない形で 人に知らせます。
 
・ 相手に より大きな共感と理解を 喚起させ、
 
  それによって 相手があなたのニーズを 満たすのを可能にします。
 
 先の4つの例を  「私」 を主語にした発言に 変えてみましょう。
 
① → 「いま私は とても腹を立てている」
 
 それほど価値判断したり、 非難しているように 聞こえなくなりませんか? 
 
② → 「私はとても怒っていて、 声を上げそうだ」
 
 相手は、 自分が非難されていると感じることはなく、
 
 より進んで 話を聞こうとするでしょう。
 
③ → 「私はとても気分を害し、 絶望的に感じて、 ひどく落ち込んでしまう」
 
④ → 「私は、 あなたがそうしたとき、 とても傷ついた」
 
 マインドフルな  「私」 を主語にした発言は、
 
 あなたがどう感じるかを より正確に伝え、 
 
 あなたのニーズが叶えられる 可能性がより高くなるのです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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