※ 練習 5-1 自分自身と他の人々に対する 慈愛のための瞑想
正式なマインドフルネスの練習の 「前座」 として試してみてください。
● 指示
楽な姿勢をとってください。
数回呼吸しながら、 呼吸や身体に マインドフルに焦点を当てましょう。
他の人々への 親切心や思いやりといった、 自然の内的感情と繋がりながら、
安全に感じられるだけ 心を開け放ち、 和らげてください。
次に、 自分自身に注意をシフトさせます。
注意を当てるのは、 全体的な自己感, 怪我や病気の場所など、
ケアを必要としている 部分の感覚, 感情的苦痛の感覚かもしれません。
母親が、 怯えている自分の子供に 話しかけるように、
優しく静かに、 自分自身に話しかけるのを想像しましょう。
「私が安全で 守られていますように」
「私が幸せでありますように」
「私が健康で 元気でありますように」
自分でフレーズを考えるときは、
誰もが望むもの (安全, 安心, 喜びなど) にし、
話しかけるたびに 気持ちを込めましょう。
親切な心や思いやりが 自分に伝わるようにしましょう。
自分に対して 黙って好きなだけ繰り返してください。
そうしたいときは、
注意と焦点を、 問題を抱えている知り合いに シフトさせることが可能です。
友人全員とか兄弟姉妹全員など、 グループに当てることもできます。
(以上)
望むのであれば、 扱いにくい人々で 実験することもできます。
親切な心と、 彼らが幸せでありますようにという願いを、 彼らに送り、
あなたの内的な反応を 観察してみましょう。
あなたは、 彼らが あなたを傷つけないようにしているだけでなく、
彼らの幸せを求める人間だと 理解しようとしていることになります。
これによって、 あなたとの関係が変わり、 怒りが解放される可能性があります。
慈愛の瞑想においては、 多くの異なる感情を 経験する可能性があります。
悲しみ, 嘆き, 怒りなど、 苦痛なものもあるかもしれません。
それでも失敗ではありません。
心の奥にある感情が 解放されるのはよくあることです。
それ自体が 癒しのようなものです。
感情の全てに注意を払い、 ひとつひとつを尊重し、 練習を続けてください。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]