「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自尊心の低さ

2014年05月30日 20時54分24秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 自尊心の低さ

 私たちには 話を聞いてもらう権利と、 必要なものを手に入れる権利が

 あるということは、 揺るぎない事実です。

 感情的な虐待の期間が長いほど、 専門的な助けが必要となります。

 他の人が自分を責めてきたとき、 自尊心があれば 冷静さを保つことができます。

 しかし親は、 子供をちゃんと育てられないと、 自尊心が急落します。

 子供は、 親が自信を失っていると感じたら、 要求を通すために行動します。

 すると親は さらに自信をなくし、 悪循環が続きます。

 BPDの人は、 非承認, 矛盾, 予測不能のために、

 アダルトチルドレンが 羞恥心や劣等感で一杯になります。

 皮肉にも これらの感情によって、

 親に認められたくて、 虐待的な親から離れるのが 困難になります。

 自尊心が低い人は、 「よい人になる」 ことで 羞恥心を和らげようとします。

 「よさ」 は、

 自分に足りないものを補うために、 自分や人生を 犠牲にすることで生まれます。

 それは 虐待を正当化したり、 生活を改善するのを放棄する ことかもしれません。

 完璧になることで 羞恥心は軽減しますが、 それは一時的なものです。

 BPDの人はそれに慣れ、 さらなる完璧さを求めるようになります。

 全ての人は、

 完璧でなくてもよいという、 侵害されることのない権利を 持っています。

 欲しいものを手に入れる 権利もあります。

 BPDは、 完璧な外見を維持したいという 強い欲求を生み出す 障害です。

 全ての 「悪い」 ものを、 他の人に投影することになります。

 心の声に 耳を傾けてください。

 自身を持てるようになれば、

 感情や人格を コントロールさせることはなくなるでしょう。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

義務感。 罪悪感と羞恥心

2014年05月29日 21時32分44秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○義務感, 役割, 責務

 役割や責務は、

 私たちの生活の混乱を防ぎ、 安定した秩序ある社会を 作り出すものです。

 しかし、 どんなに願っても 叶わないことがあります。

 現実を受け入れて、

 理想的な親, 兄弟姉妹などを 諦めなければならないこともあります。

 自分自身に質問してみてください。

 「義務感から私は何をするのか? 

 どんな義務感が自分に合っているのか? 

 どれが合っていないのか?」

○ 罪悪感と羞恥心

 羞恥心は、 「私が悪いのだ」 という 万国共通の感情です。

 罪悪感は、 より限定された感情で、 「私は悪いことをした」 というものです。

 親たちは 罪悪感を和らげるために、 とんでもないことをします。

 典型的なのは、 成人した娘を ただで自宅に住まわせ、 娘の言いなりに洗濯をし、

 食事を出し、 買い物の支払をしてあげる 夫婦です。

 親たちは子供の行動に 責任を感じすぎです。

 子供は 自分の責任で成功したり、 失敗したりするほうがいいのです。

 もし罪の意識を感じたら、

 「何に対して 罪悪感を覚えるのか?」 と 自分に問いかけてみてください。

 必要ならば、 それを改め、 二度と起こらないようにするための プランを立て、

 起こったことを肯定的に捉えてください。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

恐れ

2014年05月28日 20時15分28秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 恐れ

 恐れは、 あらゆる人間の苦悩の源です。

 恐れは心をとらえ、 緊張をもたらします。

 以下の恐れは、 non-BPDによく見られます。

・ BPDの人の 身の安全への恐れ

 (自殺の脅威が最も大きな恐怖)

・ 相手と衝突することの恐れ。

・ 見捨てられる恐れ

・ 失敗への恐怖 (例えば 結婚に失敗したなど)

・ 未知への恐れ。

・ BPDの人の恐れが 現実になる恐れ。

 恐れで行き詰まったら、 その恐れを具体的に特定してください。

 「衝突を恐れている」 と言うのではなく、

 「彼が言い争いを始めることを 恐れている」 と言えば、 より具体的です。

 そして、 自分への問いを続けてください。

 「すると、 どうなるの?」

 「彼は大声を上げる」  (次はどうなるの?)

 「私は嫌な気分になる」  (それで、 どうなるの?)

 「私は家を離れて、 彼が落ち着くまで待つ」

 “すると、 どうなるの?” への答は、 皆さんが思うほど恐くないかもしれません。

 恐怖をなくすためには、 自分の能力への 信頼を高めることです。

 「何が起こっても、 どんな状況でも、 私は対処できる」 と 言えるところまで、

 自分への信頼を高めることです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情的な虐待による 不健全な絆

2014年05月27日 21時55分57秒 | 「BPDファミリーガイド」より

 何が原因で 行き詰まり感が続いているのでしょうか?

 ノン・ボーダーの人は 以下のような理由で、 行き詰まり感を感じています。

・ 感情的な虐待による 不健全な絆

・ 恐れ

・ 義務感, 役割, 責務

・ 羞恥心の入り交じった罪悪感

・ 自尊心の低さ

・ 救ってあげたいという気持ち

○ 感情的な虐待による 不健全な絆

 感情的な虐待とは、 相手をコントロールしたり、 孤立させたり、

 名誉を傷つけたり、 恐怖を植えつけたりすることです。

 特徴は、 言いがかり, 理不尽な要求, 絶え間ない混乱などです。

 感情的な虐待を受けると、 意欲をなくしたり、 混乱したりし、

 次のように考えてしまいます。

「私は悪い人間なのか?  それとも、 単に 彼女を喜ばせられないだけなのか? 

 この関係を続けるべきか?  やめるべきか? 

 私はひとりでは何もできない。 誰も私を愛してくれない」

 虐待されている側が、 苛めている側に好意を持ってしまう、

 「ストックホルム症候群」 が起こります。

 これには以下の要素があります。

・ 虐待者が、 身体的, 精神的な脅威を 与えているという思い。

・ 虐待者が、 被害者に 小さな親切をしているように見える。

・ 虐待者の見方以外で 状況を見られなくなる。

・ その状況から抜け出せないという 思い込み。

 以下は、 ストックホルム症候群の兆候です。

・ 「彼女は酷いことをするけれど、 とにかく彼女を愛してるんだ」

・ 他人から忠告を受けても 聞く耳を持たない。

・ 小さな親切に対して、 虐待者を良い人だと思う。

  虐待しないことがあると 良い人だと思う。

・ 虐待者の行動の言い訳をする。

・ 虐待者が怒らないようにすることばかり 考えている。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パワーツール2 : 行き詰まり感の原因を明らかにする

2014年05月26日 21時42分10秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 以下の質問の多くに  「はい」 と答える人は、 行き詰まっているでしょう。

・ どれを選んでも危険で動けない、 でも何かせざるを得ないように感じている。

・ 皆さんのニーズより、 BPDの人のニーズの方が重要だという 暗黙の了解がある。

・ BPDの人との関係を良くするには、 相手が変わる必要がある。

  しかし 相手は長続きしそうにない。

・ 長期的に耐えられないと気付きながら、 妥協している。

  しかし後戻りできない。

・ 関係が良すぎて手放せないとともに、 悪過ぎて続けられない。

 二重拘束の状況では、 徐々に追い詰められて、 不意をつかれます。

 ノン・ボーダーの人は、 そんな罠を ボーダーの人のせいだと考えます。

 しかし ノン・ボーダーの人の中にあるニーズが、

 ボーダーのパートナーを 選んでいるのかもしれません。

 二重拘束は、 皆さんの側の問題も多いのです。

 感情的な罠の原因を 明らかにして解決することが、

 BPDの人との関係を進展させ、 苦悩の度合いを減らします。

 自分の運命をコントロールしたいのは、 普遍的な動機です。

 それがあれば 内的な満足感を得られ、

 それがないと 絶望, ストレス, うつの危険にさらされます。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花屋さんからBDプレゼント  (^^)

2014年05月22日 21時37分05秒 | 「境界に生きた心子」

 毎月 心子の月命日 (17日) 前後の 墓参りは、

 心子に似た花屋さんに 会うのが楽しみになっています。

 今月は行くのが遅れて、 僕の誕生日 (23日) の直前になりました。

 花屋さんにそのことを漏らしたら、 嬉しいことにBDプレゼントをしてくれました。
(^^)

 かわいいハーブ (タイム) の苗です。

 葉っぱを少し摘んで、 3分くらいお湯に浸すだけで、 ハーブティができるそうです。

 試しにいただいてみました。

 普段ハーブなど 全く飲まないのですが、

 すがすがしい香りを 楽しむことができました。

 ところで、 花屋さんは 心子の本を読んでくれているので、

 僕の年を知っているはずなんですが、 忘れていたらしく、

 年齢を言うと驚いていました。

 10才以上若いと思っていたと。

 職場でも何人かの人に 同じことを言われたんですが、 喜んでばかりもいられません。

 最近は脳の衰えが顕著で、 記憶力や注意力その他が 低下して困っています。
(・_・;)

 老化現象は 従容と受け入れていくと同時に、

 アンチエイジングで活性化する努力も 必要かなと思っているこの頃です。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

その他のパワーツール1: 自分自身を大切にする (3)

2014年05月17日 21時29分43秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 少し眠りましょう

 ほとんどの人は、 普段眠っているより60~90分、 多く寝る必要があります。

 睡眠不足によって、 心臓病の危険性が高まります。

 課題をなすことも難しくなります。

○ スピードを上げてみましょう

 30分間の早歩きをするだけでも、 知力とメンタルヘルスの 働きが高まります。

○ 簡単な方法で 変化を起こしましょう

 1日5%ずつ変えていきましょう。

 5分間ウォーキングをしているなら、 次の日 それを5%分増やしてみましょう。

 「パワーツール1」 を振り返ってみてください。

 一番簡単で、 効果がありそうで、 できそうなことを 1つ選んでください。

 何かを始めましょう。

 そして明日、 または1週間後、 それを5%増やしましょう。

 それは “ものすごい成果” となります。

 前に進んでいる限り、 それがどんなにゆっくりであっても、 後退はしていません。

 そして、 成功は成功を生むということも 分かってきます。

 進歩は、 それ自体が報酬となります。

 自分を大切にするというのは、 食事のようなものです。

 仕事やトラブルで 消費するカロリーを、

 自分を大切にすることによって 補給できるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

その他のパワーツール1: 自分自身を大切にする (2)

2014年05月16日 22時14分51秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 充実した生活を送りましょう

 健全な生活を送るには、

 他の人たちとの付き合いや 外での活動, 日々の達成感が必要です。

 一人になって休息し、 考える時間も必要です。

 自分の能力に気付き、 満足感も得られるようなことをしてください。

 趣味は特に有効です。

 音楽を聴いたり、 レストランに行ったり、

 天気のよい日に外に出るのも よいでしょう。

 違う人と 違う環境に身を置くと、

 自己像が変わり、 より客観的に見ることができます。

 「普通」 とは何なのかを 思い出すことができます。

○ 深呼吸をしましょう

 私たちは危険を感じたら、

 「闘争 (敵に立ち向かう) か逃走か」 の反応が 働くように進化しました。

 現代では恐怖は、 激しくはありませんが 続いています。

 大抵、 闘うことも逃げることもできません。

 ストレス状態が続くと、 免疫システムが弱まります。

 腹式呼吸 (深呼吸) をすることで、 「闘争か逃走か」 の反応が 緩和されます。

 気分がよくなったり、 良く眠れたり、 集中力が高まったりします。

ステップ1:

 仰向けになってください。

 腰に負担がかからないように、 両膝の下に枕を置いてください。

ステップ2:

 体をリラックスさせてください。

 顎と両手を緩めて、 肩の力を抜いてください。

ステップ3:

 胸ではなく、 お腹で深呼吸をしてください。

 ゆっくりと、 深く息をしてください。

 緊張してきたと感じたら、 5分間はこれをやるようにしましょう。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

その他のパワーツール1: 自分自身を大切にする (1)

2014年05月15日 22時28分50秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 受け入れる練習をしましょう

・ 物事は今あるがままであり、

  コントロールできることでも、 治せることでもないのです。

  それは皆さんのせいではありません。

・ 皆さんは現在に生きています。

  過去の悪いことに思いを巡らし、 誰かを責めたりしないでください。

・ 最悪なことを受け入れれば、 あとは上がっていくしかありません。

 小さなことから 物事を受け入れていきましょう。

 ある女性は いつもいらいらして不機嫌でしたが、 考え方を変えることにしました。

 悪いことしか起こらないと 想定することにしたのです。

 すると、 小さなことで 素直に喜べるようになりました。

 できごとが苦痛をもたらすのではなく、

 できごとに対する解釈が 苦痛をもたらすのです。

 考え方は、 自分の感情に 計り知れない影響を与えており、

 問題自体とは別のものなのです。

○ 笑い、 この最良の薬

 微笑んだり笑ったりすれば、 エンドルフィン (モルヒネに似た物質) が作られ、

 痛みが和らぎ、 体はリラックスします。

ex. なぜ私たちは親をやっていけるのでしょう? 

  「私たちがいなければ、 メンタルヘルス業界は不景気になってしまうわ」

  「このロックンロールがやめられないんだ」

 家族の人たちは仲間内で、

 緊張をほぐしたり、 怒りを鎮めたり、 問題に対処するために ユーモアを使います。

 ユーモアは絆を深めたり、 病気の話をするうえで有効です。

 ユーモアで 敵意を減らすこともできます。

 ただ、 慎重に使いましょう。

 皮肉に聞こえたり、 裏目に出てしまうこともあります。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情をコントロールしましょう (3)

2014年05月06日 20時04分21秒 | 「BPDファミリーガイド」より

(前の記事からの続き)

o 自尊心: どのくらい低くできますか? 

 自尊心が低い人は、 自分の能力を疑います。

 人から大事にされなくても 当たり前だと思うのです。

 ノン・ボーダーの人の 自尊心が低い理由が 幾つかあります。

 あるノン・ボーダーの人は 次のように言っています。

 「怒りや批難が始まると、 私は肩身が狭くなりました。

 不条理な話ですが、 全部鵜呑みにしてしまいました。

 私が我慢して乗り切れば、 怒りは過ぎ去って、 “正常な” 状態に戻れます。

 少しずつ自分をだめにしていることに 気付かなかったのです。」

 問題によっては、 正しいことをしても、 どうしようもないものがあります。

 そうすると 自分が嫌になってしまいます。

 正しいのかどうか 疑問に思ってしまうのです。

 苦痛があるのは 自分が悪いからだという考えは、 断ち切る必要があります。

 皆さんが今まで、 信頼できる人から感謝された言葉を、

 書面に書いて見てみてください。

 彼らの言葉は、 BPDの人より 説得力があるのではありませんか? 

 自分に言ってみてください。

 「過去は終わった。

 私の人生だ。

 私を愛してくれて、 気分よくいられる人たちと 一緒に過ごそう。」

 専門的な援助を求めてください。

 自分自身と、 自分の直感を 信じられるようになれば、 自尊心がついてきます。


○ 物事を 個人的に受け取らないようにしましょう

 人の言うことを 個人的に受け取ると、

 罪悪感や羞恥心を抱いたり、 自尊心を失ったりします。

 他の人の行動を コントロールしようとするのは、 全く無駄な努力です。

 個人的に受け取るのは、 ふたつの段階から成ります。

 まず BPDの人の行動 (非難や侮辱など) が起こります。

 そして、 次のような考えがよぎります。

・ 私が彼女を怒らせた

・ 彼は私を傷つけようとしている

・ 彼女の言うことは真実だ

 ひとつ目を止めることはできません。

 しかし ふたつ目から来る痛みは 止めることができます。

 物事を個人的に捉えると、

 相手の立場に立ったり 共感する機会を失ってしまうでしょう。

 BPDの人の非常識な行動は、 脳の障害によるものなのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情をコントロールしましょう (2)

2014年05月05日 21時03分16秒 | 「BPDファミリーガイド」より

(前の記事からの続き)

o 無罪!

 “良い罪悪感” は 私たちに注意を促してくれます。

 “悪い罪悪感” は 誰の利益にもなりません。

 罪悪感は 色々なところからやってきます。

1.本能的なもの

 不合理な 親の罪悪感というものがあります。

 もっと何かをしてあげられたら、 またはしていなければ、

 自分の子は立派になったのに、 と思い込むことです。

2.文化的なもの

 社会では、 子供の行動上の問題に対して、

 いつも親 (特に母親) に 責任があるとされます。

3.固定観念

 BPDの人が子供の頃、 親から虐待を受けていたという 固定した味方があります。

4.家族からのもの

 ノン・ボーダーの人が境界を設けたりすると、

 BPDの人は 罪悪感のボタンを押します。

 罪悪感によって、 皆さんは惨めになります。

 考えがぼやけ、 悪い決断をしてしまいます。

 しかしもっと別のことに エネルギーを使うべきです。

o怒り

 怒りがある場合、 何かを変える必要があります。

 ノン・ボーダーの人の中には、 怒りを抑え込み、 気付かない人もいます。

 怒りは発散されずに溜まり、 うつや恨み, 激怒に繋がってしまいます。

 体の病気の原因にもなります。

 怒りを うまく処理することも大切です。

 人に誤解されて 怒りを感じたら、

 「誰にも分かってもらわなくていい」 と 自分に言い聞かせてください。

 障害とBPDの人とを、 別個に考えてください。

 安全で健全な怒り方を 見つけましょう。

 ひとりでいられる場所で、

 怒りを感じている相手 (自分) と 向き合っていると想定し、

 言いたいことを叫んでください。

 送らない手紙を書くのもいいでしょう。

 今まで気付かなかった 感情も出てきて、

 自分に深いあわれみを 感じるかもしれません。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感情をコントロールしましょう (1)

2014年05月04日 21時24分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より

 愛する人がBPDの人なら、

 計り知れない心配, 罪悪感, 自尊心の低下, 怒りなどがあるでしょう。

 心配と罪悪感は 親によく見られます。

 BPDの子供は大人になると、 自分に自信を持てず苦しみます。

 パートナーがBPDの人なら、 怒りが感情の大半を占めます。

 (親は怒りを うつに変える傾向があります。)

o 心配しないで、 元気を出して

 BPDの気分の変化は予測不可能で、 電光石火で起こるため、

 先の予想がつきません。

《カーネギーの問題解決法》

 non-BPDは、 自分に問題解決能力があることを 忘れがちです。

 心配性にならない秘訣は、 自分の世界を区別することです。

 気分が悪いときは 気分の悪さを味わってください。

 泣いて叫んで、 悲鳴を上げて、 柔らかいものを壁に投げつけ、

 そして昼寝をしましょう。

 できることに焦点を合わせてください。

ステップ1:

 問題をひとつ選び、 それに関する事実を 落ち着いて集めてください。

 心配の半分は、 事実を把握する前に 決断しようとして起こります。

ステップ2:

 事実を分析してください。

 例えば、 お金や時間がないと言うのではなく、

 少しでも無駄にしている お金や時間がないか、 考えてみましょう。

 何が重要かを考えてください。

ステップ3:

 決定したら、 行動に移してください。

 すぐに諦めないでください。

 とはいえ、 BPDの人に 効果が見られない方法に 固執しないでください。

 ふたつを見極める要素は 時間 (数年) です。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サポートの輪を築きましょう

2014年05月03日 21時39分54秒 | 「BPDファミリーガイド」より

 皆さんにも援助チームが必要です。

o 皆さんのためのセラピスト

 専門のセラピストでさえ、 他のセラピストの 支援を必要とします。

 皆さんに助けが必要なのは 当然です。

 セラピストは中立的な立場から、 見なさの感情に耳を傾け、 それを承認し、

 BPDの人の考えと 事実との違いを指摘し、 皆さんの役割を教えてくれるでしょう。

 子供にも援助が必要です。

 論争の多い家庭環境が 子供に与える影響を 甘く見てはいけません。

o 友人と家族

 孤立しないでください。

 BPDの人に脅されるような生活は、 人間の生活ではありません。

 友人や家族ができるのは、 話を聞いてあげることです。

 彼らが答を出す必要はありません。

 聞く耳とハグできる腕があれば 大丈夫です。

 友人は現実チェックができます。

 BPDの人と付き合っていると、 何が普通なのか 分からなくなることがあります。

 バランスが重要です。

o コミュニティ

 コミュニティは、

 人間関係, 価値や興味, 共通の歴史などを分かち合う 人々の集まりです。

 近所でもオンラインでも、 繋がりが重要です。

 今では、 パソコンのキーを押すだけで、

 何千というコミュニティを見つけることができます。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする