「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人の行動に対する ノン・ボーダーラインの人の反応 (4)

2012年10月30日 19時54分37秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ 相互依存

 ノン・ボーダーラインの人は、 愛する人を助けようとして、

 親切な行動を取ろうとします。

・ 怒りを飲み込む

・ 自分自身の要求を無視する

・ 人には耐えられないような行動を 受け入れる

・ 同じ罪を何度でも許す

 ノン・ボーダーラインの人が 陥りやすい罠です。

 特に、 ボーダーの人が 不幸な幼少期を体験し、

 それを埋め合わせてあげようとする場合に よく起こります。

 ボーダーの人のために  (あるいは衝突を避けるために)、

 自分自身の要求を取り下げることが、 彼らの助けになると考えています。

 これは 不適切な行動を 助長・強化してしまいます。

 我慢し続けることが、 ボーダーの人の幸せに繋がることは まずありません。

 他の人は我慢を支持しないので、 孤立するかもしれません。

 あるノン・ボーダーラインの人は こう言っています。

 「妻が何をしても、 彼女を見捨てないように努力してきたよ。

 でもある日、 気付いたんだ。

 自分自身を見捨ててきたってことに」

 カウンセラーは ノン・ボーダーラインの人にこう言いました。

 「君は神ではない。 君の責任じゃない。

 君がその人を 良くすることなどできないんだ。

 君にできることは、 真実を受け入れることなんだよ。

 それと共に生きること。

 自分の人生を生きるために、 すべき決断をすることなんだ」

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーの人の行動に対する ノン・ボーダーラインの人の反応 (3)

2012年10月29日 20時05分49秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ ボーダーライン的な思考パターン・ 感情パターンへの適応

 ノン・ボーダーラインの人も、 物事を白か黒かで見たり、

 問題を 全か無かの考えで 解決しようとすることがあります。

 気分変動も頻繁に見られます。

○ 孤立

 ボーダーの人の言動は、 友情を育むことを困難にします。

 それは以下のような理由です。

・ ボーダーの人の尻拭いをしていると、 非常に疲弊するため、

  努力して友だち関係を続ける 価値がないと思ってしまいます。

・ 友だちは、 簡単な解決方法を提案しますが、

  誤解されたという感情が残るだけです。

・ ノン・ボーダーラインの人の言うことを 友だちが信じてくれなかったり、

  苦しんでいる話を聞くのに うんざりして、 友情を失ってしまうこともあります。


 ボーダーの人がノン・ボーダーラインの人に、

 他の人との関係を 断つようにと言い張り、 大抵それを受け入れてしまいます。

 ノン・ボーダーラインの人が さらに孤立すると、

 起こりうることが幾つかあります。

・ 彼らはボーダーの人に、 感情的に依存的になる

・ 現実世界との接点を失い、 比較するものがなくなるため、

  ボーダーの人の言動を 当たり前のように思ってしまう

・ 友人たちは、 二人の関係のおかしな所を 指摘できなくなってしまう

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーの人の行動に対する ノン・ボーダーラインの人の反応 (2)

2012年10月28日 18時44分29秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ 罪悪感と羞恥心

 繰り返しの非難には 洗脳の効果があります。

 ノン・ボーダーラインの人は、 問題の原因は 自分にあると思い込むようになります。

 子供にそのようなことが起こると、 とても大きなダメージになります。

 子供は親を非難したり、 疑問を持つ能力がないからです。

 ボーダーの人の親もまた、 自分をひどい親だと 思い込んでしまいます。

 自分を非難し、 自分の過ちを見つけ出そうと 躍起になる人もいます。

 生物学的問題が原因ということになっても、

 親は子供の生物学的遺伝に 責任を感じてしまうのです。

○ 不健全な習慣を身につけること

 過度の飲酒, 過食, 物質乱用などは、 一般的によく見られるものです。

 これらがより習慣的となり、 根深いものになるにつれ、

 状況はさらに複雑なものになります。


○ 過覚醒と身体疾患

 ノン・ボーダーラインの人は、  「警戒している」 状態にいます。

 それには、 身体的にも心理的にも 高い覚醒状態が必要で、

 ストレスへの抵抗力が 失われる可能性があります。

 頭痛, 腫瘍, 高血圧 その他の病気が現れるかもしれません。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーの人の行動に対する ノン・ボーダーラインの人の反応 (1)

2012年10月25日 20時26分09秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○ 当惑

 BPDの中核的な特徴である  「衝動的な攻撃性」 と呼ばれる反応に、

 当惑してしまいます。

 衝動的な攻撃性は、 拒絶や見捨てられの脅威によって 引き起こされます。

 攻撃性は外に向けられたり、 内 (自分自身) に向けられたりします。

○ 自尊心の喪失

 感情的虐待は 人の核心部分まで傷つけ、 身体的虐待よりも ひどい傷痕を残します。

 状況を判断できなくなるまで、 被害者の自尊心を蝕んでいきます。

 被害者は 虐待の責任は自分にあると 考えてしまいます。

 自分には何の価値もないと 確信するようになり、

 他に行くところがなく、 虐待の場に留まり続けるのです。

 究極的な恐れは、 独りぼっちになることです。

○ 罠にはまったような、 どうしようもない感じ

 関係の罠に はまってしまったと信じ、 そこから離れられないように思えます。

 必要以上に責任を感じたり、 過度の罪悪感を抱くかもしれません。

 自殺や 人を傷つけるという脅しは、 ノン・ボーダーラインの人に 無力感を抱かせ、

 関係から離れることが 危険であると感じさせるのです。

○ 引きこもり

 ノン・ボーダーラインの人は、 その状況から 離れようとするかもしれません。

 仕事に没頭したり、 間違いを言わないよう沈黙したり、

 関係を終わりにすることなどです。

 それは ボーダーの人の見捨てられ感を誘発し、

 より激しい行動化を 引き起こすかもしれません。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーの人の行動を受けた ノン・ボーダーラインの人の悲哀

2012年10月23日 21時01分02秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 キューブラー・ロスは、 「続・死ぬ瞬間」 の中で、

 悲嘆反応 (喪失体験のプロセス) の 5段階を述べています。

 ボーダーの人を気遣っている ノン・ボーダーラインの人にも当てはまります。

○ 否認

 彼らの行動が普通でないことを 認めようとしない時があります。

 ノン・ボーダーラインの人が 社会から孤立しているほど、

 情報が入ってこないため、 否認する機会は増えます。

 ボーダーの人は 自分の行動を ノン・ボーダーラインの人のせいにするので、

 ノン・ボーダーラインの人は 否認を続けることになります。

○ 怒り

 怒りに対して、 怒りで反撃する人がいます。

 火に油を注ぐようなものです。

 ネガティブな感情も 全て正常なものであり、 感情はただ存在するのです。

 感情を発散し、 受け入れてもらえる 安全な場所が必要です。

○ 取引

 この段階では、 愛する人の行動を  “正常” に戻すために、

 何らかの譲歩をします。

 ボーダーの人が望むことをすれば、 必要なものが手に入るだろうと 考えるのです。

 しかし支払う代償は 非常に大きいものです。

 譲歩は これで充分ということはないでしょう。

 要求はさらに大きくなり、 新たな取引をしなければならなくなります。

○ 抑うつ

 取引に支払った 代償の大きさに気付いたとき、 うつ状態に陥ります。

 友人や家族, 自尊心, 趣味その他を失ってしまうのです。

○ 受容

 ボーダーの人の  「良いところ」 と 「悪いところ」 を 統合し、

 彼らは両方を併せ持っていると 気付いたとき、 受容の段階が生まれます。

 ノン・ボーダーラインの人は 自分の選択に 責任を持てるようになり、

 人もまた その人の選択に責任があると 考えられるようになります。

 自分自身とボーダーの人を理解したうえで、

 二人の関係をどうしていくか 決めることができるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ノン・ボーダーラインの人に 共通する思考パターン

2012年10月22日 19時39分45秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より

 以下に示した思い込みの、 あなたはどれに当てはまるでしょうか。

○ 信念と事実

(間違った信念に対して、客観的な事実を記します。)

信念: 二人の間の問題は、 全て私の責任

事実: それぞれが 50%ずつの責任を負っている

信念: ボーダーの人の行動は、 全て私に関連している

事実: 彼らの行動は、 生物学と環境の組み合わせによる 複雑な障害の結果

信念: 私には、 ボーダーの人の問題を 解決する責任がある

    私がやらなければ、 他に誰もやろうとはしない

事実: ボーダーの人の人生を 引き受けようとすることは、

    彼らには 自分の面倒を見る能力が ないと伝えているようなもの

    自分自身に焦点を当てることで、 あなたは関係を変える 機会を無にしている

信念: ボーダーの人に、 私が正しいことを分かってもらえれば、 問題は解決する

事実: あなたにどれだけ説得力があっても、 相手を思い止まらせることはできない

信念: 彼らの非難が 間違っていると証明できれば、 彼らは私を信用してくれる

事実: 信頼の欠如は、 BPDの証

    あなたの行動には 何の関係もない

信念: 誰かを本当に愛しているなら、 その人の虐待にも耐えるべき

事実: 自分を愛しているなら、 他人に あなたを虐待させるべきではない

信念: BPDはどうにもならない

    だから彼らに 行動の責任を持たせるべきでない

事実: 手助けがあれば、 行動をコントロールできるようになる

信念: 境界を設けることは、 ボーダーの人を傷つける

事実: 境界を設けることは、 あらゆる関係にとって不可欠

信念: 何かをしてうまくいかなくても、 うまくいくまで諦めるべきでない

事実: うまくいかなかったことから学び、 新しいことを試してみる

信念: 常に愛情, 理解, 支持, 無条件の受容を 提供しなければならない

事実: その人を愛し、 受け入れることと、

    その人の行動を 受け入れることは異なる

    不健全な行動を受け入れることは、 それを助長し、 苦しみを永続させる

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーラインの人の行動が あなたに及ぼす影響

2012年10月21日 19時02分45秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 ボーダーの人と生活するのは、 圧力鍋の中で暮らすようなものです。

 ボーダーの人は 自己嫌悪が強いため、 次のようにするかもしれません。

・ 周囲の人が 自分を嫌っていると責めたてる

・ 批判的になったり、 みな自分から離れたがると 怒りを表す

・ 他人を責め、 自分を被害者にしたてる

 こうした行動にさらされていると、 人はこの力関係に 巻き込まれてしまいます。

 不快な感情の罠に はまったように感じます。

 そして役に立たない, あるいは状況を悪化させるような 対応をしてしまいます。

 ボーダーの人の 不健全な振る舞いは強化されます。

 彼らに責任がある言動に、

 ノン・ボーダーラインの人が 責任を負ってしまうからです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

愛情を試す / 子供っぽい世界観

2012年10月19日 20時39分13秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○ 愛情を試すこと

 あなたの目からは、 彼らが 見捨てられ/飲み込まれダンスの振付師で、

 あなたはぐるぐる回され、 目が眩むように見えるでしょう。

 でも彼らは、 自分の行動に あなたがどう反応するのか 予測できず、

 不確かで不安な 気持ちになっているのです。

 無力感を味わい、 何とかコントロールを取り戻そうとします。

 自殺すると脅したり、 あなたには操作的に見えるやり方で、 行動化を起こすのです。

 あなたが どれほど愛してくれているかを 試すことで、

 ダンスの主導権を 握ろうとする人もいるでしょう。

 約束の時間にわざと遅れ、 あなたが帰って 彼らの試験に “不合格” になれば、

 彼らは 自分の価値のなさが 証明されたと感じるかもしれません。

 あなたが試験に “合格” すると、 行動をエスカレートさせるかもしれません。

 ついに あなたの堪忍袋の緒が切れれば、

 あなたは悪者になり、 彼らは被害者になるのです。

 あなたは 不思議に思うかもしれません。

 「何のための試験なんだ? 

 何が起こっても、 二人とも試験に失敗するというのに」

 しかし、 ボーダーの人の世界では 意味があるのです。

○ 子供っぽい世界観

 多くの 大人のボーダーの人は、自分の世界観が 子供っぽいと気付いています。

 ボーダーの人の思考パターンは、 幼児期の発達段階に似ています。

 あるボーダーの人たちは、 次のように言います。

 「きちんとしていても、 心の中は 怒りと恐怖でいっぱいの 子供なの。

 2才の子供に  『大人になれ』 とは言わないでしょう? 

 だから 私にも言わないでほしいの。

 大人になりたくないわけじゃない。

 ただ できないだけなの。

 感情に支配されることが、 面白いわけがない」

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーラインの人の行動パターン (2)

2012年10月18日 20時25分18秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○見捨てられ不安と飲み込まれ恐怖

 時にボーダーの人は、

 「離れていてよ。 もう少し近いところで」 と 言っているかのようです。

 この行動パターンは、 ふたつの相反する 根源的な恐怖から生じます。

 見捨てられることへの恐怖と、

 人にコントロールされたり 飲み込まれたりする恐怖です。

・ 見捨てられ不安

 幼いときは誰でも 見捨てられ不安を経験します。

 成長するにつれて、 自立して、 家族の加護から 離れていこうとします。

 2才の子供は、 得意気に遊び場を走り回り (自立)、

 転ぶと 泣きながら親の所へ 駆け寄っていきます (依存)。

 次第に 双方のバランスが取れるようになり、 成人期には、

 見捨てられ不安や飲み込まれ恐怖に 支配されることなく、 自立を果たします。

 ボーダーの人は、 他者に没入したい衝動と、 自立願望の間で 引き裂かれます。

 ある時は 親密さや保護を求め、 ある時は あなたを遠ざけようとし、

 つじつまが合わないものになります。

・ コントロールを失うことへの恐れ

 ボーダーの人は、 人が近づきすぎると 飲み込まれそうに感じたり、

 コントロールを失うような 恐怖を感じます。

 あなたが 彼らと親密になり、 彼らの本当の姿を 目にすると、

 不快感を覚え、 彼らから離れていくことを、 彼らは恐れています。

 そして 傷つくことを恐れて、 距離を取るようになります。

 しかし 距離を取れば孤独になり、 見捨てられ不安は強まります。

 再び 死に物狂いで親密さを求め、 このサイクルが繰り返されるのです。

 サイクルは 数日, 数週間, 数ヶ月, 数年単位かもしれません。

 親密度が高まるほど、 見捨てられや飲み込まれの問題も 深刻になります。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

ボーダーラインの人の行動パターン (1)

2012年10月17日 21時40分04秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○勝ち目のない状況

 ノン・ボーダーラインの人のほとんどは、

 ボーダーの人に 勝ち目のない状況に 追い込まれるように感じます。

 これは  「全てあなたが悪い」 の バリエーションのひとつかもしれません。

 他人を 勝ち目のない状況に追いやることで、 自分の正当性を確認するのです。

 長い目で見れば、 人を遠ざけて、 自分を傷つけることになるのですが。

 あるいは、 ボーダーの人は 解離を起こしているかもしれません。

 極めて強い感情的ストレスのある人は、

 自分の以前の言動を 思い出せないことがあります。

 ボーダーの人は 自己に一貫性を欠いているため、

 人を勝ち目のない状況に 追いやるように見えるのかもしれません。

 ボーダーの人が 何かを欲しても、 あとになって 欲しいものは変わってしまいます。

 しかし 羞恥心とスプリッティングが起こるため、

 一貫性がないと 認めることはできません。

 彼らは あなたのほうがおかしいとさえ 言うでしょう。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

全てあなたが悪い

2012年10月16日 19時33分27秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より

 延々と続く非難や批判も、 外に向かって行動化する人の 防衛機制です。

 批判は、 事実を誇張したものだったり、 一方的な空想だったりします。

 これも 見捨てられ不安に関連しているかもしれません。

 ボーダーの人の 無意識な思考過程は、 次のようなものです。

 「もし私に 間違ったことがひとつでもあれば、 私の全てが間違っている。

 皆は私を見捨てるだろう。

 だから私には 間違ったところなどあってはならない。

 あるとすれば、 それは誰かのせいだ」

 怒りや衝動も、

 実際には 関心を引き出すための、 見当違いの試みに過ぎないのです。

 批判に異議を唱えたり、 自分を守ろうとすれば、

 彼らはあなたを 防衛的だとか神経質だとか 非難するかもしれません。

 彼らの生存がかかっているので、 母熊が小熊を守るように、

 どう猛になって 自分を守ろうとするのです。

 危機が過ぎ去ると、 彼らは

 あなたがまだ腹を立ててるのを 不思議だと言わんばかりに 振る舞うかもしれません。

 あなたに 空虚な内部を見られないようにしているのです。

 あるいは解離を起こして、 全く異なったことを 思い出しているかもしれません。

 もちろんあなたは 不快感を覚えます。

 このサイクルが 何度も繰り返されます。

 あるボーダーの女性の言葉です。

 「彼をけなすときは、 見捨てられたとか、 彼が愛してくれないって感じてる。

 すごく恐いの。

 どうしていいか分からなくなって、 わめき散らしてしまう。

 あとになって、 彼がいなければ どうにもならないと気付いた。

 恥ずかしくなって もう二度と そんなふうにしないと誓うの。

 でもいつも そうしてしまう。」

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

あなたが鬼 : 投影というゲーム (2)

2012年10月15日 19時35分31秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

・ 投影のもうひとつの目的 : 再び注意を向けさせること

 ボーダーの人は、 自分が完璧でないと分かれば、

 あなたに見捨てられるだろうと 無意識のうちに恐れています。

 否定的な性質や感情を あなたに投影することは、 彼ら自身の完璧なイメージに、

 あなたの注意を 再び向けさせようとすることなのです。

 ボーダーの人が言うことの中に 正しい点があるかどうか、 吟味してみてください。

 全てが投影というわけではありません。

 しかし投影を行なっていたら、 ゲームをストップし、

 「鬼」 になることを 慎重に断る必要があります。

・ 投影のプロセス

 ボーダーの人の中には、

 自分の存在そのものに 根本的な欠陥があるとして、 羞恥心を感じている人がいます。

 しかしスプリッティングのため、

 欠点を認めれば 自分が完璧でなくなってしまうので、 どんな欠点も否定します。

 こうして投影が完成されます。

・ 投影性同一視

 ボーダーの人に 非難され続けていると、

 あなたが それを真実だと 思い込んでしまう場合があります。

 非難が事実になるように、 あなた自身が 行動し始めることさえあります。

 これを 「投影性同一視」 と呼びます。

 ボーダーの人の批判に 洗脳されるように感じる人もいます。

 「嘘もつき通せば、 みんな信じるようになる」 という、 予言のようなものです。

 子供は未成熟なので、 投影性同一視の影響を 非常に受けやすくなります。

 親が期待していることをしなければ (悪いことも含めて)、

 親の愛情を得られないと 感じてしまいます。

 成人でも、 自己評価が低く、 アイデンティティが脆弱な人には、

 投影性同一視は 大きな影響を与えます。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

あなたが鬼 : 投影というゲーム (1)

2012年10月14日 21時24分26秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 ボーダーの人の中には、 ネガティブな感情を和らげるために、

 「あなたが鬼」 というゲームを する人がいます。

 ボーダーの人は 自分を 「鬼」 のように感じており、

 他の人たちが自分から 逃げていくように思ってしまいます。

 誰かと鬼ごっこをして その人を 「鬼」 にすることで、

 この苦しみに対処しようとします。

 これが 「投影」 と呼ばれます。

 投影とは、 自分の中にある 不快な性質や行動, 感情を、 他の人のせいにして、

 自分では認めようとしないことです。

 手鏡で自分を見るようなもので、 鏡の中の自分を醜いと思ったち、

 鏡を裏返すことで、 醜い顔を自分ではなく、 他の人のものにするのです。

 あるボーダーの人は、 自己嫌悪の中に どっぷり浸かっていると、

 憎しみが洪水のように 周りの人や物に溢れていく、 と言っています。

・ 投影を理解する

 時に投影は、 事実に基づくものを 大げさにする場合があります。

 例えば あなたがイライラしていると、

 ボーダーの人は 自分を憎んでいると言って、 あなたを責めるかもしれません。

 あるいは、 投影が 全くの想像から 生じる場合もあります。

 あなたが店員に尋ねているだけで、

 ボーダーの人は イチャついていると責めるかもしれません。

 それでしばらくは 気が楽になりますが、 苦しみは戻ってきます。

 そして ゲームは繰り返されるのです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

粘るゴーヤ

2012年10月12日 23時09分24秒 | Weblog
 
 ゴーヤの葉は 緑が少なくなり、 多くが黄色くなったり枯れたりして、

 カーテンも隙間だらけで、 すっかり不体裁になってきました。

 それでも 花や蕾が付いてます。

 実はぼつぼつ収穫してますが、

 また新しいのも見つかり、 今も30個近くなってます。

 小さい実が多く、 食材になる大きさまで 育たないかもしれないものもありますが。

 でも一番大きいのは 17センチ余りで、 まだ伸びてます。

 粘ってますね、 ゴーヤ。  (^^;)


 今日までの献立ては、以下のようなものです。


キム玉丼の和風あんかけ
キムチと半熟卵とあんかけが 相まって、 とても美味。


ビーフステーキ
TVでも紹介された 近くの安い肉屋で、 安売りしてました。
格安なのに柔らかく、 ミディアムレアでうまく焼けました。  (^-,^)


タニタのあんかけ丼
炒めるのではなく ゆでることで、 カロリーを抑えてます。


豚しゃぶサラダ
しゃきしゃきパリパリでした。


煮込みハンバーグ
付け合わせも、 玉ねぎ替わりの具も ゴーヤです。


天ぷらの卵とじうどん


豚肉の塩炒め


フリット
 

ボーダーラインの人の 行動の理解

2012年10月11日 20時44分21秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

○ ボーダーの人によく見られる 思考パターン

 彼らの無意識の想定は、 あなたのものとは 非常に異なっています。

 以下のようなものがあります。

・ いつでも私は、 大切な人たち皆から 愛されなければならない。

  そうでなければ、 私には価値はない。

・ ある人々は善良で、 全ての面で完璧だ。

  ある人々は悪人で、 罰を受けなければならない。

・ 感情や行動を、 私はコントロールできない。

・ 誰も、 私がその人を思うほどには、 私のことを大切に思ってくれない。

・ 私をひどく扱えば、 私はひどい人間になる。

・ 孤独なとき、 私は 何の価値もない人間になる。

・ いつでも私を愛してくれる、 完璧な人を見つけたら、 私は幸せになる。

  でも、 それに近い人が 私を愛しても、 その人には何か問題がある。

・ 誰かの何かが必要なとき、 それを手に入れられないのは 耐えられない。

○ 感情が事実を作り上げる。

 普通の人は、 感情は事実に基づいています。

 しかしボーダーの人は、 事実を感情に合わせて 修正してしまうことがあります。

 例えば、 夫がボーダーの妻に、

 友だちと飲みに行くから 帰りが遅くなると 電話したとします。

 妻は不安になり、 夫には飲酒の問題があると言ったり、

 自分より友だちと一緒にいるなんて 酷い人だと言うかもしれません。

○ 合理化

 合理化も、 よく用いられる防衛機制です。

 都合よく理由を付けて、 自分を納得させることです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕