「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「フラット革命」 に 「境界に生きた心子」 が引用 (2)

2007年11月29日 22時14分40秒 | 「境界に生きた心子」
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51433787.html からの続き)

 拙著を紹介してくれた 瑞穂さんは、インターネットの 出会い系のサクラという、

 一風変わった アルバイトをしていました。

 当時 瑞穂さんは、離婚騒動で 精神的にぼろぼろになっており、

 何か救いを求めていました。

 サクラではありますが、瑞穂さんはそこに 純粋な出会いも 求めていたのです。

 相手の男性に 好意を感じると、実際に会ったり、結びついたりしました。

 瑞穂さんは 佐々木氏のインタビューで こう述べています。

「いろんな男友だちと お仕事を通じて知り合い、

 からだの関係だけでなく 安心感や安らぎを 感じることができたり、

 人間として尊敬できる相手に 知りあえたっていうのには、

 本当に感謝してるんですよ。

 このあたりの気持ちを、男性にも知ってほしいなって 思います。」

(「フラット革命」より)

 佐々木氏は このような純粋さを ボーダーの中に見取り、

 拙著の引用をしてくれました。

 しかし、瑞穂さんが 拙著を佐々木氏に紹介したのは、

 別のことを 理解してほしいからでした。

 ボーダーの人の持つ 果てしない孤独感、そこから 人との繋がりを渇望する、

 ボーダーの心理には そういうものがあるということを、

 知ってほしかったというのです。

 ボーダーの女性が 出会い系に関わることは多く、依存相手を欲したり、

 彼氏だけでは 空洞が埋めきれず 他の男性を求めたり、

 際限のない飢餓感が 彼女たちに共通しているといいます。

 確かに僕も そう思います。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51497908.html
 

「フラット革命」 に 「境界に生きた心子」 が引用 (1)

2007年11月27日 22時14分15秒 | 「境界に生きた心子」
 
 拙著「境界に生きた心子」が、話題作 「フラット革命」(佐々木俊尚/講談社)に

 引用されました。 (^o ^)/

 「フラット革命」 は、元毎日新聞記者の 佐々木俊尚氏が、

 その豊富な 取材経験を生かして、

 インターネットがもたらす 新しい世界の変容を 描いたものです。
 
 その中で、取材を受けた 瑞穂さんが 境界性パーソナリティ障害で、

 佐々木氏に ボーダーを理解してもらうため、拙著を紹介してくれたのです。

 瑞穂さんは 僕のブログにもお越しいただいており、

 拙著が引用されたことを 知らせてくれました。

 その引用部分を 紹介させていただきます。

(前半は 佐々木氏の地の文で、『  』 の部分が 拙著からの引用です。)

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 ボーダーは当初、統合失調症(精神分裂病)と 神経症のどちらにも分類できない

 境界線上にあることから そのような名前がつけられたが、

 その後、独立したひとつの精神疾患として 認識されるようになった。

 その内容をひと言で説明するのは難しいし、この本の目的でもないので省くけれども、

 ある書籍からの 短い引用をしておきたい。

 瑞穂が 私に勧めてくれた「境界に生きた心子」(稲本雅之、新風舎、二〇〇五年)

 という書籍である。

 漫画家の男性が、境界例の女性との生活を 描いたノンフィクションだ。


『境界例の人は 何か純粋なものを待望している。

 良くも悪くも 世の常識に染まることがない。

 普通の人間は、自分と周りとのバランスを取ったり 達観したりしながら、

 より多様で柔軟な人生観を 見いだしていこうとする。

 それとも 現実とぶつかることを回避して、本音と建前を使い分けたり

 長いものに巻かれたり、事なかれ主義で浮世を渡っていく。

 しかし境界例の人は 決して世間ずれすることがない。』


 その「純粋なもの」を求める気持ち、

 出会い系にさえ 純粋なきずなを求める気持ちは、瑞穂にも強くあった。

 その意味で 彼女はやはりボーダー気質である。

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 拙著が引用された(のを知った)のは 初めてですが、

 やはり素朴に 嬉しいものですね。

 全く別分野の本ですが、少しでも知られるのは ありがたいことです。

(「フラット革命」 については後述。)

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51466890.html 
 

新しいパソコンが来た!

2007年11月24日 14時24分43秒 | Weblog
 
 待望の 新しいパソコンが 届きました! 

 今までは ノート型でしたが、今度は デスクトップです。 (^^)

 でも また環境を設定するのに 1日~2日かかるんじゃないか、

 と思ったのですが、

 段ボールを開いて 組み立て、ネットやワープロソフト他、

 ルーティーンの 操作環境が整うまで、6時間ほどで できてしまいました。

 ノートと違って デスクトップは機器が増えて 煩雑ですが、

 説明書も 全く見ませんでした。

 一昔前は、パソコンは 素人が独りで 組み立てることもできないと

 言われていたのに、実に 簡単になったもので、感銘します。

 インターネットも モジュラーを差し込むだけで、即 使用可能。

 アクセスポイントで ネットに繋げていたときは、

 プロバイダーに電話をして 指示に従いながら、

 幾つも幾つも 入力をして 設定していたのに、正に 隔世の感です。

 それが ほんの数年前だったのですから。

 前回リカバリーしたとき 難儀した親指シフトは、

 今回は パソコンを購入した専門店で、

 最新のソフトを インストールしてくれたため、初めから そのまま使えました。

 スペックもアップしたので 動作も快適です。 (^^)

 特に、バックアップしておいたデータを 本体にコピーした時には、

 そのスピードが 今までの数十倍になっているのに 驚きました。

 Webページの表示も 早いですね。

 Cドライブは、今まで すぐ一杯になってしまっていたのが、

 40ギガになったので 余裕しゃくしゃく。

 モニターは17インチ。

(19インチもありましたが、解析度が同じだというので

 大きくする意味がなく、17にしました。)

 ノートパソコンは 15インチでしたが、

 今度のモニターは ノートより縦に長いため、面積は もっと広くなっています。

 インチ数は 画面の対角線の 長さですから、

 同じインチでも 正方形に近いほど 広くなります。

(算数の問題ですね。 (^^) )

 今までより ウィンドウを大分 大きくできるので、

 スクロールせずに見られて 便利です。

 これから また細かい設定や、付加価値を増やして いこうと思います。

 誠に ありがたい機械です。 (^^;)
 

「大統領暗殺」

2007年11月16日 21時17分06秒 | 映画
 
 アメリカのブッシュ大統領が 暗殺されたら? という モキュメンタリー〔*注〕。

〔*注: 架空の事実や人物に 基づいて作られる、虚構のドキュメンタリー。〕

 チェイニー副大統領など 実在の人物も、実名で 数多く登場します。

 現職大統領が殺されるという ショッキングなストーリーのため、

 世界中で賛否両論、アメリカでは 大幅に限定上映となった 超問題作です。

 花に飾られた ブッシュの遺影も 映されるのですから、

 現役の総理大臣が 死ぬ映画など、日本ではとても 考えられないでしょう。

 映画が作られたのは 2006年ですが、

 舞台は 2007年10月17日の 近未来に設定されています。

 シカゴで 演説を終えたブッシュ大統領が 銃弾に襲われます。

 架空のFBIや 犯人の妻に対する インタビュー,

 フィクションの映像,実際のニュース映像などを 交えながら、

 いかにも 事件が事実であるかのように 見せていくのです。

 観客は 何が事実で 何が虚構の映像か 区別がつかず、錯覚しそうになるうち、

 映画は 現実のブッシュの イラク政策などへの批判となっています。

 アメリカに同調した日本も 人ごとではありません。

 イスラムに対する偏見も あらわにされます。

 この映画は、9・11以後の世界に対する 挑発的な警告でもあります。

 下賤な趣味 という論評もありますが、

 ガブリエル・レイジ監督の 緻密な取材と、徹底的に リアリティに拘った

 演出と構成に裏付けられ、上質な作品に 仕上がっているでしょう。
 

「ある愛の風景」 (2)

2007年11月14日 21時40分40秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51200007.html からの続き)

 ある晩、ミカエルは 酒に酔って大暴れし、

 ついには警察と 銃を突きつけ合うことに。

 数奇な出来事を くぐり抜けてきたために、

 不幸にも 背負ってしまった苦悩に 胸が痛みました。

 何故 人間は苦しみ、傷つけ合わなければならないのか? 

 この映画は、「アフター・ウェディング」 とは違って、

 問題の解決を 示していません。

 しかし、事件について ミカエルが始めて口を開く ラストシーン。

 恐らく、ミカエルが少しずつ 心を開いていき、

 サラも それを受け止めていくだろうと 想像させます。

 苦悩を 分かち合うことによって、初めて問題は 解きほぐれていくでしょう。

 そこに 希望が見いだされます。

 リアルに、繊細に、丹念な エピソードを重ねていき、

 この作品でも 物言うクローズアップを 多用しています。

 大向こうを唸らせるような演出は 思い切りカットして、

 人間ドラマを 容赦なく描き出す スサンネ監督の手腕。

 重く、深く、胸に迫り来る 映画です。
 

 本作は ハリウッドでリメイクが 進んでいるそうですが、

 スサンネ監督の手を離れると、ただのメロドラマに なってしまいそうな……。

 そして スサンネ監督自身も、ハリウッドへの進出が 決まっています。

 中国の巨匠チェン・カイコー監督の ハリウッド作品のように、

 大がかりな2時間ドラマに ならないことを願っています。
 

「ある愛の風景」 (1)

2007年11月13日 18時24分52秒 | 映画
 
 先日書いた 「アフター・ウェディング」 と同じ、
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51118885.html )

 デンマークの スサンネ・ビア監督作品です。

 「アフター・ウェディング」 のほうが最新作で、アカデミー賞ノミネート、

 「ある愛の風景」は 2004年の作品ですが、

 日本では 2本が同時公開されています。

 優秀な兵士である 兄・ミカエルと、その妻・サラ、

 そして 刑務所帰りの弟・ヤニックの 人間模様です。

 ミカエルは アフガニスタンに出兵し、家族に 戦死が伝えられました。

 哀しみの中の サラと二人の娘、ヤニックはその支えとなり、

 サラと娘たちも すっかりヤニックを 頼りにするようになります。

 ある日、唇を合わせる サラとヤニック。

「どうかしてたわ」 「忘れよう」

 しかし 実はその間、ミカエルは 敵兵に捕らわれの身となり、

 砂漠の中で 拘束されていたのでした。

 ミカエルは、何としても生還して 再び家族と会うため、

 必死で希望を 持ち続けていました。

 そんな中で、ミカエルは生き抜くために、

 人間として最も酷烈な 罪を犯してしまうのです。

 しかし、そうしなければ 自分が殺される極限状況でした。

 凄まじい葛藤のシーンに、息が詰まります。

 殺伐とした砂漠の中での 幽閉生活と、罪業への呵責によって、

 ミカエルの精神は蝕まれ、内心はずたずたにされます。

 そこへ援軍が来て ミカエルは救出され、ついに 帰還することができました。

 しかし、事件のことは 決して誰にも言えません。

 喜んで迎えられる ミカエルでしたが、心はすさんでおり、

 サラとヤニックが ベッドを共にしたのではないかと 疑心暗鬼に駆られます。

 優しくて エリートだった人格も 変貌してしまいました。

 暴言を吐いて 娘たちにも恐れられ、家庭は ぎすぎすした空気に包まれます。

(続く)
 

女性が倒れた! (3)

2007年11月12日 22時31分51秒 | Weblog
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51165172.html からの続き)

 以前、バイト先で 僕が休みの日に、持病のある従業員が倒れて、

 みるみる 血の気が引いていき、救急車も間に合わず

 亡くなってしまったことがあります。

 僕は昔 人工呼吸と心臓マッサージの仕方を 教えてもらったことがあるので、

 その話を聞いた時、自分がいたら 救うことができたかもしれないのに、

 と思ったものでした。

 ところが、いざ実際に 目の前で人が倒れると、

 何をしたらいいのかも 咄嗟に判断できませんでした。

 後になって考えれば、心肺蘇生の場合、まずは 強く声かけをして、

 女性の意識の回復を 促すことから始めるのが、基本だったかもしれません。

 それから 呼吸の有無を確かめて (かすかな息の場合、難しいかもと思いますが)、

 倒れた人の顎を挙げ、首の下に 枕になるものを置いて、喉を伸ばして 気道を確保。

 仮に 心臓が止まっても 即死するわけではないから、

 とにかく 状況を正確に把握して、冷静に行動することが 必要でしょう。

 それから、マウストゥマウスで 人工呼吸を2回、心マを15回。

 心マは、みぞおちの少し上に 両手を重ねて乗せ、体重をかけて押します。

 ところが 一昨日僕がやったのは、

 片手で おっかなびっくり 胸を押すことだけでした。

 心マが適切な処置なのかも 分からなかったので、腰が引けてたのですが。

 人工呼吸もするべきなのか 分からなかったし、

 いきなり マウストゥマウスは躊躇するし。

(てんかんだとすれば 必要はなかったわけですが。)

 こういう緊急時に 的確に対処できるよう、

 誰でも 必ず講習などを受けられるように してほしいですね。

 人の命が関わることですから、費用や手間は 惜しんでいられません。

 公共施設に AED(自動体外式除細動器)が 設置されるようになってきましたが、

 こんなことでは 宝の持ち腐れで、正しく取り扱うことは できないでしょう。(;_;)

 でも 1回こういう経験をすると、

 次は もう少し落ち着いて 対応できるかもしれません。

 普段から 心づもりをしておくことが 大切でしょうね。
 

女性が倒れた! (2)

2007年11月11日 19時36分58秒 | Weblog
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51148233.html からの続き)

 きのうの記事の女性は、てんかんではなかったかと

 コメントを付けてくれた 人がいました。(ミクシィで)

 ネットで調べてみると、確かに 共通する症状があります。

(そういえば昔、てんかんのパンフレットを 読んだことがあるのを思い出しました。)

 てんかんは 症状も原因も 実に多種多様で、

 知識の普及がされていない 疾患だといいます。

 泡を吹いて倒れるなど、てんかんほど 誤解されている病気はない

 と述べるサイトもありました。

 きのうの女性の場合、卒倒,チアノーゼ(血流の減少で 唇などが紫になる),

 瞳が上に行く,呼吸が止まる,数分で自然に回復,失禁、などの症状が、

 てんかんの 大発作の症状と一致します。

(女性が倒れて 立ち上がるまで、1分足らずだったのではないかと思います。

 呼吸の有無は 確認できませんでした。)

 硬直や痙攣も 大発作の特徴のようですが、

 女性にはそれらは 見られなかったのではないか と思われます。

(手を動かしたのが 痙攣なのか?)

 突然倒れると 周囲の人は驚きますが、倒れたとき怪我をしないように 気を付けて、

 落ち着いて 見守ることが大切です。

 舌を噛むことはないので、口の中に ハンカチなどを入れる 必要はないそうです。

 むしろ、嘔吐した物が 気道をふさいでしまうことがあるので、

 口には何も入れず、首を横に向けて、吐物が 外に出るようにすること。

 ただ、舌を噛む,泡を吹く、と書いてある サイトもありました。

 呼吸もすぐ戻り、発作中に 心臓マッサージや、マウストゥマウスの人工呼吸が

 必要なことは 稀だといいます。

 しかし、心筋梗塞などである 場合もあるでしょうから、

 素人には 判断が難しいですね。

 ただ 何の前兆もなく、いきなり失神するのは、

 てんかんの可能性が 高いのでしょうか?
 

 そういえば、心子が授業中に、クラスメートが てんかん発作を起こし、

 心子はとっさに 自分の手を 相手の口に入れて、

 舌を噛むのを 防いだと話していました。

 もっとも、それが 客観的事実かどうかは、今となっては 分かりません。(^_^;)

(続く)
 

女性が倒れた! (1)

2007年11月10日 18時59分39秒 | Weblog
 
 ゆうべ 帰りの満員電車の中で、僕の前に立っていた 若い女性が突然、

 崩れるように 仰向けになって倒れてしまいました。

 周りからは女性の悲鳴も。

 倒れた女性は 白目をむき、唇が紫色になっています。

 「大丈夫ですか?」 と言いながら、頸動脈に触れてみましたが、

 脈があるのかどうか よく分かりません。

 とにかく 胸を押して、心臓マッサージをしました。

 横にいた男性は、女性が舌を噛まないようにするためか、

 ハンカチを口の中に 入れていました。

 周りの人たちも どうしたらいいのか分からず、黙って見ているだけです。

 僕も 「車掌さんを呼んでください」 と言うのが 精一杯。

 倒れた女性は、にわかに 腕を突っ張るように動かし、

 僕は心臓マッサージの 手を止めました。

 しかし 女性はまたぐったりとし、僕も再び 心マを。

 それが 2回繰り返されました。

 どうなるんだろう? こんなことをしていて いいのか? 

 不測の事態で 頭が回りません。

 すると、女性は 急に意識を取り戻し、すっくと立ち上がって、

 けろっとしたかのように、「すみません、大丈夫です」 と 2度ほど口にしました。

 床には 失禁らしきあとが。
 
 周りからは 「座って休んで」 という声もして、女性は席に座りました。

(シートは 濡れなかったのだろうか?)

 間もなく 電車が駅に着き、女性は そそくさと降りていきました。

 その間、誰かが 非常用ボタンを押したようで、

 車内アナウンスが流れ、すぐに駅員が 二人やってきました。

 降りていった女性の方を 乗客が指さしながら、簡単に事情を話し、

 その場は治まりました。

 それにしても、女性は何が原因で 倒れたのでしょう? 

 素人には分からないものです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51165172.html
 

「アフター・ウェディング」

2007年11月08日 22時07分03秒 | 映画
 
 “デンマークが生んだ 恐るべき才能” と言われる

 女性監督、スサンネ・ビアの作品です。

 インドで孤児の援助活動をしている デンマーク人ヤコブに、

 母国の実業家ヨルゲンから 巨額の寄付の申し出があります。

 条件は、帰国して直接会うこと。

 孤児院は破産寸前で、子供たちの行き場はなく、

 申し出を受ける以外 考えられません。

 ヤコブは ヨルゲンの娘アナの 結婚式に誘われ、

 式場で かつての恋人ヘレネに 遭遇します。

 彼女は 今はヨルゲンの妻でした。

 アナは 式の場でスピーチをし、ヨルゲンが実父ではないことを 告げます。

 ヘレネの以前の恋人の子だけれど、愛し育ててくれた ヨルゲンに感謝するのでした。

 困惑するヤコブに、ヨルゲンはさらに 寄付の条件を突きつけます。

 ヨルゲンの真意は 何なのか? 
 次第に 事実が明らかになっていきます。

 突然降りかかる巡り合わせに どう相対していくのか、葛藤する男と女、親と子。

 そして生と死。

 ドラマチックなエピソードが 精緻な演出により、

 集中的な映像と 大胆な省略で描かれます。

 極端なクローズアップが、インパクトをもって 心の内面を表現していました。

(僕も以前 マンガを描いていたとき、意志的なクローズアップを 用いていました。)

 人間の心理を 醜さも含め、リアルに語りかける映画でした。
 

「クワイエットルームへ ようこそ」

2007年11月07日 23時06分43秒 | 映画
 
 「クワイエットルーム」 とは、精神科閉鎖病棟の中の 保護室のこと。

 入院患者の間で そう呼ばれています。

 マルチな才能を発揮している、松尾スズキの 原作・監督作品です。

 有楽町にオープンした 「イトシア」 の、

 「シネカノン有楽町2丁目」 で観てきました。

 28才のライター・佐倉明日香 (内田有紀) は、

 ふと気が付くと、クワイエットルームのベッドに 縛りつけられていました。

 何があったのか、全然 記憶がありません。

 大量服薬 (オーバードーズ) で自殺しようとした と聞かされますが、

 明日香は 死のうなどとはしていない と訴えます。

 自分は こんな所にいる必要はないと。

 病棟には、摂食障害の患者ら、一癖も二癖もある キャラクターがひしめいています。

 食べたくても食べられない ミキ (蒼井優),

 元AV女優で 過食症の西野 (大竹しのぶ),

 鉄仮面のようなナース (りょう) など。

 明日香は 少しずつ記憶が蘇ってきて、

 自分に起こった ヘヴィーな出来事を 理解していきます。

 深刻なテーマですが、松尾スズキの手にかかると、

 観客の目を引きつける、飽きさせない 映像と演出で楽しめます。

 小ネタも満載。

 そして最後は、ぐっと胸に来る 展開で魅せてくれます。

 かなりバッチイ役を、開き直って(?) 演じきった 内田有紀も立派でした。

 大竹しのぶは どんな役でもできてしまうのは 驚きませんが、

 目を引いたのは 新境地の蒼井優。

 拒食症の患者役のため、大分減量して 体を細くし、

 目のつり上がった 不思議な少女を怪演しています。

 また彼女の魅力が ひとつ増えました。
 

「この道は母へとつづく」 (2)

2007年11月06日 22時10分05秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51068187.html からの続き)

 「母を訪ねて三千里」 などのように、母親探しの 定番の物語ですが、

 この作品には ロシア社会の様々な問題が 描き込まれています。

 貧困,児童虐待,少女売春,人身売買まがいの 養子仲介業者の横行。

 そんな中、少年たちは 彼らなりのルールに則って、したたかに生きています。

 母親に会いに行く道中 ワーニャは、養子仲介業者に追われたり、強奪に合ったり、

 また、人々の 優しい善意に触れたり、救われたりします。

 すさんだ社会でも、人々の心は温かい。

 映画は ワーニャの旅路を丹念に、リアルに追っていきます。

 過度な演出はせず、ワーニャの健気な姿が 感動を誘います。

 クライマックス、業者の用心棒に 追い詰められたワーニャは、

 恐ろしいばかりの 勇気を見せつけます。

 観ていて 身も凍る思いがしました。

 さすがに用心棒も 心を動かされます。

 それまで 眉間に皺を寄せながら、必死に苦難に立ち向かってきた ワーニャでしたが、

 母親に出会ったとき 初めて、戸惑ったような、はにかんだような 笑顔を見せます。

 想像力をかき立てる、秀逸なラストシーンには、目が潤みました。

 この映画は、新聞に乗っていた 実話を元にしている、と知って驚きました。

 2005年ベルリン国際映画祭で、少年映画部門グランプリを獲得し、

 その後 42の国々で 32の賞に輝くという、快挙を遂げた作品です。
 

「この道は母へとつづく」 (1)

2007年11月05日 23時33分23秒 | 映画
 
 アンドレイ・クラフチューク監督の ロシア映画です。

 孤児院で育った 6才の少年ワーニャ。

 幸運にも、裕福なイタリア人夫妻の 養子になることが決まります。

 しかしワーニャは、もし 養子に行ったあと、

 本当の母親が迎えに来たら 一生会えない、という疑念に駆られます。

「一度でいいから、ほんとうのママに 会いたい」

 顔も知らない母親への、果てない想いを 募らせるのです。

 ここからの ワーニャの行動がすごい。

 各孤児に関する ファイルが資料室にある ということを知ると、

 そのファイルに 母親のことが書かれていないか と考えます。

 でも ワーニャはまだ6才で、字が読めません。

 ワーニャは ただ資料を読むためだけに、

 年上の少女に お金を払ってでも、字を習い始めるのです。

 そのために お金を盗んで、袋叩きにあっても めげません。

 そして 苦労の末、字を覚え、資料室のカギを盗んで、忍び込みます。

 そこを見つかってしまいますが、素早く一枚の資料を ポケットに仕舞いこみます。

 その紙には、ワーニャが 前に預けられていた孤児院の 住所が書いてありました。

 そこへ行けば 何かが分かるかもしれない。

 たったそれだけを頼りに、ワーニャは 孤児院を脱走し、

 前の孤児院を 探しに行くのです。

 ワーニャは一人で 列車に乗り込み、バスを乗り継いで行きます。

 僕が6才の時に、到底そんなことは できませんでした。

 ひたすら母親を慕う ワーニャの強い想いが、彼を突き動かすのでした。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51084263.html
 

畠山鈴香被告は 反社会性人格障害ではない

2007年11月04日 21時29分07秒 | 凶悪犯罪と心の問題
 
 昨年、畠山鈴香被告が反社会性人格障害と 言われていることに対して、

 疑義を唱える記事を、僕のブログに書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36340434.html

 先週の報道では、畠山被告は 自ら極刑をもって償いたいと 述べているようです。

 反社会性人格障害の人は、犯罪行為を犯しても 良心の呵責を感じないことを

 特徴としますから、畠山被告は 反社会性人格障害ではないことになります。

 やはり、安易に 犯罪者を人格障害だと 述べる向きには、

 非常に遺憾な思いを 覚えます。

 人格障害に対する 偏見や誤解を広めるようなことは、

 マスコミには 厳しく謹んでほしいものです。
 

 また 畠山被告は、彩香ちゃんを 橋から突き落としたあとの、

 記憶がないと 言っています。

 彩香ちゃんが いなくなったと思い、本気で探し回ったといいます。

 それが真実かどうかは 分かりませんが、あり得ることではあります。

 彩香ちゃんを あやめてしまったという、

 自分でも受け入れがたい ショックから逃れるために、

 解離症状を起こして 記憶を消した ということは考えられます。

 もちろん それで罰が免じられる わけではありませんが、

 境界性人格障害などにも見られる、そういう心理的症状こそ

 報じてほしいものだと思います。
 

宇宙ビジネス

2007年11月02日 21時57分34秒 | Weblog
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51000742.html からの続き)

 宇宙葬が ビジネスとし成立し、宇宙旅行にも 一般人が参加して、

 宇宙に飛び立つことが 可能になってきました。

 遠かった宇宙が、民間の力によって 手の届くものになってきたのです。

 宇宙開発はこれまで、軍事目的や 国威高揚のための 国家プロジェクトとして

 推進されてきましたが、アルビン・トフラー博士は こう言いました。

「 かつて 軍用だったインターネットが 民間で使われ 花開いたように、

 宇宙産業も 民営化されて初めて 宇宙開発の将来が確実になる 」

 宇宙は、ビジネスとして 最後の開拓地です。

 「宇宙の歩き方」 という本も出て、普通の旅行ガイドの感覚で、

 宇宙への旅を 紹介しているようです。

 国際宇宙ステーション 滞在客の候補は、日本人であるらしいとか。

 また 宇宙には、重力や空気などの 他にも、ないものがあります。

 それは、国境です。

 宇宙ビジネスは、各国の企業が提携して プロジェクトを進めています。

 宇宙は 人類がひとつになれる 場なのですね。