o 問題解決技能の欠如
BPは他の問題には 対処する能力があるかもしれません。
あるいは、 対処できないときでも 「対処できる」 と言い張るかもしれません。
(見せかけのコンピテンス (有能さ))
BPの多くは、 問題解決技能を学んできていないのです。
まず、 高ぶった感情は しばしば認知能力を妨げます。
感情的に脆弱な人は、 問題解決でうまくいった経験が 少ないのです。
それから、 非承認的な環境が 問題解決の学習を妨げることもあります。
BPは他人のリアクションや、 他の家族の感情調整不全のために、
問題を解決する経験を していないことがあるのです。
何かで取り乱している子供を 想像してみてください。
大人が 子供の感情を許容できず、
「泣くな」 と言って、 問題解決ではなく 感情制御させようとしても、
子供は感情をコントロールできません。
なかには、 どのような問題に対しても
ひとつの解決策を伝える 大人もいるかもしれません。
子供は 多様な解決策を試みる機会を 失ってしまいます。
創造的な解決策が罰せられると、 子供は 何もしないのが最善だと学びます。
感情をエスカレートさせるように 子供を強化する場合もあります。
子供が言いたいことを聞いてもらえないとき、 より大きい声で要求します。
その子の望むものを与えれば、
その子は 大きい声を出せば 必要なものを得られると学んでしまいます。
o 自信の欠如
問題解決には、 能力だけでなく 自信も必要です。
BPは往々にして、 自分にできるという感覚がないのです。
BPは 不成功に終わった努力が 非承認になる環境で育ったのでしょう。
このような経験をすると、 BPは 「負け犬」 のように感じ、
やり直す経験, 間違いから学ぶ経験, 回復力や創造性を伸ばす経験も
持てないままになってしまいます。
大人が失敗を批判すると、 その子は自信を失い、 受動性が発達しかねません。
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
(星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
[星和書店の許可のうえ掲載]